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都内大学病院(本院)勤務医の妻(1)

都内私立大学病院勤務医の妻。
大学病院は臨床・教育・研究の3つを担う過酷な組織。
本日も主人は当直で私はワンオペ状態。
子供達も街も眠りについた静謐な時間。
ホッとする。
なんとなく寂しい。
主人と話したい、でも緊急オペ中だから無理。
冬は季節がら血管系の緊急が多い。
脳内出血、心臓疾患など。
皇族、芸能人、世界で活躍するスポーツ選手。
個人情報が流失しないよう注意を払いながらのオペ。
朝までに終わるか、、、
そのまま寝ずに翌日の日勤は酷すぎ、辛すぎ。
だから退職したくなる気持ち、よく分かる。
臨床をやりつつ教育と研究は困難。
そして輪をかけて雑務が。
先週も雑務が鬱滞し、土日泊まりこんで消化。
でもまだまだ残っている。
臨床が先だから、雑務がマウント富士になるのは当然。

その中でも日々勉強を継続。
何故なら医療は日進月歩。
新しい「考え」・「医療器具」・「手技」を患者さんに提供し救命率を上げる。
医療は時間と手技との戦い。
継続って簡単な感じがするけど、実は地味な作業で困難なことが多い。
主人も真面目に頑張っていると思う。


大学病院の薄給では生活が困難。
関連病院のアルバイト以外、個人で探したバイトに行かないと
生活が成り立たない。
この土日は個人で探したアルバイトへ。
ここも泊まり(当直)
となると、金曜日が大学当直時はそのまま明け勤でアルバイト病院へ行き、
また土日当直で月曜日明け勤でそのまま大学へ出勤。
全然会えない。
家族の時間も過ごせない。
そうなることは理解しての結婚だったけど、ひと月の半分以上が会えないのは、お互いにとって、家族にとって決して良いことではない。

でも多くの症例ときっちり、きちんと対峙し概ね5年目で専門医を取得。
そしてもっと困難な症例をやり抜き、約10年目で指導医を取得。
主人も私もよく頑張って来たと思う。

結婚して数日後には僻地勤務となり、ドクターヘリのプロペラ音と
一気に数台やってくる救急車音の中でも耐えて暮らした。
互いに疲労困憊で子供を授かることも出来ずに悩んだ時期も沢山あった。

当直もこなし、学会もこなし、研究も継続。
学生教育(指導)もきちんとしてる。
辛いけど逃げないで24時間全てに向かい合ってる。
だから助かる命が沢山ある。

医師だけでは仕事が円滑に進まない。
・病棟看護師(当直含)
・外来看護師
・オペ室看護師(当直含)
・薬剤師(当直含)
  ↓
・院内処方実施病院のため
(夜間救急外来で入院無し、処方薬必要な患者さんに説明をし手渡しする。)

・病棟薬剤師
・レントゲン技師(当直・MRI・CT含)
・栄養科(当直含)朝食8時配膳のため3時には調理開始
・救急外来夜間受付
・救急隊(隊長含め3人体制)

正直、夜間料金が安価すぎる。
寝ずに全員がノーミスで連携しながら勤務することは、とても大変なこと。


保険診療と自費診療


自費診療勤務医の方がはるかに高収入。
しかし飽和状態。
自費治療は大きく分けて「美容皮膚科」と「美容外科」


基本的な考え
美容皮膚科は皮膚科が専門領域の皮膚科医が担う。
美容外科は形成外科が専門領域の形成外科医が担う。

しかし
乱立するクリニックにおいて巻き起こっていること。


研修医を終了して直ぐに自費治療医療機関に入職。
いわゆる「直美」


例えば
途中まで眼科医、或いは循環器内科医で頑張って来たが、様々な大変な事に耐えられない、当然ながら保険診療医療機関の薄給にも耐えられない、、、

当直も無く、定時にフィニッシュ、高収入であれば行きたくなる。
こういった未熟な医師や専門領域外の医師が非常に増加傾向にある。
しっかりと医師を検索し、医師の専門領域を見極めたうえでの受診が重要である。
A)
厚生省医師検索で検索し、ヒットしない医師はやめたほうがいい。
ポイントは名字と名前の間にスペースを入れること。

B)
ネット検索でフルネームを入力すれば、通常は学会発表の履歴がヒットする。
それすら無い医師はやめたほうがいい。

C)
直美の医師は極めて危険。

一握りの美容外科医師の末路


加齢と共に目が見えなくなってくる

手元が狂ってくる

オペ時間が長くなる

患者側の身体に負荷がかかる


加齢に伴う「体力」・「気力の低下」が始まる


上記の②の理由でオペに入れなくなる

形成外科医ではあるが、皮膚科医がメインとする「糸リフト」や「注入」が
中心となる

どちらが良い悪いということではなく、私は高収入に走らない
主人や同じ組織内の方々をリスペクトしています。

一番技術力が高いのに一番薄給。
それでも靡かない心根は凄い。


あまりに不規則で辛いことが多く、家族で過ごしている時でも
拘束当番だと呼び出しがかかり、1時間以内に大学病院へ到着しなければならないルールがあります。
そのため大学へ1時間以内で到着可能な圏内で待機しています。
当然、飲酒は不可。
エチケットも踏まえ、ニンニク・ニラ・ネギなど匂いの強いものは提供(摂取)しません。

主人を内側から支えることを選択したのは自分自身。
日々のアシストもこの先ずっと続きます。
お互い離ればなれで孤独感に苛まれる時もあるはず。
そんな時はこうやって徒然なるままに・・・です。









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