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【読書】賃金の日本史
古代から現代にかけて、日本人の賃金はどのように変化してきたのか?
賃金という概念はいつ・どのように誕生したのか?
そのような疑問に対して、文献に残された賃金の痕跡を整理した「賃金の日本史 -仕事と暮らしの一五〇〇年-」(高島正憲 著:吉川弘文館)を読み返した。
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この本は、個人的に、昨年読んだ本の中で最も印象に残った本だ。
貨幣という概念が登場して衰退していった平安時代以前。
宋銭の流入により貨幣の使用が定着した鎌倉・室町時代。
貨幣の使用が一般的となり、あらゆる経済活動が貨幣を媒介として回るようになった江戸時代以後。
上記のような賃金の構造は、個々において詳細な研究が続けられてきた。本書は、これまでの各種研究を統合し、古代から近代までの「賃金」の変遷を追った書籍である。
本書の「あとがき」でも述べられているが、文献に残された「賃金」に関するデータ抽出の手法や、文献から読み取れる当時の仕事の形態について、分かりやすい文章でまとめられていた。
そのため、データの傾向と同時に各時代の働き方についても想像がおよび、非常にワクワクしながら本書を読むことができた。
データと現実の向き合い方についても考えさせられる本だったね。
高島先生の過去の書籍である「経済成長の日本史」も読んでみたい!