「カフェと朝活」から
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3点に注目したい。
1.「早朝枠に限定」したサブスクカフェモデル
2.アーリーアダプターが明確化する
3.プランA仮説を見える化し、リスキーな順に仮説検証サイクルを高速回転させる
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A 早朝から開いているカフェは、私にとっては貴重な存在である。ここ数年では、朝活という言葉も普及し、出社前に「朝の活動」をする人々も増えている。カフェは1つの朝活現場であり、集団的なものから個人ワークまで、思い思いの時間を集中して過ごす人が、確実に増えた*1。
B 世の中にはトレンドというものが存在しており、商売の仕組みとしてはXaaSが急伸しているし、行動変容を促す仕掛けとしてはシェアリング経済が勃興してきている。テクノロジーとしてはデジタル革命をベースに、大量の(良質な)データに対して、IoTやAIといった要素が加わってきている。
A シェアリングというのは「自己保有物を貸す」という視点もあれば、「未稼働な他人様の時間、能力、物体、スペース…等」をシェアするという視点もある。
B 新しい事業を考える時には、直観ベースでいいのでまずはプランAを書き出す必要がある。未決課題は何か? 顧客は誰か? どのようにアプローチするか? どのような価値を提供するか? 際立った特徴は何か? 競合品は何か? 事業継続させるための収益フローはどうするか? 誰と組むか…と。この「案(仮説)」を、素早く的確に検証し製品/市場フィットを実現していくわけだが、そもそもの「着想」部分が苦手という意見をよく聞く。
A 世の中には、ビジネスチャンスがゴロゴロしている。私のように、出社前後で自分の時間を効果的に利用したい人の中には、カフェに対する不満を抱える人間がいくらか存在すると考えられる。仮に、7:00にOPENする主要拠点にあるカフェが、5:00から開いていたら? 毎回お金を払うのが面倒であるため、会計レスになったとしたら?
B サブスクリプションモデルの流れは、SaaS×サブスクの領域を遥かに飛び越え、今では多くの分野に対して「改めて」検討されている。飲食店も範疇であり、カフェ×サブスクモデルも色々と出てきている*2。しかし、まだまだ本格普及には至っていない。
A カフェ×サブスクでは「あやふや」である。ここに、「朝活」を加えてはどうか。実体験ベースでは、先に書いたように「もっと早くから空いていてほしい」・「毎回注文して支払いをするのが面倒」である。身近な、朝にカフェで活動する6人に聞いてみたが、似たような不満を持っているようであった。
B ざっと、仮説化してみる。立場は、大手の珈琲チェーン店とする。
◆未決課題:
・自分の朝の活動に対して、カフェがOPENする時間が不適切
・毎回毎回、注文し、料金を払うのは億劫
(競合)
・ネスカフェバリスタのような仕組
・早朝から寛いで個人の自由時間を愉しめる場のある、職場
・シェアリングオフィスや貸会議室…など
◆セグメント
・出社前に、高頻度でカフェを利用する人(ビジネスマン、学生など)
・アーリーアダプター
週4以上で同じカフェを、出社前に利用するビジネスマン
カフェやファミレスでの勉強が常態化している受験生
◆独自の価値・ポジショニング
・日々の成長を、よりスムーズに
・午前の早い段階に対する定額利用モデル
◆ソリューション
・5時~10時の間は月額定額で、毎日一杯の珈琲(等)を飲むことができる。
・全国どの店舗でも利用可能
・スマホからのオーダ、すぐに受け取れる
(自社利得)
・「従来の未稼働時間5~7時を含めて、定期収益が産まれる」
◆チャネル
・カフェ利用者(早朝利用者)
・友人、同期、同僚、部下
・会社(福利厚生)
・Facebook、LINE
・口コミ
◆圧倒的優位性
・既存の顧客ネットワーク(COMMUNITY)
◆コスト構造・・・(割愛
◆収益構造・・・(割愛
・自社の通常未稼働時間を利用したモデル
固定費に対する限界利益の貢献度をあげる
・アイドルタイム利用と定期収益の併用モデル
A このように見えるようにすることで、最もリスキーであり、KFSである部分から優先的に、検証・改善していくことになる。まずは、課題/ソリューションフィットからである。
B 事業側の特徴は、本来の未稼働時間を使うというアイドルエコノミーにたち、固定費に対する限界利益の貢献度を大きくすること。そこに対して安定基盤となる定期収益源を設定できること。スケールに向けては、早朝の定額利用者を、昼や夜の通常利用へと誘導するクーポンなどを発行できる。また、学生×受験といった想定されるハードユーザ向けに、「1日の中で設定した5時間」に対する定額モデルへのシフトなども想定される。これらはアーリーアダプターとの深いコミュニケ―ションに基づく学びの中で、検証されていく要素であり、バックログに格納しておけばよい。
A 代表となる~3店舗程度を利用して、仮説検証、学習、改善・ピボットしていくことは容易である。どのような顧客(アーリーアダプター)の抱える、どのような本質的課題に対して、いかなる価値(UVP)を、どのような仕掛け(ソリューション)で提供していくのか。ここの仮説検証サイクルを、迅速に、的確に、顧客と寄り添いながら熟成させることが重要である。
*1 Cross Meeting 朝活に関する調査
https://www.cross-m.co.jp/news/release/26420/
*2 MONO TRENDY コーヒー業界に第4の波なる
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO23505690V11C17A1000000?channel=DF260120166489
SubskFUN 飲食でおすすめのサブスクリプション
https://subscription-service.fun/cafe-matome-2138
/2018.01.17 JK