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心のnote|エッセイ・創作

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「きっと、誰にも、聞こえない。」 そんな心をふと、垣間見る。
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#人生

「ENGAWA」という在り方

「ENGAWA」という在り方

中だけど、外。
外だけど、中。

そんな不思議な空間。

これが、「尼崎ENGAWA化計画」の
インターンの方々と関わって感じたこと。

社会人になるまでは、
人との距離感の取り方に違和感をもち、
「イベント」と呼ばれるものは
忌避していたきらいがある。

何かを企画をする人とは、
どこか相容れないものだと、

そう感じていた。

ふすま越しの存在だった外の世界。
その柔らかな日差しにいつしか、

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人となり

人となり

もっと、もっとと手を伸ばす。
もどかしくって苦しくて。

他人は
「もっと外を見よう」
「もっと関心もつといい」
無垢な笑顔でつぶやくばかり。

それでも僕は僕のまま。

見えぬところに根を張って、
内にみなぎるエネルギー。

腹から胸へそうしてのどへ
よどみ渦まきせめぎあい
溢れんばかりの心の息吹。

僕が先生をやめたわけ。

僕が先生をやめたわけ。

「絶対まだたまごの強みを
活かせる場所、あると思うんよな。」現場2年目の僕に、
ベテランの先生が言ってくれた言葉。

僕が「先生」を意識し始めたのは
小学校6年生のころ。
担任の先生のユーモア溢れる学級が
大好きだった。

恵まれていたと思う。

中学。
ペンで机を叩いてリズムをとる英語の先生。
高校。
発掘してきた土器について熱く語る先生。
大学。
チョムスキー愛を炸裂させる先生。

いろいろな

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星に願いを。

星に願いを。

3年ぶり。
たぶん、それくらい。

学生時分に関わった子どもたちも
3歳分の成長と、3年分の入れ替わり。

一生懸命に会を進める学生と
一瞬一瞬をただただ楽しむ子ども。

たった3年、されど3年。
どこか遠い景色になってしまった。

けれども思うことがある。

みんな、元気でよかった。

入学当初、幼児だった子が
今では5年生。

全くしゃべらなかったあの日が
まるで噓みたいに、

声も、背も、笑

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本当に満たされるのだろうか。

本当に満たされるのだろうか。

雨が降って、靴がぐしょぐしょで不満。

電車で1駅分乗り過ごして遅刻。
会社に行きたくなくなる。

時間がなくて焦っているのに
先行く人が横並びでだらだらと喋っている。

些細なマイナスは、
どこまでいっても僕の思いに過ぎなくて。

けれども同じくらい小さなことに
プラスを感じることもある。

今日は買い物に行った。

好きな音楽に出会えた。

懐かしい映画を思い出した。

なんでもない1個の点を

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ここではないどこかを、僕たちは探している。

ここではないどこかを、僕たちは探している。

満足する度、コンマ1秒前までの願いが
ただの日常と化す。

気がつけば、あれほど望んだ場所でさえ、
空を仰ぎたくなっている。

そのくせ、失うのが怖くて。
それでいて、手のひらには何もなくて。

永遠に続くトンネルが視界を奪う。

あてどない日々と
果てしない幻に揺り動かされ、
空気が抜けて僕らはしぼむ。

ふくらむにはあまりにも年老いてしまった。

だから僕は、

風船を飛ばすHeになる。

例えるなら、法隆寺。

例えるなら、法隆寺。

柿食へば、鐘が鳴る。
あの、法隆寺。

幾多の地震に耐え、現存する
世界最古の木造建築。

五重の塔を貫く心柱はどっしり構え、
悠久の刻の趣を漂わせている。

まるで、一度の焼失もしなかったかのような
涼しげな面持ちで。

優しい水のあげかた

僕らは、
自分の6割を知らない。

1500ミリを飲み干して、
その3割は食べて摂る。

飲んだ分だけトイレに流れ、
汗に消えるのは食べた分。

行ったり来たり、するそれは
いともたやすく沁み渡る。

誰彼構わずふりまいた、
水は誰かを死へ運ぶ。

渇きを誘う一滴が、
生まれ変わったあなたへ続く。

過ぎたる水は生を薙ぎ、
満ちる彼らの心凪ぐ。

たった2文字に生かされて、
されど2文字に奪われる

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シェアするということ、

シェアするということ、

共有。

それはあくまでどちらかに偏っていくもので。

合鍵に元鍵があるように、
包丁にも主導権があるわけで。

相対的なのだろう。

朝のお風呂が僕なのも、
夜の掃除がきみなのも。

あるときはこちら、
あるときはそちら。

だからこそ、心地いい。

曖昧な気遣いよりも、
ちょうどいい切り取り線が。

近くて遠い、
遠くて近い。

「どこからでも切れます」は
「どこからでも切れない」

「誰が悪いというわけではない」と言われる時点ですべてが窒息している。

「誰が悪いというわけではない」と言われる時点ですべてが窒息している。

それはまるで、
ただひたすら1本の登山道を行くが如く。

脇目も振らずに行く先は
呼吸を奪う高台で、
いただく前に、いただかれ。

きっと、みんな、夢がある。

道を選ぶとは、つまりはそういうことで。
何かを目指すから踏み出すわけで。

けれども、道は険しくて。

1人、1人と「オモイ」を捨てる。
「オモイ」は後ろに配られて、
歩みに痛みが増してゆく。

職場が澱み、濁り行き、
沈んだオモイが闇と

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ブロックは、積まなくていい。

ブロックは、積まなくていい。

突然、なんてない。

同じ時間に起き、同じ電車に乗って、
同じ会社に行く。

同じだけ残業して、同じだけ居眠り。
同じだけゲームに明け暮れて、
同じだけ寝不足のまま顔を洗う。

同じような日々を積む。
ただそれだけで変わるほど、
世界はせっかちじゃない。

ただ1つでいい。

1つだけ変えてみる。

朝の電車を1本早める。
夕食のメニューを1品変える。
いつもの飲み会を1回減らす。

なんだってい

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自由という不自由

自由という不自由

本当の意味で「好きにできる」人間が、
いったいこの世にどれほどいるのか。

もし、「僕は、私は、自由です!」
という人がいるならば、ぜひ話を聞いてみたい。

少なくとも、僕にはできない。

プライドのせいじゃなく、
お金のせいじゃなく。

無知のせい。

檻の中がすべての人に、
外の何がわかるだろう。

私ごとだが、一人暮らしならぬ、
3人暮らしを始めた。

困るのは、会話。

何を話せばいい?

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