朝から話題のトピックに「ルックバック」があがっており、何のことかと見てみると、Amazonプライムで独占配信開始とのこと。Amazonプライム無料体験もできるようなので、早速入ってみる。起きてきた娘に「ルックバック観られるよ」と話すと「観たい!」と即答。
藤本タツキ氏(新都社時代のPN:長門は俺)の短編「ルックバック」はジャンプ+で掲載された朝、当時勤めていた会社に行く途中の電車で読んで涙を流した。すぐさま、藤野が京本に漫画を誉められてウキウキで帰るシーンの真似を、降りた駅のホームでした。
当時の様子を「音楽小説集(現在凍結中)に書いていた。歌詞引用部分を抜いて貼り付けてみる。
「Don't Look Back In Anger」Oasis 動画はこちらhttps://youtu.be/r8OipmKFDeM 涙を拭いても鼻水が溢れた。 電車を降りてから会社までの道のりでOASIS「Don’t Look Back In Anger」をリピートで聴いた。今年二度目のぎっくり腰をやり、回復の途上にある。杖代わりの黒い雨傘で地面を突きながら歩く。もうだいぶ苦痛なく歩けるようになっていたので、日傘として使う。山が近いので夜にはカブトムシの飛ぶ駅のホームを歩く。腰をかばいつつ少し踊るような足取りで。出来れば手の動きも添えたかったが、まだ社会人、と自分を戒めた。 「ルックバック」の中で、初めて京本家を訪ねた際の、雨の中で小躍りする藤野の真似をしたかったのだ。 あいにくの酷暑で陽射しが人々を焼き殺そうとしていた。 藤本タツキの短編漫画「ルックバック」を読んだ。 OASIS「Don't Look Back In Anger」を聴いた。 数日前に会社に辞意を告げた。 二週間前にRSウィルス(幼児に流行する風邪の一種)による症状の悪化で入院していた、息子の健三郎は現在部屋の中で風船を蹴り飛ばしサッカー的な遊びをしている。尻で風船を踏んで転んでしまっても泣きもせず、また風船を蹴り飛ばしている。 「Don't Look Back In Anger」のリード・ボーカルはリアムではなくノエル・ギャラガーが担当している。だから声があまり眠そうではない。 2017年5月22日、イギリスのマンチェスターで行われたアリアナ・グランデのライブ会場で自爆テロが起こり、死者22人、負傷者59人の被害者が出た。 その追悼集会の折に、一人の女性がOASIS「Don't Look Back In Anger」を歌い始め、会場に波及していく。https://youtu.be/ZT8sJuLjx7Y マンチェスターはOASISのメンバーの出身地であった。 昔、上長に毎日怒られていた時期があった。 ほとんどスルーしていた。 怒られながら、パソコンの画面上に表示されている、次の仕事の情報が気になり、直接上長に尋ねもした。それでまた怒られた。 「さっさとどっか行け!」と怒鳴られて、軽やかにスキップのような足取りで立ち去ると、どうもさらに怒っていたらしい。 あとは今書いてる小説の事など考えていた。 「どうせろくに人の話聞いてないんだろ」と言われて、「大体スルーしてます」と言って更に怒られた。 最近ふと気が付いた。 あれは周囲への示しとか、怒っているポーズだとかではなく、本気で怒っていたんじゃないか、と。 どれだけ怒っても気にしていない人間が視界に入るだけでいらついてたんじゃないか、と。 当時を知る同僚にその事を告げると、「今頃気が付いたんですか? どういう神経してるんですか?」と呆れられた。 まあまあ。 サリーも言ってる気がする。 「怒りにとらわれないで」と。 歌詞に出てくるサリーという女性は存在せず、ノエルが適当に歌っていたのをリアムが気に入り、歌詞にしたのだという。 怒られていた内容は忘れた。 何を書こうか。 日傘はいい。私が差したのは黒い雨傘だけど。直射日光を浴びないだけで、体力の消耗が大きく抑えられる。想像してほしい。私たちには肉がある。たとえば豚のバラ肉をむき出しで持ち、炎天下を歩く。そんな肉を食べたいとは思わないだろう。死んだ肉と違って私たちは生きているから、そうすぐには腐らないが、ダメージは受ける。日影の中にいるだけで、ダメージはかなり軽減される。 といった事だとか。 既に大勢に指摘されているけれど、漫画「ルックバック」の中には「don't look back in anger」という言葉が隠されているとか。 思い切ってノートパソコンを買った。 Excelもサクサク動くやつなので、とりあえず娘向けの漢字教材とか自作してみた。 スマホと違ってキーボードで素早くタイピング出来る。 私がノートパソコンを使っていると、息子の健三郎が昔の電子辞書を持ってきて、「これちっちゃい! それおっきい!」とはしゃいでいる。 案の定横からキーボードをカチカチとやる。 そんな事とか。 何でも書ける気がするし。 気がするだけの気もする。 職場全体が緊迫していたある日の事。隣の部署の係長(元後輩)の元に私は厳しい顔つきをぶら下げて歩み寄った。 