土井偶

どい・たぐい。役者。思考の垂れ流しと恥の上塗り。

土井偶

どい・たぐい。役者。思考の垂れ流しと恥の上塗り。

最近の記事

閉鎖病棟にいた話

8/8〜9/7の1ヶ月間閉鎖病棟にいました。 理由はOD(過量服薬)による自殺未遂です。 その日は別に死ぬ理由もなかったのですが、なんだか人生今楽しいまま死ねたらいいな〜と思って市販薬のレスタミンを300錠酒で流し込みました。(致死量は120錠と言われている) もちろん完全自殺マニュアルにも載っているように、その量では死ねず、翌朝吐瀉物まみれになってるのを親に発見され緊急搬送されました。 尚、発見時には蝋燭をもちながら意味不明なことを呟いてたみたいです。多分元彼を呪ってたんだ

    • ラーメンズ―その評価に関する検証と笑いの仕組みについて―

      はじめに第一節 研究の概要 コントグループ「ラーメンズ」は簡素な舞台、モノトーンの衣装、非日常を日常に溶けこませた世界観といった独特な作品を上演し、そのコントは「シュール」「アート」と評されている。しかし、「ラーメンズ」のコントは独自性を持ちながら、その一方で笑いの基本に則って作られているのではないかと考える。  第一章では彼らのコントが「アート」と評される理由や、作品の分類について分析する。また、「シュール」という評価について、本来の「シュールレアリスム」や、それに類する

      • 会社がつらい

        会社がつらい。毎日朝7時半に起きて8時半に家をでる。大体1時間くらい電車に乗って、会社の最寄り駅で降りる。同期と駅から合流して、途中のスタバに寄ったりコンビニに寄ったりして会社に向かう。会社に着いて自分のロッカーからPCを出す。もう出勤してる人たちに挨拶しながら自席につく。始業は10時。一時間くらい作業してると上司兼メンターがやってきて一緒に作業する。周りの席の人たちとも談笑しながら作業をしていると13時。昼休み。コンビニでサラダとおにぎりを買って休憩室に向かう。同期がいれば

        • 3/10

          稽古場で撮ってもらった動画を見た。 自分がとても醜く映っててあぁやはり。という気持ち。醜形恐怖は最近ましになってきていると思っていたけど、マスクに救われていただけだった。マスクの下はやはりどうしても醜く思えてしまう。自分の醜さは認知の歪みによるもので、本当は自分の顔は正視に耐えうる基準はクリアしているかもしれない。でもそれが正しいのかなんて多分一生わからない。 顔嫌なんですよ…って呟いていたら演出に俳優なのに!?と言われた。それはそう。それはほんとにそう。ただただ申し訳ない。

        閉鎖病棟にいた話

          葬式

          葬式が嫌いだ。 大学1年生の新人公演の前日に祖父が亡くなった。大学2年の秋、公演前日に祖母が亡くなった。どういうジンクスなんだ。 葬式、というか人の死にまつわる一連の行事への嫌悪感を自覚したのは祖母の時。人が死にすぎているらしく葬儀まで1週間近くかかるということで、家で数日祖母と過ごした。まるで彼女が生きているように、そして赤子をあやすような、甘く優しい言葉で話しかける家族を見て違和感を覚えた。 その違和感が嫌悪感に変わったのは湯灌の時。祖母の身体を恭しく葬儀会社の人が動か

          無題

          小学校のトイレでぼーっと荷物掛けを眺めながらここにこの給食袋の紐を引っ掛けて首を吊れば死ねるのかなと思ったことを鮮明に覚えている。 多分これが最初の「死にたい」だった。 高校時代は得体の知れない未来への不安に毎晩襲われ、筋肉少女帯を聴いて泣きながら腕を切っていた。そんなので死ねるわけないのはわかってる、自傷で生を実感するっていうのもイマイチわかっていない。ただ義務みたいな感じだった。死にたい人は腕を切るらしい。インターネットで学んだ作法。 結局古典の先生から親に伝わってやめ

          名前の由来について

          こんばんは。土井偶です。今回は聞かれることの多い名前の由来について書いていこうと思います。長いわりに面白くもないのですが、苦情は受け付けていません。 端的に言うと高校時代からのあだ名、土偶に本名から一文字足したという感じです。下の名前の偶はたぐいと読ませてはいますが、そこまでこだわりはありません。 ここで気になるのが土偶の由来だと思います。これが入り組んでいて面倒くさい。 ストライドっていうガム知っていますか?(急にどうしたって思わないで) サルがガムを噛んでるうちに人間に

          名前の由来について

          「何者かになる」とは

          ミスiD界隈ではよく「何者かになりたい」という言葉が使われます。 私はこれをアイドルなり役者なり歌手なり、何かしらの表現を通じて有名になりたいという意味だと受け取っています。 私もミスiDの自己PRでこの言葉を使いました。しかし、その意味するところは前述のとは少し違います。 私にとっての「何者かになる」は「社会に居場所を見つける」ことです。 人間は関係性によって生きる生き物です。「人は二度死ぬ。一度は肉体の死、もう一つは忘却による死である。」とよく言われているように、人は程

          「何者かになる」とは

          こわいものが好き

          わたしは怖いものが好きだ。 といってもホラー映画は全然見ない。グロがてんでだめなので海外のホラーはほぼ無理。日本のだと『来る』でぎりぎりだった。あれは最後がめちゃくちゃかっこいいので好きではあるけど。 なにも怖いもの=ホラー映画ではない。この世には怖いコンテンツが溢れている。YouTubeで「怖い話」と検索すれば山のように怪談が聞けるし、「心霊」で検索すれば心霊スポット探索の動画が見れる。本屋にもたくさんの怪談、ホラー本が置いてある。ちなみにおすすめの心霊Youtuberは

          こわいものが好き

          『式日』を見た

          庵野秀明監督の『式日』を観た。映画でこんなに泣いたのはシン・エヴァンゲリオンぶりだった。庵野の作品は私の癖にささってささって仕方がない。 普段映画を見ても感想なんてほぼ書かないし、書いてもツイッターに一行二行という感じだが、今回はあまりにも良かったのでここに書いてみようと思う。ネタバレ全開なので注意してほしい。 『式日』は岩井俊二演じる「カントク」と、この作品の原作者でもある藤谷文子演じる「彼女」の物語である。乱暴にまとめてしまえば「理解のある彼くん」と「メンヘラ彼女」との

          『式日』を見た