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感謝は薬である。

感謝の力:心身の健康を改善する科学的根拠とその実践



前回のコラム同様、私たちの生活において、SNSが欠かせない存在となり、日常のほとんどの時間を画面に向けて過ごす現代社会。

こうしたデバイス依存による精神的なストレスが、私たちの健康に深刻な影響を与え始めています。

今、みなさまは何に怯え、何を求めていますか?


実は、
心と体の健康を取り戻すために、感謝の力を利用することが重要であることが、近年の研究で明らかになっています。

今回は、感謝の力がもたらす効果とその実践方法について、科学的データを基に詳しく解説していきます。


スマートフォン依存と感謝の力の関係


スマートフォン依存は、私たちが常に誰かとつながり、情報を得ようとする欲求に深く結びついています。

前述の通り、2014年に行われた調査によると、私たちは1日に平均221回スマートフォンをチェックし、アメリカでは平均的なユーザーが1日に2,617回もデバイスに触れているという驚くべき結果が出ています。

これは、社会的な承認を求める欲望や、絶え間ない情報収集が原因で、私たちの脳が過剰に活性化されているからです。


このような現代の生活習慣は、私たちの精神的な安定を揺るがし、ストレスや不安、さらにはうつ病を引き起こす要因となりかねません。

しかし、ここで注目すべきは、感謝の習慣がそのストレスや不安を緩和し、精神的な安定をもたらす可能性があるということです。

感謝をすることで、ポジティブな思考が強化され、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられるとされています。


感謝がもたらす科学的な効果


感謝が私たちの健康に与える効果について、多くの科学的研究が行われています。特に、米国の心理学者マーティン・セリグマン博士の研究が広く知られています。

彼は「ポジティブ心理学」の先駆者として、感謝が幸福感を高め、生活の質を向上させる効果を証明しました。

セリグマン博士の「3つの祝福(Three Blessings)」エクササイズは、寝る前の10分間、その日感謝できることを3つ書き出すというシンプルな方法ですが、1週間続けることで生活満足度が大幅に向上し、うつ症状が軽減されることが確認されています。

また、セリグマン博士は、このエクササイズを6か月続けることで、気分の安定と幸福感が持続することを証明しています。


さらに、2011年に発表されたある研究では、感謝の気持ちを持つ人々は、心臓の健康世状態が改善されるという結果が報告されています。

感謝の習慣を持つ人々は、心拍数や血圧が安定し、心臓病のリスクが低下することが示されています。
これに加え、感謝の気持ちを持つことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が減少し、免疫機能が向上するという研究結果もあります。


感謝の実践方法:日常生活に取り入れる


感謝の力を日常生活に取り入れるための第一歩は、寝る前に感謝できることをリストにする「感謝日記」を始めることです。

以下に、具体的な方法を紹介します。


1. ノートや日記を用意する

ベッドサイドにあなたが気に入っているかわいいデザインのジャーナルやノートを用意し、その日の終わりに3つの感謝できることを書き出します。

これが一番シンプルな習慣でありながら、ポジティブな思考を強化し、ストレスを和らげる効果があります。


2. 感謝すべきことを考える

感謝の対象は、特に大きな出来事である必要はありません。

たとえば、朝に親切な同僚がコーヒーを買ってくれたことや、夕食が美味しかったこと、温かい家で過ごせることなど、日常の小さな出来事に目を向けることが大切です。


3. 毎日の習慣にする

感謝の力を最大限に引き出すためには、毎日継続することが重要です。

感謝日記を続けることで、ポジティブな思考パターンが定着し、ネガティブな思考にとらわれにくくなります。



感謝の科学的効果の具体例


感謝の力がもたらす効果は、心理的な健康だけでなく、身体的な健康にも広がります。
たとえば、サザンメソジスト大学のチャド・バートン博士が行った研究では、3日間にわたりポジティブな出来事について書くことで、3か月後の参加者の気分が向上し、病気にかかる頻度が減少したことが報告されています。

