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記事一覧
僕と五百城さんの46日戦争 ①
Prologue
台風で延期となり、遅れて開催となった地元の夏祭り
親が町内会の役員のため、○○も手伝いに駆り出されていた。
人の波が一旦落ち着いたので、休憩のため階段を上り人気の少ない神社の境内に出ると、そこには夏祭りの会場をじっと眺める浴衣姿の少女がいた。
○○(初めて見る子だな…)
彼女は○○の存在に気がつくと、軽く会釈をして微笑んだ。
「いい町やね、ここ」
○○「うん。のん
僕と五百城さんの46日戦争②
8日目
3連休最終日である月曜日の朝、茉央は清々しい風を感じながら近所を散歩していた。
茉央(たまには早起きして散歩もええもんやなぁ)
ふと立ち止まってスマホを取り出し、空の写真を撮る。
茉央「ふふ、ええ感じに撮れたわ」
撮ったばかりの写真を満足そうに眺めながら歩いていると、前方から犬を連れた女の子が歩いてくるのが見えた。
茉央(うわ、めっちゃ可愛い子やなぁ…)
女の子は犬に向かって
僕と五百城さんの46日戦争③
15日目
ガラガラッ…
「はい、みんな席に着け〜」
教室に入ってきた担任が生徒たちに着席を促し、全員が着席したのを確認して口を開く。
「えー、少し前に五百城が入ったばかりだが、またしてもこのクラスに転校生が入ることになった」
一同(ザワザワ…)
「転校生多くない?」
「なんでまたこのクラス?」
「作者の都合でしょ」
教室が一気に騒がしくなる。
「静かに!…それじゃあ入って来てくれ」
僕と五百城さんの46日戦争④
22日目
登校中、いつもの場所に茉央の姿がなかったため、○○は久し振りに1人で学校に向かった。
○○(やっぱり怒ってるだろうな…。今日ちゃんと謝ろう)
○○はそう心に決めていたが、教室に入ると見たくなかった光景が目に入る。
○○「え…」
そこには、楽しそうに笑いながら話している茉央と△△の姿があった。
△△「お、○○!おはよう!」
○○「おはよう」
茉央は何か言いたげな様子ではあっ
僕と五百城さんの46日戦争⑤
29日目
○○「五百城さん、おはよう」
茉央「おはよう○○くん」
休み明けの月曜日は決まって憂鬱な気分になりがちだが、この二人にとっては例外である。
なぜなら、一週間の中で一番最初に会える日だから。
茉央「なあなあ…なんかクイズ出してや」
○○「クイズか…そうだなぁ」
少し考え込むと、○○はこう提案した。
○○「それじゃあ、みりんって10回言ってもらっていい?」
茉央「みりん?…
僕と五百城さんの46日戦争⑥
36日目
昨晩、茉央から『明日は先に行っててほしい』との連絡があったため、○○は一人で登校した。
○○が教室に着いてからしばらくした後、茉央が教室に入ってきた。
○○「おはよう、五百城さん」
茉央「お…おはよう」
どこかぎこちない挨拶を返すと、そのまま自分の席へと行ってしまった。
○○(やっぱりこの前のことがあったから気まずいのかな…?)
その日の茉央は終始○○を避けるようにしており
僕と五百城さんの46日戦争⑦
43日目
月曜日の朝
いつもの待ち合わせ場所に茉央はおらず、この日も一緒に登校することはなかった。
しかし、一人で登校した○○が教室で美空と話していると、茉央が登校してきた。
○○「おはよう」
美空「おはよう、茉央」
茉央「…おはよ」
○○に続くようにして美空も声を掛けたことで、やや間は空いたものの挨拶は返ってきていた。
美空「…とりあえずは一安心だね」
○○にだけ聞こえる声で囁