「ジャンプ+に藤本タツキの新作読み切り載ってたぞ」 「チェンソーマンの人ですよね」 一番やばい時に真剣な表情で私たちが話し合うのは、大体漫画かアニメの話だ。 「ユニコーン(ガンダム)は八話くらいで止まってる。何だかもう続きものを観る体力がない」 「おっさんですよね」 「昨日風呂場で鏡見た時に、一瞬佐藤浩市がいた」 「目玉にアルコール噴霧してください、泥さん」 そんな日々も、もう長くは続かない。 最近、姉の真似をして健三郎がSystem Of A Down「I-E-A-I-A-I-O」を口ずさんでいる。 やはり弟の方がやんちゃに育つ。歌うのは構わないが、素行がリアム・ギャラガーのようにはなってくれないことを祈る。 休憩時間に「ルックバック」二回目を読む。 鼻水が、出る。 (了)
泥辺五郎「音楽小説集」内「「Don't Look Back In Anger」より noteの記事でも触れていた。コミックス版「ルックバック」を買いに行った時のことだ。娘が小学三年生で、不登校の時期。日付は、当時私が勤めていた会社の最終出社日の翌日となっていた。コマ撮り動画を撮影して「創る楽しみ」を味わっていた娘を見て書いたもの。
藤本タツキ「ルックバック」を娘がパラパラとめくって読んでいた。 「女の子二人が漫画や絵を描き続ける話だよ」みたいな説明はしておいた。台詞にふりがなはついていないので話の内容はあまり分かっていないが、「この女の子かわいい」と言っていた。 そんなことも何かのきっかけになっているのかもしれない。 ちなみに娘と散歩がてら本屋に行った時の会話。 「ルックバック」を手に取る私 「パパ、この作者が好きなんだ。十年くらい前かな。まだ漫画家になる前から、ネットですごい作品を発表していて」 「ふーん、この人女の人?」 「違うよ、男の人」 「パパって男の人が好きなんだ?」 「違う!」
泥辺五郎「コマ撮り動画を撮り始めた8歳の娘の話」より というわけで朝食時と夕食時で映画版「ルックバック」を観終えた。以下ネタバレあり。
息子が涙を流したのは、亡くなった京本の部屋の前で藤野が「私が殺した?」となっている場面だった。息子は自分が泣いてしまうシーンを嫌う傾向がある。大きく感情を揺り動かされることが苦手なのだと思う。私はもっと序盤の、初めて京本の四コマを藤野が目にする場面で既にウルウルしていた。早すぎると思う。子どもたちの登校班の集合場所に、いつも私と子どもたちは早めに行って雑談をする。寒すぎて息子の手袋を一度取りに帰り、戻った際に私は「ルックバック走り」のポーズを取った。実際には走ってはいない。藤野が初めて京本の家を訪ねた帰りの、大喜び走りの真似だ。 「何してんの?」と娘が冷静に突っ込んできた。 「ルックバック走り」 「ああ」 ああ扱いされる父親(日常)。
#なんのはなしですか
金曜日は子どもたちは二人ともデイに行く日なので夕方まで帰ってこない。だから何でもできるぞ、という曜日であるが、逆に何も進まないパターンの日であることも、もう覚えた。huluでは観られないけれどAmazonプライムでなら観られる、というのを探して、無料期間中に観ておくことにする。「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「おいしい給食 Road to イカメシ」をウォッチリストに入れた。
以下ネタバレあり。
今朝の早朝タイムも入れて、FREEDOMとシンエヴァを観た。デスティニーを観て喜ぶシン、思考を読む敵にエロい妄想で対抗するアスラン、アスランにボコボコにされるキラ、など見どころが多かった。「ガンダムSEED DESTINY」において、超人化したキラとラクスを、人間臭くするためのものだったとも思える。戦術兵器で大量に人が死ぬ場面、戦艦が撃沈される場面では、やはり心が重くなる。 「Q」を観て落胆してその後エヴァ関連には全然触れていなかったが、予備知識なく観たシンエヴァは良かった。シンジが落ち込んでなかなか回復しないところ、レイタイプが人間社会に溶け込んでいくところを、病後の自分と重ねて観ていた。だからレイタイプが溶解したところがつらかった。
娘は同じクラスでも「ルックバック」を知っている子がいたという。美大襲撃シーンで娘は本気でビビッていたので、映画館では観なくてよかったなとも思う。あそこの展開で驚くということは、漫画はやっぱり最後まで読んでない。
翌日早朝を含め、一日でアニメ映画を三本も観るという、人生で初めての日だった。恒例だった「金曜日は何もする気が起きない」をこうして乗り越えることができた。ちなみに用事で市役所に出かけて、その帰りに隣の図書館にも寄った。この日も痛み止めなしで過ごせたので少し調子に乗っていた。「本を読む人より、ノートPCやタブレットで作業している人の方が多いな」と観察していた。ざわつく人もおらず、非常に静かな空間だった。だから巨大化した耳鳴りに潰されそうになり、帰宅後は映画を観る以外何もできなかった、ともいえる。
今日の一枚「漫画を描く女の子二人組」