成瀬は天下を取りにいく【2024年本屋大賞!】
先日「2024年本屋大賞」が発表されました。
大賞は『成瀬は天下を取りにいく』が受賞し、成瀬が本当に天下を取りました!
あなたも成瀬シリーズを読んで、成瀬あかり史の証人になりましょう!
○成瀬シリーズ
『成瀬は天下を取りにいく』(第1作:2024年本屋大賞)
『成瀬は信じた道をいく』(最新作)
○著者
宮島未奈(滋賀県大津市 在住の小説家)
○ジャンル
著者が住んでいる滋賀県大津市を舞台にした「青春小説」
○あらすじ
容姿端麗、頭脳明晰、成績優秀、コンクール受賞多数、地元テレビ出演、緊張したことがない、早寝早起き、ランニング、筋トレ…
まさに最強主人公に相応しい「成瀬あかり」
そんな成瀬は「1か月間毎日地元TV局の中継に映り続ける」、「M-1グランプリに出場しお笑いの頂点を目指す」、「200歳まで生きる」など、傍から見たら嘘か本当か分からない意味不明な挑戦をする。
しかし、彼女には彼女なりの信念があり、いたって真剣そのもの。
そんな彼女のまっすぐな姿勢は、周囲をドンドン巻き込んでいき、しまいには周囲の方から惹き込まれていく。
『成瀬は天下を取りにいく』
【時系列:中学2年生〜高校3年生】
・閉店を控えた西武大津店での挑戦
・M-1グランプリに挑戦するため幼馴染とのコンビ「ゼゼカラ」の結成
・広島県の高校生とのデート!?
・幼馴染の島崎みゆきへの思い など
『成瀬は信じた道をいく』
【時系列:高校3年生〜大学1年生】
・成瀬ファンが誕生
・成瀬の両親が登場
・バイト先のクレーマーとの共闘
・びわ湖大津観光大使に就任
・成瀬あかりの失踪!?
○感想
・まず何と言っても表紙の成瀬がカッコ良い!
・全体的に読みやすく、疾走感があり、読後もスカッとするため、普段読書をしない方でも気軽に読める。(1冊2~3時間程度)
・成瀬は「何になりたいかよりも何をやりたいか」を大事にしており、自分がやりたいと思ったことには全力で挑戦をする。
そんな姿に登場人物たちは惹かれていくわけだが、読者の私も気分が上向き、勇気をもらえた。
・全員が全員、成瀬のような人物を好むとは限らず、嫉妬したり、よく思わない人もいて、それがまたリアル。
しかし、それすらも気にせず挑戦を続ける成瀬はめちゃくちゃカッコいい。
・小学生の時は成瀬のことを無視したり、嫌がらせをする人もいるが、年齢を重ねていくにつれて、そのような人が少なくなり、むしろ成瀬に惹かれていく人が多くなっている。
それは、大人になるほど良くも悪くも周囲や環境に合わせるようになり、自分を貫くことや自分に正直に生きるのが難しくなるため、そういった生き方が出来ている人に憧れるということなのかもしれないと思った。
・成瀬は、一見すると何でも出来てしまうロボットのような人間にも思えるが、時折見せるドジっぷりや、故郷や幼馴染への感情の高ぶりは、人間味が感じられる。
どんなに完璧そうに見える人も悩んだり、落ち込んだりすることもあるという、当たり前のことに改めて気づかされた。
・M1グランプリや漫才の話も多く登場するので、お笑い好きはとりあえず読むべし。(Aマッソ加納さんや友近さんも帯の推薦文あり)
・成瀬が社会人になった続編もぜひ書いてほしい。コンビ名の「ゼゼカラ」のとおり膳所(ぜぜ)から世界へ羽ばたくのか、はたまた、成瀬のような人物でも社会人になると自分を貫くことが難しくなってしまうのか読んでみたい。
以上です!
まだ読んだことの無い方は、あえて話題や流行に乗っかって読んでみるのもアリだと思います。
あなたもきっと、成瀬あかりの発言や行動に心奪われるはずです!