このように、感謝の日記は短期間で大きな効果をもたらすことが分かっています。


また、マンチェスター大学の研究では、感謝の気持ちを持つことで睡眠の質が向上し、エネルギーが増し、集中力が高まることが確認されました。

この研究では、感謝の習慣を持つ人々がより長く深い睡眠を得ていることが示されています。

感謝を感じることで、リラックス状態に入りやすくなり、良質な睡眠が促進されると考えられています。


さらに、宗教的な伝統にも感謝の習慣が深く根付いていることが挙げられます。たとえば、キリスト教では寝る前に祈りを捧げ、その日の感謝を表すことが一般的です。

感謝の気持ちを持つことで、心の安定が得られ、精神的な幸福感が向上することが古くから知られていました。これは、科学的にも裏付けられている事実です。


感謝の力を取り入れるメリットと課題


感謝の力は、現代社会において特に重要な意味を持ちます。
ソーシャルメディアやスマートフォンを通じて、私たちは他人との比較や情報の過剰摂取によるストレスに晒されています。

その結果、ネガティブな思考にとらわれがちですが、感謝の習慣を取り入れることで、その悪循環を断ち切ることができます。

ポジティブな出来事に焦点を当てることで、自己肯定感が高まり、メンタルヘルスが改善されるのです。

しかし、感謝の力を取り入れるためには、日々の習慣化が必要です。

忙しい生活の中で、毎晩感謝日記を書く時間を確保するのは簡単ではないかもしれませんが、その効果を実感できれば、続けるモチベーションも高まります。

小さな一歩から始め、徐々に習慣を定着させることが重要です。


感謝の習慣を取り入れる際の注意点と工夫


感謝の習慣を取り入れることは非常に効果的ですが、忙しい生活の中で毎晩感謝日記を書く時間を確保するのは難しいと感じるかもしれません。

その場合、無理のない範囲で始めることが重要です。

まずは、週に数回でも感謝の気持ちを書き留める習慣を作ることで、徐々にその効果を実感できるでしょう。

また、感謝の対象は小さなことで構いません


感謝の気持ちを持つ対象が「大きな成功」や「特別な出来事」である必要はなく、日常のささやかな幸せに目を向けることが大切です。

たとえば、「今日は美味しい食事を楽しめた」「友人が親切にしてくれた」「温かいベッドで休めることに感謝している」など、小さな感謝を積み重ねることで、心が穏やかになり、ポジティブな思考が強化されます。


感謝日記を書く際には、できるだけ具体的に書くことが効果的です。

たとえば、「今日は楽しい一日だった」と書くよりも、「今日は同僚がコーヒーを持ってきてくれて、気持ちが温かくなった」といった具体的なエピソードを書くことで、その出来事をより鮮明に思い出し、感謝の気持ちがより深まります。


感謝の力を日常生活に取り入れる


感謝の力は、私たちが日々の生活の中で見過ごしてしまいがちな小さな幸せや成功に目を向ける手助けをしてくれます。

感謝の気持ちを持つことで、脳内のポジティブな神経回路が強化され、ストレスや不安が軽減されるだけでなく、免疫機能の向上や心臓の健康改善といった身体的なメリットも得られます。


現代社会において、ソーシャルメディアやスマートフォンによる情報過多や他者との比較が、私たちの精神的健康に悪影響を及ぼすことが多々あります。

こうした悪循環を断ち切るためには、感謝の習慣を取り入れ、ポジティブな思考パターンを強化することが有効です。

感謝の力を活用することで、心の安定と幸福感を得るだけでなく、生活全体がより豊かで充実したものになるでしょう。

ぜひ今夜から、感謝日記を始めてみてください。
小さな一歩が、あなたの人生を大きく変える第一歩となるはずです。


今回は、感謝の力がもたらす科学的な効果を基に、実際の生活で感謝の習慣をどのように取り入れるかについて具体的な方法を示しました。


感謝の日記というシンプルな方法が、心と体の健康を大きく改善する手段であることを、ぜひ試して実感してみてください。

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