静かな退職入門:置かれた場所にいる+α 前編 - メンターの「あんちょこ」シリーズ #35
「静かな退職」や「ハッスルカルチャー」という相反する考え方が日本の職場でも注目されていますが、どちらも長期間続けるのは難しいもの。本記事では、それぞれの働き方がキャリアや生活にどのような影響を与えるかを詳しく解説し、皆さんが自分に適したバランスを見つける方法を考察します。
一人ひとりの価値観やライフステージに合わせて、どのようにワークライフバランスを整えるか、具体的なヒントをご提供します。仕事と人生のバランスを見直すきっかけに、ぜひご覧ください。
静かな退職入門:置かれた場所にいる+α
はじめに
本記事では、現代の働き方として注目されている「静かな退職」と「ハッスルカルチャー」を取り上げます。
2つの概念は労働環境や個人のキャリア形成に異なる側面から影響を及ぼしています。私はそれぞれを理解していますが、必ずしも肯定しているわけではありません。各々の利点と課題を「クリティカルに」分析し、皆さんがご自身にとって最良の働き方を見つけるための指針を提供することを目指しています。
静かな退職の定義、起源と課題
「静かな退職」は、職場で最低限の業務を遂行しつつ、キャリアアップや過度な労働を避ける働き方です。特に米国ではパンデミックの影響で、仕事と私生活のバランスを見直す動きが広まりましたが、このスタイルには自己保護的な側面と共に、チーム全体のパフォーマンスや士気に影響を与えるリスクも含まれています。
最低限のパフォーマンスに留まることは、個々の健康維持に役立つ一方で、職場の生産性や同僚との協働に課題をもたらす可能性があります。
置かれた場所にいる+α
日本の職場文化では「置かれた場所で咲く」という言葉は、与えられた環境で最善を尽くし、成功を追求する態度を表しています。
一方、「静かな退職」を選ぶ人々は、あえて「咲く」ことを追求せず、安定とセルフケアを優先するスタンスを取ります。
「置かれた場所にいる」という表現に沿って、無理な競争をせず自分のペースで働くことを選択します。
「置かれた場所にいる+α」は、
さらに「+α」を加えて、現状維持に留まらず、自己ケアやセルフ・コンパッションを取り入れることで、より豊かな生活を追求できます。このアプローチはクリステンセン教授の「ジョブ理論」を活用し、仕事と家庭の役割を明確にしつつ、バランスのとれた人生を構築する方法を示しています。
クリステンセン教授と『イノベーション・オブ・ライフ/人生そのものを ”イノベーション” する視点を提案』『ジョブ理論/顧客が特定の商品やサービスを「雇う」理由を理解するアプローチ』の詳しい説明は、👇をご参照ください。
「イノベーション・オブ・ライフ」と静かな退職の共通点と違い
「静かな退職」と「イノベーション・オブ・ライフ」は、働き方や人生設計を見直すという共通のテーマを持っています。両者とも、仕事が人生の全てではないという価値観を再考し、持続可能なキャリアと生活のバランスを大切にする視点を共有しています。
しかし
静かな退職は過労を避け安定した働き方を目指すことに重点を置き、「イノベーション・オブ・ライフ」は人生を全体的に豊かにする選択を奨励しています。
コラム☕ 「働かないオジサン」と「静かな退職」の共通点と違い
セルフ・コンパッションと静かな退職
セルフ・コンパッションは、失敗や挫折に対して自分に優しく接し、精神的健康を保つためのスキルです。
静かな退職は、このセルフ・コンパッションを実践するための一手段として捉えることができ、自己批判を和らげ、ストレスを軽減する効果があります。ハーバードビジネスレビュー(2019年5月号)でも、セルフ・コンパッションが意識的に伸ばすことができる重要なスキルであるとされています。
メンタリングの役割
メンターは、静かな退職を選ぶ人々がセルフ・コンパッションを実践するためのサポート役を担います。
個々のメンティが直面している職場の課題に対して、セルフケアの方法をアドバイスしたり、バランスの取れた生活を築くための具体的なステップを共に考えることが求められます。
例:
若手社員のミサエさんが過度な自己批判に悩んでいます。メンターはミサエさんに対し、失敗を振り返る際に自分に対して厳しくなり過ぎず、自己肯定的な視点を持つよう、その経験から学び取る姿勢を促します。さらに、メンターはミサエさんにリラックスする時間を確保するようアドバイスし、仕事と私生活のバランスを取るための具体的な方法を一緒に考えます。
ハッスルカルチャーの定義と課題
「ハッスルカルチャー」は、常に高い成果を追求し続ける働き方を意味しますが、その一方で長時間労働や過労のリスクを伴います。この文化は、短期的には成果を上げる可能性があるものの、長期的には燃え尽き症候群や健康問題を引き起こす可能性が高いです。また、過度のプレッシャーはチームの一体感を損なうことがあります。
結論と今後の展望
「静かな退職」と「ハッスルカルチャー」には、それぞれ利点と課題があります。本記事を通して、皆さんがこれらの働き方の実態を理解し、自分に合ったバランスを見つける一助になればと願っています。
次回は、ハッスルカルチャーの中でセルフ・コンパッションを実践し、持続可能な成功を達成する方法について探っていきます。激しい競争の中でも、自分自身を大切にするための具体的な手段を見つけませんか。
いかがでしたか?
次回もお楽しみに! 何かヒントやきっかけになればうれしいです。
with all of my thanks and friendship💛
参考記事
FIREに夢中だった私は、「これでは幸せになれない」と数年で悟った。その理由を共有する (msn.com)
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