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ドバイ不動産投資でかかる税金はいくら?

今回は、ドバイ不動産を購入した後の税金や出口戦略について解説していきます。

この記事はこんな人に向いています。
✅ ドバイ不動産投資を検討している
✅ ドバイ不動産の税金が知りたい
✅ ドバイで不動産を所有している


ドバイ居住者の税金

なんとなく「ドバイは税金がない」と聞いたことがある人も多いと思いますが、ドバイの不動産に関する税金はどうでしょうか?

2023年9月現在、UAEの居住ビザを所有する個人に対して、所得税、キャピタルゲイン税、相続税、固定資産税などはありません。UAE居住者は、海外からの所得に対しても、UAE国内で課税されることもありません。

また、企業に対する税金として法人税9%がスタートしましたが、フリーゾーンに設立された法人は、一定条件を満たせば法人税の適用外となります。一定条件とは、フリーゾーンの適格活動の範囲(フリーゾーン法人間の取引)で、UAE国内/国外との取引で事業をおこなっていない場合です。

二重租税条約と税務情報交換

UAEは、世界138カ国と租税条約を結んでいます。また、税金に関して各国と税務情報を交換するため、UAEは、Common Reporting Standard(CRS)協定に参加しています。このシステムにより、参加国は、非居住者の銀行口座でや税務情報をやりとりでき、各国が債務者を見つけて税金を請求できます。

ドバイ不動産の購入でかかる税金

ドバイの不動産を購入・売却したことによる、固定資産税やキャピタルゲイン税はありません。不動産の購入時の費用とランニングコストを理解しておきましょう。

不動産購入時及び購入後においてかかる主な税金は、下記の通りです。

DLD(ドバイ土地局)に支払う費用

  • DLD費用:物件価格の4%

  • アドミン費用:マンションやオフィス: 580AED / 土地: 430AED / オフプラン物件: 40AED

  • 登記費用:

    • 500,000AED以下:2000AED + VAT(5%)

    • 500,000AED超:4000AED + VAT(5%)

  • 抵当権設定費用:ローン金額の0.25% + 290 AED

  • サービスチャージ(年間管理費):RERAのインデックスに従い、面積に応じて徴収

(そのほかの費用)

  • NOC(No Objection Certificate)(デベロッパーに支払い)

  • 不動産仲介料(仲介へ支払い)

  • セキュリティ デポジット(仲介が徴収)

  • 住宅ローン費用(金融機関へ支払い)

  • DEWA費用(Dubai Electricity and Water Authority)(インフラの設定費用としてDEWAに支払い)

日本居住者がドバイ不動産を運用・売却した時の税金

日本の法律上、日本の居住者は国外からの所得も課税対象となります。つまり、ドバイだけでなく海外不動産からのインカムゲインやキャピタルゲインについても、国内不動産と同様に課税されます。そのため、日本でしっかり確定申告する必要があります。

米国不動産と違い、ドバイの不動産の歴史は浅く、税金も基本的にないため、ドバイ不動産の耐用年数は定められていないと考えられます。実務上、エージェントからそういう話を聞いたことはありません。減価償却額の控除や耐用年数の算出には、会計/税務の専門家にご相談することをお勧めします。

原則、海外不動産の売却益は、「譲渡所得」として日本で課税されます。
譲渡所得税の課税対象は、譲渡益から海外不動産の取得費用や譲渡費用を差し引いた金額です。海外不動産を「何年所有していたか」で税率が変わります。

短期譲渡所得の税率(所有期間が5年以下)
所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9% = 合計39.63%

長期譲渡所得の税率(所有期間が5年以上)
所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5% = 合計20.315%

ドバイのオフプラン物件を購入した場合、完成まで3-4年であることがほとんどです。最も市場価格が高いと予想される完成間近に売却した場合、所有期間が5年以下なので、39.63%の譲渡所得税がかかることになります。

日本居住者が個人で売買する時は、購入前に計算しておきましょう。

ドバイ法人で不動産を所有する場合

日本居住者個人で不動産を転売したり、賃貸収入を受け取る場合、日本の課税対象となるため、理論的にはUAE法人で不動産を所有する方法が考えられます。ポイントとしては、

  • UAE国内でオフショア法人を外資100%で設立できる

  • オフショア法人がドバイの不動産を所有できる

  • 日本での課税金額 > 設立およびランニングコスト

  • ドバイフリーゾーン法人として実際に事業をしている

という4点を満たす必要があります。

しかし、フリーゾーンに法人を作って、日本で家賃を受け取ってないからといって、課税対象にならないとは言い切れないため、専門家にご相談することをお勧めします。

証券化スキームなどでよく使われるSPVを設立するパターンで言えば、UAE国内で、ドバイ不動産の所有をDLDから認められているオフショア法人があります。例えば、ADGM、DIFC、DMCC、RAK ICCなどいくつかのフリーゾーン内でSPVを設立して所有権を保有することはできます。フリーゾーンは、UAEの規制とは別の独自の規制があるエリアですので、それぞれの規制を確認する必要があります。

この点については、また他の記事で解説したいと思います。

ドバイに移住する場合

ドバイに一旦移住するという選択も方法論としては一つあります。一つだけ注意するべき点は、"税務上"日本の非居住者になっているかどうかは、住民票を抜けばいいと言う話ではないと言うことです。あくまでも生活の実態がどこにあるか、で総合的に判断されます。

まとめ

  • ドバイ居住者は、不動産売却益やキャピタルゲインに対する税金は0。

  • 日本居住者は、海外不動産から得る利益に対して日本で課税対象となる。

  • ドバイと日本は、二重課税条約を結んでいる。

  • ドバイ不動産の転売益に対する税金は、所有年数によって変わる。

  • 個人でドバイ不動産を購入する時は、出口をあらかじめ考えておき、会計/税務の専門家に相談する

以上、ドバイ不動産を購入した後、どのような税金がかかるかについて概要を解説しました。
実際に購入してから知らなかっただと損をしてしまうこともあるので、気をつけましょう。早めにご相談ください。


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