福元聖矢(智辯和歌山2年)
眠れる大砲「ドカンと狼煙の2連発」
秋季近畿大会ベスト4決戦
猪名川町が誇る近未来のスター候補から待望の一発が飛び出した。
福元の公式戦ホームランは、昨秋の和歌山新人戦以来となる約1年ぶり。
それも今回は気前よく2打席連続アーチと今までの憂さを晴らすように2つともライトスタンドに叩き込んで魅せている。
この公式戦における自身初の2打席連続本塁打で、高校通算17発。
奇しくも、この秋は一度も対戦がなかった市立和歌山と近畿大会ベスト4で激突し、福元の2連ダメ押し弾によってセンバツ切符を掴む形となった。
これを皮切りに近畿頂上決戦での一発はもちろん、明治神宮大会でのホームラン量産体制にも大注目だ。
返り咲いた福元「シン2番」からセンバツ切符へ
新人戦を圧倒の強さで制覇し、本大会では全3戦を無失点で勝ち抜いた智辯和歌山。
まさに投打ともに圧巻の試合運びを見せたなか、この秋から新たに2番打者を担う福元聖矢も完全復活を遂げている。
秋季和歌山大会の個人成績は、下部の福元聖矢:全データにて確認してくれ。
注目の近畿初戦は10月26日、相手は兵庫2位の神戸学院大付属だ。夏の甲子園とは入れ替わる形となった、藤田一波との新1・2番コンビが攻撃の鍵を握る。
夏の甲子園2024成績
今春から練習試合を含む5ホーマーと聖地での一発も期待された、福元聖矢の初甲子園は5打数無安打(初戦敗退)と不完全燃焼に終わる。
それでも福元をはじめとする2年生のスタメン3人、さらにエース渡邉颯人にとっては、来春のセンバツに向けた大きな収穫だ。
次は歴代屈指の強さを誇る智辯和歌山を見せつけてくれるに違いない。
福元聖矢:プロフィール
中2で飛距離100m超
中学時代から強豪チームの正捕手として、非凡な打撃センスを発揮していた福元聖矢。
中学2年にして100mの柵越えを放ってのけた、天性の飛ばせる能力が福元の真骨頂だ。
中学3年時には大阪を代表するスラッガーに成長し、同じく関西屈指の右腕と騒がれた福田拓翔(明石ボーイズ→東海大相模)を相手に演じた名勝負は語り草。
智辯和歌山では入学直後の春の県大会でベンチ入りを果たし、代打ながら2試合に出場。背番号20番のスーパー1年生として耳目を集めた。
ダイヤのAで例えるなら「轟雷市」に近い存在だ。
再び福元が注目されたのは、1年秋の新チーム発足後から。和歌山新人戦の初陣から4番を任され、大会中盤以降は本職のリード面でも評価を上げた。
この新人戦で抜群の結果を残した点は大きい。何と言っても、全国有数の熾烈なレギュラー争いで知られる超名門の智辯和歌山だ。
そこを踏まえ、後述する和歌山新人戦2023の全データを穴が開くまで熟読してくれ。
ちなみに智辯和歌山は、この新人戦で優勝を果たしている。それなのに秋季和歌山大会のベスト8で敗退し、センバツ出場も望みを断たれた。
これは和歌山独自の大会システムに起因する。結論を述べると、新人戦で優勝してもすんなり近畿大会には進めない。
例年8月中旬から開幕する新人戦は、和歌山の全チームが出場する。
ここで準決勝までの4チームは秋季和歌山大会1次予選が免除。同2次予選は実質ベスト16から開幕し、決勝まで進んだ2チームがセンバツ切符の権利を得られる。
つまり秋の和歌山大会は2度開催され、この2度目を勝ち抜かないと即センバツが絶たれる超絶シビアなローカルルールだ。
ちなみに智辯和歌山は、この2次予選の2戦目、ベスト8で敗退している。
そして新人戦でベスト4に入った全チームも相次いで姿を消す異例の状況に転じたのが、この和歌山新人戦2023だ。
それでも流石は全国屈指の名門校。ただでは倒れない。
春から新たに据えたリードオフマンの福元聖矢が、チームを鼓舞するかのような積極的な打撃で大車輪の活躍を見せる。
以前までとは打って変わり、まさに超強力打線の存在を合戦の太鼓役のように知らせて周る広告塔として、ドデカイ狼煙を挙げ続けた。
ポジションも外野にコンバートと心機一転ながら、福元は自慢の肩でも魅せている。
そんな凄まじいキャリアを有するだけに、冒頭の今夏の成績はやや物足りない。
その分、福元ら2年生の世代にとっては初めての甲子園。
シン・智辯和歌山を象徴する1人、聖地でブレイク直前の福元聖矢の一挙手一投足は必見だ。
福元聖矢:全データ
春季和歌山大会2023(準V)
代打で2試合に出場し、各1打席ずつの2打数0安打。入学直後に名門の登録メンバーを勝ち取るものの、ホロ苦い最初の春を味わうことに。
続く夏の大会は初戦敗退もあり出場機会ゼロながら、3年生が引退した新人戦で目覚ましい成長を遂げている。
秋季和歌山新人戦(優勝)
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