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note×standfm ある読書家の詩作/月暈/月の雫/永遠の計画/詩人の交響曲
皆さま、如何お過ごしでしょうか?
11月も中旬に向かうタイミングでございますが、今日は皆さまはどんな書籍をお手に取っておりますでしょうか!?
2023年も50日を切って参りました。
月日が経過するのは本当に早いものでございます💦
今やれることを、やれる分だけ、やってみる。
今読める本を、読める分だけ、読んでみる。
いつ読んでも建国神話に没入できる、ウェリギリウス アエネーイスを読みながら今日も思索と詩作に耽りたいと思います。
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★★★
さて、今回も先日、standfmでコラボ収録させて頂いた「月暈」Liveの内容を文字起こし+αでお届けして参ります。
今回は「月暈」というタイトルの詩を書きました。
月を見ている時に月の回りに出来る光の環がまるで人間のようだな・・・と思い至ったところから、地上の苦しみや悲しみが吸い上げられて月暈と成ってゆくイメージを脳内でキャッチ致しました。
宇宙を理解したいというのは人間の欲求の一つかも知れません。
バビロニアの石板には紀元前3,500年ごろには1年の昼の長さの変化が記録されていたようですし、古代中国でも紀元前2,000ごろには日食が記録されていたとも言われております。
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イギリスの理論物理学者のスティーブン・ホーキングは次の様な根源的な問いから出発し宇宙の謎に接近したそうです。
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「なぜ宇宙なんてもの存在しているのだろうか?」
私はこの一節を目にした時に、フランスを代表する象徴派の詩人、ステファヌ・マラルメの「骰子一擲」を想起致しました。
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「神はサイコロを振らないのか?」
宇宙創世の物語はいずれにしても興味の尽きない領域ですが、今回も素敵なゲストの方々にご登場頂きコラボLiveをさせて頂きました~🎙
──── 月暈Live/ある読書家の詩作/月暈/月の雫
月暈コラボLive🎙
そして、レギュラー化した原田龍一さん、山ガールzさんをゲストにお迎えして3人でコラボレーションLiveを開いておりました。
【原田龍一さん番組URL】
【山ガールzさん番組URL】
今回の詩もイメージ先行で言葉を置いてゆきました。
モノクロの映像です。
月の環、環・・・月暈って何でできているんだろう?
そんなことを考えておりました。
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原理は虹の現象とよく似ていて、月が見える空には薄い雲が広がっていることを指しますが、その雲というのは、氷の結晶でできていて、月の光を浴びて、ある角度に限定して光が広がったり、屈折したりします。
その光が集まり、輪のように見えるのが月暈です。
そんな光が集まって輪のように見える・・・
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月が生んだ雫が、地球に落ちてきて・・・・その透明、無垢なる冷たい水滴が荒れた大地、荒涼とした沙漠、ありとあらゆる地上に沁み渡り、大地が喜びと不安に震えている・・・
一切皆苦。
人間に取って堪えられないもの。肉体的な苦痛は、ダイレクトに人間機能が痛みという濁流に押し流されるでしょうし、人間は唯だ苦しむ機械だという言説もございます。
また、精神的苦悩も同様に、苦悩が続けばやはり精神的な機能は麻痺し、人間を唯の機械にも、或いは野獣にも変えることがあるでしょう。
月の光で照らされた地上の人間は黄金の衣を着ているようで、実はそれは黄金ではなくて灰色だったわけです。
黄金の衣を着ていると思い込んでいる人間は、ある時、気づくんですね。
自らで自らを虚飾の世界に追いやっていることを。
そのことに、地上の人間が気づいて自ら脱ぎ捨てる転生の物語。
月も喜び、生み落とした雫によって自らも冷徹さを取り戻す。
それは全宇宙の法則、神の法則を淡々と計画を実行している冷徹さ、
冷たい表情。
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集めては解き放ち。集めては解き放ち。
エネルギーを凝縮させて、再び発散する・・・
この法則はどんなことがあって、未来永劫、無限に続く月の運動でもあり、この運動により、地上の人間は浄化されている・・・
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極微を想起致しますが、古代インド哲学の中の一派でもある、勝論派によって体系立てられましたが、仏教的に言えば、世親の倶舎論に出てくる概念にも近い様に思います。
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──── 永遠の計画
自然現象は・・・
地・水・火・風の四大の集合離散に基づくというものです。このそれぞれは結局、分析的に検証していくと、これ以上分割できないところまで行ってしまう。これが極微でありますが、無始無終なき実体でもあります。
月の雫はまさに、水の極微であり、極微を本質と捉えると、本質の涙を浴びることで、金色の思い込んでいた、現世での栄華が虚構であることを悟る・・そんな物語を想起致します。
月の涙を浴びて、潤い満たされた実存は再び、あった所へ、つまり無限へと回帰していきます。極微は現代物理学で言えばということでしょうけど、分析的にバラバラに・・・
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例えば自転車をハンドル、ペダル、サドル・・・とねじ一本まで分解してバラバラにして・・・さらに原子まで分解したら、それは自転車と呼べるのか?
