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エガタマのまいにち

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日記帳のような、そうではないような。 こころにうつりゆく よしなしごとを そこはかとなく かきつくれば
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休みなきゴールデンウイークデイズに燦々と陽は降り注ぎ

休みなきゴールデンウイークデイズに燦々と陽は降り注ぎ

 4月29日、世の中はゴールデンウイークと呼ばれる、ちょっとウッキウキな気分になってもいい一週間が始まったよう。
 よく考えたら、ゴールデンウイークが休みじゃなくなったのっていつからだったっけ?おそらく社会人になってからだ。所属業界がずっとエンタメ系だったものだから、世の中がお休みの時が稼ぎどき、忙し時なわけである。

 そのかわり、世の中がみんな仕事で大忙しな時に休めるから、旅行だって飛行機だっ

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インドネシアを知り、美しい日差しの午後にある人と再会し

インドネシアを知り、美しい日差しの午後にある人と再会し

 4月27日、昨日の荒れ模様が嘘のように消え、からりと心地の良い朝。

 本日はバイトであった。電車に乗ってえっちらおっちら、緑の多い新居の街から一転、東京のど真ん中へ出る。
 人生というのは本当にわからないもので、働いている飲食店では、遠いインドネシアからやってきた人たちが同僚となっている。この国には行ったことすらないのだが、まさかこんな縁ができるとは、数年前は思いも寄らなかった。
 敬虔なイス

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曇りの日、うどんのように伸びる親子

曇りの日、うどんのように伸びる親子

4月25日、ここのところにしては珍しく、薄寒い陽気。

引っ越しと転校が重なって、疲れが出たのかもしれない。軽い風邪をひいて数日学校を休んでいた息子と、昼前まで眠り続けた。
 起きた瞬間、第一声で「お腹すいた」と呟く我が子の胃袋の強さにため息をつきながら、気晴らしも兼ねて、近所の讃岐うどん屋さんに歩いて向かう。
 昼の3時には店を閉めてしまう、本当に絵を描いたような、地元経営のセルフうどん屋さんで

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パンドラの箱が開き、今宵の闇夜に月は光る

パンドラの箱が開き、今宵の闇夜に月は光る

 4月21日、京葉線の車内にて。
 
 東京湾の夜がびゅんひゅん遠ざかっていく車窓をボンヤリ眺めている。

 「おとこもすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」

 という、例のごとく日本一有名なひと文がふと脳裏に浮かび、「あゝ、始めるなら今日からだな」と、わたしはスマホを取り出して何事かを書き込みはじめる。

 窓の外の真っ暗闇に重なるようにして、過去の記憶が浮かんでは消えていく。こう

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小さな私と脳サンゴ

 我が家の机の上にずっと居座り続けているものといえば、真っ白な脳サンゴのかけらである。

 ちょうど、卵のサイズぐらいだろうか。ひんやりと、心地よい丸みを帯びて、手のひらにすっぽりと収まってくれる。

 私がまだ独身で、しがない芸能記者をしていたある時は、原稿やカフェのレシートを溜めておくためのペーパーウエイト代わりとなり、ある時は赤ちゃんだった息子のおもちゃとなり、またある時は、埃をかぶって部屋

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