『タイム・スマート お金と時間の科学』を読んで:人生の舵取りをするのは他でもない自らである
読了。
今年を素晴らしい1年にするにあたって非常にオススメの本です。いや、人生をより充実させるにあたってですね。
読んでいて、やっぱり何事も「自覚的」であることが重要なんだと思いました。この本で言えば、「自分の時間の使い方にどれだけ自覚的になれるか、意図的になれるか」ということになります。
これまでにも、あらゆることに自覚的になって、自分なりの意図を持ってあらゆる物事に取り組んだ経験は、皆さんもお持ちだと思います。
ただし、本書からは誰しもがハッとさせられたり、身が引き締められるでしょう。
著者のアシュリー・ウィランズは、社会心理学の博士です。彼女のエビデンスベースのあらゆる具体例は、皆さんをどんどん引き込むと思います。
「時間とお金のトレードオフ」を常に迫られる現代人において、この日々の無数の「時間とお金どちらを優先するか」という選択は、積み重なって、やがて大きく人生を決定付けることになります。
お金がある人もない人も、「皆がより幸せになる上で」大切なことが、「タイム・リッチ」になることだと、本書は強く訴えかけます。
多少お金をかけても、「振り返ってみて、あるいは考えてみて、嫌なこと・退屈なことはとことん避けて」、「本当に望むこと・好きなこと・有意義なこと」に時間を配分する。そんな生き方をすると、結果的に人もお金も集まるというのですから、興味深いです。
特に、ハッとさせられたのは、なんとなくわかっていたものの、「同じ時間でも、その時間を有意義だと認識するかしないかが、本当に健康面を左右する」ということです。つまり、「何気ない日常の家事労働でさえ、それが運動効果があり、健康に寄与するんだと認識して」行うことで、本当に心身にプラスの効果が見込まれるということです。反対であれば、言うまでもなくマイナスの影響があります。
これは、「認識の仕方」がいかに人生を左右するものかを決定付けています。
余談ですが、本書は、著名な経済学者の坂井豊貴さんが「2021年のベストワン」だと評価した本です。彼は、新聞の書評委員も努め、他にもあらゆる媒体で書評を書く、マルチな活躍をする学者です。
あらゆるワークシートも用意されていて、「行動におと仕込む工夫」もたっぷりと盛り込まれた本書で、「今からすぐ先の未来」をより良くしたい方は必読の書です。
特に本書がオススメなのは、「忙しい方」、「いつも何かに追われている」、「毎日がただ忙しく、単調に過ぎていく」そんな風に感じる方です。そう、そこのあなたです。