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土田悠翔(専大松戸2年)
〜3月6日 23:30
2007年生まれ世代には「中学最強」と騒がれた伝説の硬式野球チームがある。
中学三大タイトルの2つを制覇した茨城の取手シニアだ。
チームの主軸で二枚看板を担った坂本慎太郎と藤田一波は、それぞれ高校進学後も早々にスタメンの座を掴み取り、聖地までも経験している。
そんな取手シニアの黄金メンバーには、実はもう1人の主軸も。中学3年時に不動の4番を務め、取手初のジャイアンツカップ制覇に貢献した土田悠翔だ。
聖地経験は夏の甲子園2023で、坂本と藤田より一足早い。出場機会には恵まれなかったが、チーム唯一の1年生としてベンチ入りを果たしている。
土田悠翔:プロフィール
「つちだ はると」
2007年生まれ 千葉県柏市出身
柏市立第二中学校(取手シニア)
166cm67kg 右投げ左打ち
一塁到達3.47秒(春季千葉2024vs市柏)
三塁到達11.94秒(春季千葉2024vs市柏)
無敵艦隊の一員としてスタート
土田の入学当初、創部史上最強の布陣を敷いていた専大松戸。
先のセンバツで創部初のベスト8を果たしたメンバーは、続く春季大会も下剋上のプレッシャーを跳ね除け、2季連続となる千葉の栄冠を手にした。
迎えた3年生最後の夏も、全7戦という長丁場の戦国千葉を勝ち抜き、秋から県内無敗の三冠を達成。これは1980年代の拓大紅陵以来、実に37年ぶりという快挙で大きな反響を呼んだ。
そうしたなか、ルーキー土田も夏の大会チーム初陣で公式戦デビューを果たす。代打や守備要員で計4試合に出場したが、待望の高校初安打は持ち越しに。
それでも1年生でチーム唯一のベンチ入りを果たし、最強軍団の戦力として経験を積めた点は大きい。
実は当初ベンチ入りメンバーから外れていたが、その後の登録変更によって選出された経緯も。専大松戸の盤石な投手陣を形成した1人の八津快洋(1学年上)に代わり、背番号17で登録されている。
これが俗に言う持丸マジックだ。百戦錬磨の老将、持丸修一監督の千里眼は衰えることを知らない。
背番号17ルーキーの初聖地経験は冒頭の通り、チームも2戦で去った。翌夏の甲子園2024もそうだったが、この時は3校が県内グランドスラムを引っ提げて聖地へと乗り込んだ。
しかし結果は、専大松戸と同じ大会序盤で全敗。埼玉の花咲徳栄も、山形の鶴岡東も、センバツ王者の健大高崎でさえも。
それくらい夏の甲子園に潜む魔物撃退は、一筋縄ではいかない。
エルティグレを呼び込む男
土田は甲子園後の新チーム初戦からリードオフマンで起用されると、この術中が見事にハマる。
安打量産と足で稼ぐ活躍を見せ、スタメンに定着。チームは決勝で敗れ県内連勝記録もストップしたが、土田はチーム最多の安打・盗塁数をマークしている。
専松打線の一大チャンスメーカーに成長
まさに持丸マジックの効果覿面だ。こうして上級生が引退するまでの約1年間、専大松戸は土田を攻撃の起点とした得点パターンを確立していった。
単に出塁するだけでなく、そこから得点圏まで進む成功率の高さが土田の真骨頂だ。
代名詞のセフティー
優れたバットコントロールに加え、類稀な選球眼と土田の代名詞でもあるセフティーバントからの内野安打を駆使して稼ぐ、ハイレベルな出塁率。
一度そうして塁に出ようもんなら、高確率で走ってくるチーム最速の脚力をもって、専大松戸を象徴するチャンステーマ「エル・ティグレ」が流れ始める。
ルーキー土田の躍進により、このチャンスシーンが専大松戸の定番になった。
2年生の秋以降はクリーンアップに就いたことで、従来の塁上ではなく、打席でのエルティグレに変わっているが、やはり土田が長打を量産するためには、あの偉大な専松OBに一肌脱いでもらうしかない。
ビーバップハイスクールで一世風靡した仲村トオル大先輩だ。
パンチの効いた徹パイセン直伝の「エルティグレ特別バージョン」なら、滋賀学園の魔踊を余裕で上回るムーブメントが巻き起こること請け合い。
エルティグレ特別PVを制作するにあたり、仲村トオル先輩にはビーバップ時代のトサカと学ラン姿の解禁を必須条件でお願いしたい。
これらコブシも含めた三種の神器が揃って初めて、魔曲と魔踊をドッキングさせた究極の鉄板エルティグレが完成する。
タイプは“ジョージ”こと佐々木俊輔
土田の活躍を知る高校野球ファンのなかには、その風貌から巨人の佐々木俊輔を思い浮かべる人も少なくない。
佐々木俊輔といえば、鮮烈のデビューをもって「おさるのジョージ」が定着した、昨シーズンを代表するスーパールーキーの1人。
俊足・強打・強肩の三拍子揃ったジャイアンツ期待の星だ。
昨日のロッテ✕巨人戦見てて、巨人ベンチに専松の土田悠翔くんおる!と思ったら、佐々木俊輔選手だった😅
— CHAR (@CHAR52672260194) March 20, 2024
バットを寝かせ独特なガニ股クラウチングの佐々木に対し、土田はバットを立てるオーソドックスなスタイル。構えこそ全く違うが、俊足強打でチャンスを切り拓く野球スタイルは一緒だ。
体格は比べ物にならないが、上背だと佐々木は身長174cmとそうでもない。
しかも土田は今が成長期ど真ん中の育ち盛り。早ければ今年中に、佐々木クラスの体型に近づくことだって有り得る。
そのうちジョージ兄弟のスタメンコラボとか対決だったり、お茶の間を賑やかしてくれる時代も来そうなところだ。
それだけの魅力、ポテンシャルと伸びしろが、土田にはある。同世代を揺るがした中学最強チームの4番だけに。
冒頭でも触れた中学最強の取手シニアについては、以下の2記事で確認してくれ。
そんな訳で、ここからは土田の出場記録を各大会順に振り返りつつ、要点を挟んだ解説になる。
さらにはセフティーが代名詞の土田に、実は中学最強4番を証明する圧巻動画もあるので置いてみた。
そして一応だが、ここで敢えて再紹介する。彼の名は土田悠翔、盗塁数と四死球数で世代トップクラスに君臨する専大松戸の小さな大看板だ。
土田悠翔:全データ
秋季千葉大会2023(準V)
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2月12日 00:00 〜 3月6日 23:30
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