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#不思議系小説 ニューシネマ・パラダイスシティ

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幻想と日常、後悔や嫉妬、死 色んな不思議を文章にしてまとめました 長いのから短いのまで、超現実的非日常体験をどうぞ ヘッダー画像は時々変わります
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#短編小説

Destination Unknown/精神の旅路

Destination Unknown/精神の旅路

#悪夢 を追う #不思議系小説

Destination Unknown/精神の旅路全3話。
#小説 #創作 #アルファポリス

3枚のうち最後の表紙だけ「精神の旅路」と書いていないのは
旅路が終わったから
です。

この話に出て来る悪夢を、子供の頃から何度も見ている。結末や過程は違うけど、舞台は同じ見知らぬ田舎駅と踏み切り。
精神の旅路、その終着駅で待つものは─
見てね。

Silver Days Devotion.

Silver Days Devotion.

 愛することも、愛されることも叶わないならば、せめて邪魔にならないようにしたい。

 細く曲がりくねった半透明のチューブのなかを満ち満ちて流れてゆく、蛍光グリーンの溶液。その流れに浮かぶ大小のあぶくたち。ひとつひとつに閉じ込めた情緒と風景の記憶がゼロの乱気流に飲み込まれ消えてゆく。
 僕は延髄に深々と刺さったチューブに繋がれて、蛍光グリーンのあぶくを循環させて夢を見る。

 白く、埃っぽいコンクリ

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#不思議系小説 阳炎

#不思議系小説 阳炎

 陽炎が踊る真昼の中華街。
 路肩の植え込みに投げ捨てられた、ラベルに見たこともない文字の踊る空き缶からこぼれたビールに真夏の陽射しが煌めいて、むわっとしたやるせない香りを放つ。気の抜けたビール、缶底に残って腐れたビールの匂いは、そのまま幼少時代に味わった地獄の匂いそのものだった。

 プルタブの外れた飲み口の溝に溜まった薄黄色の液体に小バエが溺れて浮かんでいるのだけが、朦朧とした視界の片隅で何故

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#不思議系小説 雨傘はソーダの海を泳ぐ深海魚のように

#不思議系小説 雨傘はソーダの海を泳ぐ深海魚のように

 渦巻く銀河の暗黒にどぎついピンクでロゴが描かれた500ml缶のプルタブを引く。
 パシッ! と音がして蓋が開く。中の液体を飲み干す。過剰なカフェインを含んだ甘苦い炭酸飲料が舌を駆け喉を走り胃袋に落ちてゆく。後に残るのは空き缶だけ。どこにも誰にもわからない。
 この体の中に満ち満ちた憎悪と後悔のソーダなど。その苦さも。甘さも。

ピンクの錠剤ニコニコなめて
市販の咳止めマイニチ飲んで
糖衣が私を邪

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#不思議系小説 粘膜商店街

#不思議系小説 粘膜商店街

 腐敗ガスを動力にして走る肉骨(にっこつ)バスが1メートル80センチほどの骨格標本に肉新庄(にくしんじょう)と乱雑に書いたブリキ板を打ち付けただけのバス停に到着する。肉骨バス特有の、上腕三頭筋の感触に近いクッションにぶよぶよの皮膚を張り付けたシートの座り心地は最悪で、足早にバスを降りた。

 ほかに降りる客は居らず、肉骨バスは再びしゅうしゅうがしゅがしゅと目に沁みるような臭いのする腐敗ガスを撒き散

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#不思議系小説 ニューシネマ・パラダイスシティ

#不思議系小説 ニューシネマ・パラダイスシティ

 赤潮
 寄せては返す波打ち際を赤く染めるほどの微生物の死骸
 それに群がる小魚の群れ
 それを狙う肉食魚
 それは俺の血管の中で寄せては返す小さな命の群れ。細胞、血液、精液、精子、ミトコンドリア、核
 血潮

 今日も俺がどうかしていることを確かめるためだけに書き続けた日記がある。
 すっかりくたびれた表紙に、かつてなんていうタイトルを付けたのか、もうわからない。もう思い出すこともないのだろう。

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バイバイマタネ

バイバイマタネ

「コンニチハ! コンニチハ!」
 甲高い機械の声で挨拶をする薄汚れたキリンの乗り物。小銭を入れるとギーコギーコと駆動して歩き出す、年代物のキリンの乗り物。
「コンニチハ! コンニチハ!」
 振り向くと薄汚れたキリンは僕の目を真っすぐ見つめて、プラスチックの目玉がヒビ割れたまま冷たい微笑みを浮かべていた。

 見ず知らずの家族連れが楽しそうに、木陰のベンチに腰かけた僕の目の前を通り過ぎる。
 大ぶり

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#不思議系小説 臨界都市

 まるで透明なガラスを張ったように目の前に付きまとう違和感を振り払おうと、少し首を振って空を見上げた。青すぎるほど晴れ渡った空と自意識の間には、やっぱり透明なガラスがあるような気がしてならない。雨が降ればこの体は濡れるし、心も風邪をひく。誰と話しても、触れても、重なり合ってもなお、このガラスからは解放されないでいる。
 何もかも嫌になるし、誰も彼も憎たらしい。きっと向こうもそう思っている。すれ違っ

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