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世界の金融緩和はこのまま加速していくのか?

世界の金融緩和はこのまま加速していくのか?

 FRBは9月17~18日に開催されたFOMCで予想を上回る0.5%の利下げに踏み切り、かなりの中央銀行で始まっている金融緩和はこのまま加速していくものと思われている。

 すでに日本を除くほとんどの国で足元の物価上昇率が政策金利を大きく下回っているからであるが、それでも見極めておくべきポイントも多い。さらに「ここから」の世界の経済状況や金融市場の変化

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FRB、ECB、BOE、日銀、それぞれの事情と金融政策

FRB、ECB、BOE、日銀、それぞれの事情と金融政策

 ECBは9月12日に2度目の利下げを決定したが、今週はFRBが9月17~18日、BOE(イングランド銀行=英国中央銀行)が9月19日、日銀が9月19~20日に、それぞれ金融政策決定会合がある(日付は現地時間)。

 そのうちFRBは利下げ開始が確定的であるが、BOEは不透明、日銀も未定であるが(世界でほとんど唯一の)利上げを模索している中

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広義の円キャリートレード解消は「これから」本格化する(急報)

広義の円キャリートレード解消は「これから」本格化する(急報)

広義の円キャリートレード解消は「これから」本格化する(急報)

 8月5日にドル円が一時1ドル=141.66円まで反発し、日経平均(終値、以下同じ)が史上最大の4451円安の31458円となり、世界の株式市場をリードする米ハイテク株が集まるNASDAQ総合指数も8月7日に16195ポイントまで急落した。

 ドル円は7月3日の一時1ドル=161.95円と1986年12月以来の円安となった水準から1

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割安株を探せ! 【3回目】

割安株を探せ! 【3回目】

割安株を探せ!   セブン&アイ・ホールディングス

 日本最大の小売企業であるセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)は8月19日、カナダのコンビニエンス大手であるアリマンタンシォン・クシュタール(以下、アリマンタン)から買収提案を受けていると発表した。提案内容は明らかにされていない。

 株式市場で話題を集めているが、このアリマンタンは買収ファンドでも「物言う株主」でもなく、れっき

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割安株を探せ! 【2回目】

割安株を探せ! 【2回目】

割安株を探せ!    パナソニック

 8月5日に史上最大の下落幅となる4451円安の31458円(終値、以下同じ)まで急落した日経平均は、そこから急反発して先週末(8月16日)は38062円となっている。史上最高値となった7月11日の42224円から8月5日までの下落幅の61.3%を回復しており、黄金分割比率の61.8%をほぼ達成している。

 また日経平均は昨年末から先週末まで13.7%上昇し

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割安株を探せ!

割安株を探せ!

割安株を探せ! 日産自動車

 7月31日の「唐突な」日銀の利上げと8月2日の米雇用統計を受けたFRBの利下げ開始示唆により、世界で積みあがっていた円キャリートレードが一気に巻き戻され、先週月曜日(8月5日)にはドル円が一時1ドル=141.66円、日経平均が史上最大の下げ幅となる4451円安の31458円、NYダウも1033ドル安の38703ドルとなった。

 その時点で、ドル円は37年半ぶりの円

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円安加速!(速報)

円安加速!(速報)

 ドル円は日本時間6月26日午後7時過ぎに1ドル=160円を突破し、日付が代わった27日午前4時半過ぎに一時1ドル=160.84円まで円安加速となり、1ドル=160.72円あたりで26日のNY時間の取引を終えている。

 この水準は1986年12月以来37年半ぶりの円安である。37年半ぶりといわれてもピンと来ないので「もっと長いスパン」でこの水準の意味を考えてみたい。

 介

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急反発した円、急落した日経平均  2回目

急反発した円、急落した日経平均  2回目

急反発した円、急落した日経平均  2回目

 前回(7月30日付け)の続きである。7月31日まで開催されていた日銀政策決定会合を受けて円相場がまた急反発し、日本株(日経平均)がまた急落している。そして同日まで開催されていたFOMCを受けて米国株式も急落し、さらなる円相場の急反発と日経平均の急落となっている。

 本日(8月5日)午後3時過ぎに円相場は一時1ドル=141.66円、日経平均の終値は44

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急反発した円、急落した日経平均

急反発した円、急落した日経平均

急反発した円、急落した日経平均 

 加速していた円安と株高(日経平均の上昇)が7月11日に「急変」した。今回はこれからの円相場と日本株について「目先」と「中期的」に考える。

 どちらも結論は、目先の調整はほぼ終わっており過剰な心配は無用となるが、中期的には今年後半にかけて世界の政治・経済の大きな変化を見極めなければならないとなる。

 当然すぎる結論でしかないが、そこを出来るだけ多方面から検証

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円買い介入実施

円買い介入実施

円買い介入実施

 日本時間7月11日の午後9時半に発表された米国6月消費者物価指数(総合)は、前月比がマイナス0.1%と2022年12月以来のマイナスとなり、前年同月比が3.0%上昇と前月の3.3%を下回った。

 これを受けて「さすがに」FRBによる利下げ予想が優勢となったが、発表直後に政府・日銀が5月2日以来の円買い・ドル売り介入を実施した。退任が発表されている神田財務官は介入の有無を公表し

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新たな円安レンジに入った円相場 2回目

新たな円安レンジに入った円相場 2回目

新たな円安レンジに入った円相場 2回目

 先週も円安は進み7月3日には一時1ドル=161.95円となった。2024年に入ると円はドルだけでなくトルコリラを含む世界中の(自由に取引されている)全通貨に対して下落している。

 さて先週の1回目のポイントは2つあった。

 1つは、ドル円が1986年12月以来、37年半ぶりの円安水準となっているが、より重要なことは土地・バブルが弾けて日本全体がパニッ

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新たな円安レンジに入った円相場   1回目

新たな円安レンジに入った円相場   1回目

新たな円安レンジに入った円相場   1回目

 ドル円は日本時間6月26日の午後7時過ぎに1ドル=160円台に乗せ、同28日の午前10時過ぎに1ドル=161.27円まで円安となり、同日のNY終値は1ドル=160.82円となっている。

 この水準は1986年12月以来、37年半ぶりの円安水準である。より重要なことは土地・株式バブルが弾けて株、債券、為替等が一斉に売り叩かれていた1990年4月の1ド

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