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「何なら私が立候補しようか?」農家のおばちゃんの戯言。

今年3月に91歳で大往生した義父が、とにかく元気だったのは、推し活だったと思う。

推すのは、「アイドル」ではなく「議員さん」。

国会議員選から、県会議員選、町会議員選、町長選と、とにかく「選挙」と名のつく時期がやってくると、忙しかった。

推しの議員の、演説会へ出席したり、選挙戦の出陣式へ出かけたり、同じく選挙戦に熱い情熱をもつ仲間が集う場へ通い詰めたりと、忙しかった。

その間、家の仕事は、放りっぱなしとなる。

そんな義父に怪訝な思いを抱いていた夫も「家をより良くするためには、父との関係をより良くすることも大事」だと悟り、「とにかく共通する話題作りに徹することも必要だ」と、義父に政治の話しを持ちかけ、晩年は親子間の会話が繰り広げられていたことを、思い出す。


選挙前ともなると、晩酌をしながら、熱論が交わされたことが、記憶に新しい。


片や私は、選挙には、何の興味もなかった。


ダレに投票しても、世の中変わらないじゃん。


それしか考えがなかったから、自ずと義父の推しの人に投票したものだ。


そんな私が、今回の選挙戦で「おっ?!」と少し興味を引かれた。

「保守王国」と言われる、この県の国会議員選で、私たちと同世代の女性が立候補されているとは珍しい。


裏金ブラザーズと揶揄される立候補者がいたり、いつにない多くの候補者で乱立しそうで、注目されているのか、ニュースでも度々取り上げられているので、選挙戦を目にすることが多くなった。


先日も、たまたま見ていたテレビで、各候補者が熱弁を振るっているのを見たが、今いち私の心にズキューンとくるものがない。


皆、だいたい同じようなことを言っているように聞こえるし・・・。


こう・・・なんていうか・・・。


もっと、「農業」を前面に押し出してもいいんじゃない?

荒れ地が増えていると言えども、「果樹王国」と言われるだけあって、こちらの選挙区ではまだまだ農家の方も多い。

にも拘らず、なぜ、もう少し農家に寄り添ったことを、言ってくれないのだろう。


農地が荒れていく惨状を少しでも止めるべく、農家の方々が笑顔でいられるような国家づくりを目指して参ります。

農家の人手不足を、解消できるシステムづくりを。

農作物の最低価格の保障を、拡充していけるように。

後世の方たちが、継ぎたくなる農業を目指せるよう、後押しできるプログラムを。

だなんて、熱い思いを持っていてくれたら、迷いもせずに一票を託すのに。


今回は、その思いを「note」に!
そうは思っても、慣れない政治関係のことを書くからには、少しでもほころびを小さくしたくて、今回の選挙のことを、もう少し知ってみようとばかりに、実行に移してみた。

ネットで、選挙や、各候補者のことを調べてみたり、地元のテレビ局でしていた「政見放送」なんてものは、初めて見てみた。
各政党や、候補者の考えがそれぞれあって、それを受けたうえで、「一票」を投じることの大切さを改めて考えた。

「政権放送」では、聞いたことのない政党を知り、興味をそそられた。

普段はスルーする、新聞の選挙に関する記事に目を通し、隣りの選挙区では、息子と同じ年の男性が立候補されていてびっくり!


一を聞くと、十も二十にもなって、親切に返してくれることを考えると、少し躊躇したが、選挙に関して、分からないことは夫に聞いてみた。

選挙に関して、夫婦の会話が成り立ったのは、初めてだった。

普段は、政治の話しになると、わたしが、適当に相槌を打つだけ。

政治に対して熱い思いがあるところは、だんだんと義父に似てきたのかもね。


政治や選挙のことは、言葉を聞くだけで、鳥肌が立つくらいに苦手だったが故に、かじる程度に調べるだけでは、まだまだ知識が入ってこない。


未だに、ピンと来ない。


何なら、私が立候補しようか?


私の悪いクセで、良からぬ妄想がはじまった。


わたしは、農家の嫁を、30年してきました。
農家の皆さまの、苦しみ、痛みはよく分かっています。
皆さまの思いを持って、国家に挑むために、立候補したkakiemonでございます。

・・・と書いていくうちに、ほころびは小さくなるどころか、取り返しのつかないくらいに、大きくなっていく・・・。(あ~ぁ💧)


ともあれ、このような機会があって、53歳にして初めて、選挙のことを考えることができた。


24歳で嫁いできて、欠席することなく、選挙の投票に参加してきたけれど、今回はじめて、自分の意思をもって投票できそうだ。


今朝は夫が見るユーチューブから、「一次産業」について抱いている思いを、候補者が語っているのが、聞こえてきた。


どうやら、私が立候補しなくても、よさそうだ。

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