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耳鳴り潰し222(図書館での耳鳴り、娘の手首の痛み、「ドッグス!」)

 今村夏子「とんこつQ&A」読了。「この話の落としどころはこの辺りかな」という予想を軽々と超えていくのが今村夏子クオリティ。

 そして近所の図書館へ。同じ市内であれば、借りた図書館と違うところでも返却できる。前回は新築の巨大な図書館だったが、今回は昔ながらの小規模な図書館なので、PC作業している人などは全然おらず、静謐な空間である。それがきつい。

 耳鳴り発生の仕組みと、静かな空間での耳鳴り増大の仕組み。

・音を感知する有毛細胞の損傷により脳が「音信号の欠損」と勘違いし、脳が音を作り出す。これが耳鳴りと呼ばれるものの正体。内部からの音のため、耳栓などは無意味。
・日常生活の中では様々な環境音(風の音や話し声や、機械の音など)が、耳鳴りをある程度覆い隠している。静かな環境ではそれらが響かないため、耳鳴りだけが浮き彫りになる。
・静かな環境では脳が「音を探そう」という動きをしてしまうため、耳鳴りに注意がいってしまう。
・生活音が流れていたり、何かに集中していれば耳鳴りから注意が逸れるが、静かな環境だとどうしても耳鳴りに意識が向いてしまい、より一層意識するので、巨大な圧に感じてしまう。

 元々こちらの小規模な図書館で読みたいと思える本は大体読み終えているから、本探しに時間がかかる。とはいっても、せいぜいニ十分かそこら館内をぐるぐるしただけだ。それだけで正直そこにいるだけであまりにも多大なストレスに感じるほどに耳鳴りは増大し、吐き気をこらえるほどになっていた。結局後半はあまり吟味することなく本を選んで退館。図書館通いをしなくなった理由を思い出した次第。しかし以前はここまでではなかった気がする。

 今これを書いている早朝の自宅では、冷蔵庫の音だけが居間に響いている。耳鳴りの圧も大きい。けれど図書館で感じたほどの苦痛ではない。歩いているのと坐っている姿勢の違いもあるかもしれないし、「倒れるわけにはいかない」との葛藤もなく、目の前の執筆に集中して耳鳴りを潰している成果でもある。

 何でもない人にとってはただの静かな空間であっても、耳鳴り持ちにとっては、そこはむしろ轟音の響く恐ろしい場所となる。

 娘の帰宅後、まだ手首が痛むというので、整形外科へ。息子の方はもう全然大丈夫みたい。跳び箱跳躍時に手首を捻ってから一週間経つ。
「金曜やから結構混んでると思うで。何か本持ってったら?」
「『ルックバック』持っていっていい?」
「いいよ。何か書く物も持ってったら」
「当然!」
 まあ結局スマホでゲームしてたけど。

 一年半前の足首の骨折だけでなく、今年九月にも同じようなところの痛みで来院していた。あまり常連にはなりたくないところだが、すっかり慣れてしまっている。おじいちゃん先生に痛みを確認してもらった後、レントゲン。骨折しているわけではないが、腫れているとのこと。ジェルを塗って内部を診る際に「どないですか」と性急に聞く娘に、おじいさん先生が「これから診るところやがな」とたしなめられていた。

「湿布を貼って様子を見て、痛みが続くようでしたらまた来てください」とのこと。
 利き腕の手首だから、どうしてもそれほど安静にできていないので、痛みが引いていないというところだろうか。骨折ならもっと激しい痛みになってそうだし。

「青春小説集」に「隣の心」追加。いつも隣にいるのが当たり前だと思っていたのに、そうでもなくなった話。自然と異性と触れ合う息子の様子を見ながら、自分の子ども時代の記憶の改ざんを図ろうとした私の話。パロディタイトル縛り(別にそういうわけでもない)なので、分かりにくいが「隣のトトロ」をもじった。

「架空書籍紹介(169冊目~175冊目)」追加。たまりにたまっている物消化中。別名義でバンバンkindle書籍出している身(売れてないけど)としては、いささかパンチの足りない企画書だな、と思えてくる。企画書ではないのに。

 羽田圭介「滅私」を読み始めた。

 前日と合わせて夕食時に映画「ドッグス!~オジーの大冒険~」を観た。先日観た「ロイヤルコーギー」関連作の中の一つ。こちらも面白かったが、埋もれがちな題名。緊迫した場面で子どもたちが主人公たちを応援したり、ラストには拍手をしたりと、私はそちらも楽しめた。シリーズアニメではなく映画を観ると、長く腰を落ち着けがち。TOP画像は映画内の、チワワとセントバーナードの対決シーンから。

「ドッグス!」が埋もれがちな題名なら、こちらは埋もれがちなPNで活動しているためエゴサーチができないと嘆いていることで知られる坂先生の創作論。長編を書けるようになるまでの話。

 坂先生原作のアニメ「ある魔女が死ぬまで」は来年公開。


 今日の一枚「ドラムを叩くゴリラと同居している作家」


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泥辺五郎
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