自転車という概念を作り出し、名付けて自転車だと思い込んでいるに過ぎない・・この世界とはそういうものであるな〜とつくづく思うわけでございます。原子のことを、倶舎論では塵と読んで、色、香り、味、触・・・
と四つが集まり四塵を構成しさらに集積した四塵は四大となりますが、いずれにしても・・・無常感、諸行無常を感じるわけです。
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この月の満ち欠けというものは・・・
地上の人間を統合と分裂をさせ、寄せては返す波の様な印象もございます。
人間の終焉と新たな出発、船出。
神の法則により、魂は天に逆巻き吹き上げられ、月へと戻っていく。その逆巻き上げられたものが・・・月暈として地上の人間に見えている。
地上の人間から巻き上げられた魂は集められた雲であり、月が放つ光で光っている。
光の王国。
自然界に生起する現象というものは、何か大いなるものの計画、目論見のもとに、動かされている、生かされている・・・
分裂と統合を繰り返す、揺らぎのうちに帰還していく物語。
そんなことを考え詩の様な、散文の様な、独り言を綴っておりました。
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──── 月に想いを馳せる/詩人の交響曲
月について詩想を綴った純粋無垢なる詩人たちは過去から現在に至るまでたくさんおりましたが、Liveでもお伝えした、萩原朔太郎の詩情は私の心に沁み渡るものがございます。
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萩原朔太郎「月の詩情」
Liveでは、リリシズムについてもお話致しましたが、現実の生の喜怒哀楽が昇華した形で表出される高度に芸術的な感動の性質を指す言葉でもあり、「月の詩情」もこんな一節が出て参ります。
月とその月光とが、古来詩人の心を強く捉へ、他の何物にもまして好個の詩材とされたのは、その夜天の空に輝やく灯火が、人間の向火性を刺戟し、本能的なリリシズムを詩情させたことは疑ひない。
天空に輝く月の光が人間の本能を呼び覚まし、第六の感覚器官が開かれると言いましょうか、リリシズム的になっていくといのは、ぼんやり月を見上げているとわかるような気が致します。
センチメンタルとはまた違った感情ですし、なんとも言語化できないふんわりとした感覚が私にはございます。
そして、もう一人・・・
正岡子規「句号の月」
冒頭にはこんな一節がございます。
句合の題がまわって来た。
先ず一番に月という題がある。凡そ四季の題で月というほど広い漠然とした題はない。花や雪の比でない。
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月について語った人が多いです。
サマセット・モームの「月と六ペンス」、中島敦「山月記」、萩原朔太郎「月に吠える」など。
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夏目漱石の「月が綺麗ですね」とは告白の言葉としても有名ですが、月に願いを託した人はたくさんおりました。
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かつての科学者たちは・・・
宇宙のどこかに神の座、玉座の間を探しながら自然を研究していたでしょうし、天体の動きは16世紀くらいまでは神の意思だと考えておりました。
しかしながら、ティコ・ブラーエが生涯をかけて惑星の位置を夜な夜な記録し、ケプラーの第三法則は、天空に輝く星星は一見すると類似点など無いように冷徹な表情を見せますぐあ、その運動を「法則」によって導き出したわけです。
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その後も、アイザック・ニュートンがケプラーの惑星運動の法則をいうものは重力というものの結果であるという洞察を提出しておりますし、20世紀にはアインシュタインが重力というものの秘密を解き明かし、全ての方向に空間のヴェールが織り広がっていて、この指摘によって、ビックバンという宇宙開闢の暗号に科学者が気づいたという系譜があるものの、科学では解明出来ていない「神」の存在証明という問題も残されているように思います。
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かつて今も、星星や月に想いを馳せる人はたくさんいたでしょうし、私もその一人でございます。
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今日も月を見ることができるだろうか?あと何回、月を見上げることが出来るだろうか?と考えるだけでも無常の風に包まれて、無常観が漂って参ります。
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「月暈」Liveでは徒然なるままに語らせて頂きました🎙
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ここまでお読み頂き、有難うございました~
★★★
──── ここからは毎度の宣伝でございます。
読書術研究家の日々の活動👇
【stand.fm 子育て×読書体験ラジオ】
→ 2020年4月5日~配信をスタートしており本日(2023/11/13時点)で1,558本の音声コンテンツを配信しております。番組開始から丸3年を経過し、現在は44カ月目🎙でございます。
リアルの場ではお会い出来ない方とも、弱くてゆるいフラジャイルな繋がりが持てて、毎日刺激的な日々を過ごしております💡
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読書全般にご興味ございましたら、是非、お立ち寄り下さい。
有難うございました~
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どんな「書籍」を読んでいるか言ってみたまえ、君がどんな人か
言い当ててみせよう。
またのご来店、心よりお待ちしております。有難うございました。