「東井義雄先生の教育論再考」の記事をまとめています。
教育は,世の中を変えることのできる子どもを育てるという大事業である。こんな大事業であるからこそ,このプロジェクトに関わる教師には高い能力が求められる。その能力は簡単に身に付けない。常に,学び,成長し続けなければならない。だからこそ,やりがいがあるのではないだろうか。
教師の仕事って見方を変えると,1年目から裁量権を与えられて,自ら授業や学級をデザインすることができる。これってある意味,スタートアップとして起業したり,企業で事業プロジェクトの責任者として仕事するのと似たところがあるのではないだろうか。
スキルの一人歩きは,知識を方略的な次元でとらえ,いわゆる「学び方学習(Learning to Learn)」に終始する恐れがある。(Lambert,2014)
コンピテンシーの流行は,ともすれば,本来,学校における教科の教育の礎であった教科ならではの固有性を見過ごし,どの教科でもあてはまる汎用的の高いジェネリック・スキルへの傾斜を導きやすい。<続く>
長瀬拓也先生より献本を頂きました。ありがとうございます。 長岡文雄先生の第2弾の書籍です。現在,長岡文雄先生の原著を手に入れることは困難になっています。そんな中,長岡先生のイズムやエッセンスを学ぶことのできる1冊になっています。前作と合わせて,ぜひ多くの方に読んでほしいです。
私が主催する「社会科研究会Migaku」が,実践交流会を開催することにしました。この研究会のミッションは,「腰の強い授業づくり」です。そのため,授業を基に参加者の社会科授業観を交流することで,よりよい社会科授業づくりにつながる力を育成することを目的としています。
社会科研究会Migaku夏季研修会開催決定! 概要(予定) 日時:2025年8月23日(土)10:00~ 場所:神戸市三宮周辺 内容:講演,授業研究会,実践発表 https://sway.cloud.microsoft/SpcHeeBbu7ZElGjq?ref=Link
遅くなりましたが,新年のごあいさつです。 https://sway.cloud.microsoft/irPGEryCh3KqYddR?ref=Link&loc=mysways
学校の文化や仕組みをアップデートする時期にきているのだろう。これからの持続可能な社会形成において,時代に適応したインフラのアップデートが欠かせない。そのインフラのひとつが「教育(学校)」である。どう変わればいいかをいろんな角度からアプローチしているところであろう。
長瀬拓也先生が編著である『実践・事例から学ぶ生徒指導』を出版社から献本いただきました。ありがとうございます。 この度,新版ということで最新の事例をもとに生徒指導について説明されています。 (執筆者を見ていたら,中学校の同級生がいました。驚きです。)
探究やDX関連の研修をいろいろ参加している。子どもの学び方(資質・能力)を育てる方法や事例はたくさん紹介される。動画等もあり,参考にできる部分もたくさんある。しかし,子どもが構築した知識の具体について紹介されることがないのはなぜだろう。ここが大事なのではないだろうか。
これも私の経験だが,公開授業の指導助言に自治体の指導主事が出向き,学習指導要領の枠組みで評価することが多い。社会科の授業として課題があっても指摘することなく(しにくいのだろうが),授業のよさを強調した評価で終わることが多い。(ハラスメントの問題もあって言いにくいのだろうが。)
2025年2月1日(日) では,東井先生の著書を手がかりに教育観をみてみよう。 前回と同じ著書を取り上げます。 東井先生は,すぐにカッとなる性格だったようです。 その東井先生のエピソードから学びましょう! 東井義雄(1972)『子どもを活かす力』柏樹社 思わずカッとなる私 東井先生の体験と子どもから学ぶ姿勢が読み取れます。 私自身も,教師になりたての際,子どもをよく怒ってしまっていました。 今考えても,叱ってはおらず,感情に任せて怒っていたと感じます。 今でも,当時の
2025年1月24日(金) 東井先生はたくさんの著書を出されている。 そして,たくさんの詩が遺されている。 東井先生の遺された言葉や詩が現代の私たちにも響くものが多い。 そこには,東井先生の人生観や教育観が表れている。 著書を手がかりに東井先生の教育観を見てみよう。 今回は次の著書から探ってみる。 東井先生の多くの著書はなかなか手に入らない。 ただ,多くの図書館に所蔵されていたり,国立国会図書館のデジタルコレクションで読むことができる。 東井義雄(1972)『子どもを
2025年1月12日(日) 改めて自分の小学校教員の経験を踏まえ, 大きな影響を受けた東井義雄先生について整理していきたい。 これからの先の見通せない時代において, 東井先生が遺した教育論や授業論は,非常に価値のあるものである。 それは,東井先生は,子どもの「根」を育てようとしたからである。 ここ数年は,資質・能力の育成を目的として, 子どもに無責任に任され,深い学びのない授業, 資質・能力育成を目標に,方法論に終始した授業, などが散見されるようになった。 一方,このよ
先日,データ駆動型教育に関する講演を聞く機会があった。 文部科学省の担当の方のお話で,教育データを活用するためのフローや未来を語られていた。 文部科学省がこのプロジェクトをスタートしているため, もうこの流れは止められない。 講演では,きれいな言葉でビジョンが紹介されたものの, 結局は国益につながる人材の育成を求めていることがビンビンに伝わってきた。 絶対とは言わないまでも,実際には,多様な格差が生み出されることになるであろう。(今でもそうなのだが)。つまり,一部のエリート