オードリー・タンさんは思想家!「まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう」
こんにちは、サカモトです。
今回は、こちらの本「まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう」の話です。
表紙がドーンとオードリー・タンさんが写っているので、オードリー・タンさんの著作と思われそうですが、台湾在住ノンフィクションライターの近藤弥生子さんの著作です。オードリーさんへのインタビューを元に作ったのがこの本となります。
ちなみに、近藤弥生子さんの本は以前、2冊ほど紹介させていただきました。
2冊ともオススメなので、もしよければ読んでみてください。
さて、この本の話に戻ります。
オードリー・タンさんは、コロナ騒動が起こるとすぐに台湾のIT相として、わずか数日でマスクマップを作ったことで有名になりました。そのせいか、オードリーさんはエンジニアとしての側面ばかりが強調されると思いますが、この本を読んで思ったのがオードリーさんは思想家だと感じました。
話すことがいちいちかっこいいんです。
まずは、先ほどあえてこの本はオードリーさんの著作ではないと書きましたが、オードリーさんが自ら本を書かないとしているからですね。その真意はというと、自分をオープンソースにしたいということですね。
オフィスでの会議や動画はネット上ですべて公開していて、誰でも自由に使えるようにしているそうです。オープンにするというのはよく聞きますが、ここまでオープンにするのは本当にすごいです。
また、デジタル化についても語る部分があるのですが、こうした話を語るときは大概手法について言及されると思いますが、オードリーさんは違います。
デジタル化によってどうしたいのか、何が目的なのかきちんと考えられているのですね。
では、オードリーさんはデジタル化の目的をどう捉えているのか。
デジタル化のコアバリューは、人と人のつながりであるとします。
デジタル化によって、色々と便利になるかもしれませんが、それによって人が機械に取って代わられたりしては意味がないと説きます。
こうしたことをはっきりと冒頭で言い切っています。
よくあることが、デジタル化が目的になってしまって、かえって使いづらくなったり、人との関係が遠くなったりということがよくあると思うのですが、台湾でのデジタル化がうまくいくのは、それを推し進めるオードリーさんの目的や思想がしっかりしているからなんですね。
本書では、この視点からの様々な取り組みに紹介されてますが、それらが素晴らしいのは、目的がしっかりしているからですね。ここがこの本で一番勉強になりました。
最後に、オードリーさんのかっこいい発言を紹介します。
最後の章が、日本の人からの質問に答えていくのですが、その答えがどれも素晴らしかったです。その中でも特に好きなのがこちらです。
「自分がすべきことをどのように見つけていけばよいかわかりません」
という質問に対しての答えがこちらです。
「まだ鳴ることのできる鐘を鳴らそう」
かっこいい!!!
元々はオードリーさんの言葉ではないようですが、サラッとこの言葉が出てくるところが素晴らしい!!
必要ないと思いますが、この言葉の真意を説明すると、あなたができることを少しでもいいからやりましょうということです。
こうしたことを上記の言葉を選んで語るところが素晴らしいですね。
ということで、今回は「まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう」という本の紹介でした。