図1

「相手の立場に立つ訓練」から

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3点に注目したい。
 1.相手の立場に立つ訓練を、日常に採り入れる
 2.子供は、自分とは遠い存在の極端な例であり、有効。
 3.極端な例で訓練し、わずかなセグメント差を感じられるようにする

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A 消費者視点の重要性については、至る所で強調されているが、どれだけ強調しても本人の意思が、本当に消費者視点にならなければ、まったく意味をなさない。この消費者視点について、小さいお子さんを対象にすると、思考訓練しやすい。


B 小さいお子さんがいる(いた)ご家庭は、ある意味有利である。文句のない1次情報をもっているわけであり、そこをとっかかりに、「消費者視点(お子様視点)」の訓練ができる。


A 大人が使っているモノに対して、子供は興味を持つ。だからといって、そのまま数分の1の縮小すればいいか?というとそうではない。2,3歳の子供を見ていればよくわかるが、非常に、(大人から見ると)不器用である。つまり、そのまま縮小すると、子供からみたユーザビリティが極端に下がることがよくある。


B スマホやタブレット、或いはPCなどは、小さいころから「当たり前のように」使っておく方がよい。しかし、これをそのまま縮小してもだめである。子供の感覚や運動感からみて、縮小比率を調整したり、レスポンス速度を調整するなどの工夫が、当然必要となる。


A 3歳の息子と風呂に入った時にも、気が付いたことがある。私の使っていたシャンプーが空になったので、洗って、遊び道具として子供に渡した。風呂の中で、ボトルに水を満たし、風呂の淵に乗せ、プッシュして遊びたいよう。しかし、うまく、ボトルに満たした水がピュッピュッと出ない。その原因は「重さ」にあった。大人であれば、無意識にでもできる(シャンプーを出すための)プッシュが、子供にとっては重労働なのである。


B 子供用を作る場合には、当然であるが、子供の目線でみたらどうなのか?。子供の操作(分解能、力、など)でみたらどうなのか? 子供の感性(興味など)でみたらどうなのか?。と仮説化し、検証し、製品/市場(子供)フィットを実現することが重要である。


A 別の日には、公園を散歩していた。「犬の糞、禁止」の看板があったが、子供が面白いことを言った。「ワンちゃんがウンチすると、チューリップが咲くんだね」。看板の絵の構図は、「チューリップの前で犬が糞をしている様子」であった。大人であれば、当然何を意味するかはわかるが、子供の発言をニュートラルに捉えれば、それはそれで何ら不自然でないことがわかる。誰を対象にするのか?という観点が非常に重要であることを示唆している。



B 犬の糞の例でいえば、インバウンド方への注意喚起などは似たような事例にあふれている。バックグラウンドが大きく異なる方は、モノの見方が異なるのは当然である。日本的感性での注意喚起が注意喚起にならないことはよくある。この未完成の注意喚起をもって、ルールを破られた・マナーが悪いといっても、それは作っている方がわるい。消費者視点の欠如であり、メインセグメントの視点で考えることを忘れている。


A 更に別の例では、公園にある花壇の中に、太さ30㎜位の枝が落ちていた。これを見て子供が言った。「なんで、この枝はここにあるんだろうね~」。確かに。周囲を見渡すと、30㎜程度の枝を花壇に落下させそうな木はない。大人であれば、花壇に枝があっても何ら不自然には思わないだろう。見ている景色が全く違うことを、このような事例から感じることができる。


B 自分の子供や、周りにいるお子さんを、(怪しまれない範囲で)要観察するのは、非常に面白い訓練になる。視点がどれだけ違うか。運動能がどれだけ違うか。行動様式がどれだけ違うか…等々。


A 相手の立場に立ってみることが重要である。あらゆる不思議に対峙している世界観を有す。「裸足って、オレンジって、お姫さまって、猫って、雲って、紅葉って、テンブリッド(?)って、…どうやって作るの?」という質問を連呼するような、思考状態である。階段をのぼるといっても、「自分の膝より高い」段差を目の前にしている状態である。身長100cmの目線からみれば、大人から見えるものが、子供からは見えなくなる。迫力も変わる…。


B 可能な部分については、自分で実験してみるといいだろう。相手になりきるために、身体的特徴やおかれる環境を調整するのである。それだけでも、見える世界がいっきにかわる。


A 3歳くらいになると、自分で靴下や靴を履く訓練をしてできるようになるが、この「訓練期間」をみていると、もどかしくて仕方がない。足に靴下をかけるときに、小指だけ外に出ている。それを上手くリカバーできない。こんなことはしょっちゅうである。子供用の「訓練のための、箸」・「おむつを外す訓練のための、おむつ」…等々があるのであれば、「履きやすい靴下」などもあってもいいはずである。靴下をはじめて履く子供が履きやすい仕様がみいだせれば、可能性としては、身体能力が低下しはじめた高齢者などへの展開も見えてくるかもしれない。


B 挙げればきりがない。子供というのは、自分とはかけ離れた極端な例に相当するため、「子供からみるとどうなのか?」と、考えることは、効果的な思考訓練になる。日々の生活の見方も変わっていく。気づきも増えるし、「こうすればいい」といった発案力も高まりやすい。


A 訓練はなるべく自分とは遠い存在を対象にすべきだ。自分が高齢者でないのであれば、後期高齢者視点を訓練するのも有効である。あるいは、日本人であれば、日本にきている海外の方の視点になって考えるのもいい訓練になる。このような極端な例で訓練し、頭を柔軟にすることで、細かいセグメント差に対しても、的確なKBFの違いを見出しやすくなる。


/2018.01.19 JK

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