計算力でも知識でもない算数 - 倍数と約数《後編》
前稿では『7億を5人で分けるなんてムリ😵なCMの話』から、あまり脈絡のない『9の倍数』の特徴に沿う思考の例題へと展開しました。
今回は《五ツ木書房の中学生対象模擬テスト・数学》からの例題を紹介します。中学3年生です。
と聞くと、「難しくて分からん!😵」と拒絶反応が導かれたかもしれませんが、「考える」が楽しい系統のものですので、ここはひとつチャレンジしてみてください💪
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《問》
3と7、7と11、13と17、19と23のように、差が4である素数のペアのことを「いとこ素数」という。
自然数2021は、いとこ素数の積で表されることがわかっている。
このとき、次の問いに答えなさい。
①2021を素因数分解しなさい
②2021の約数は何個あるか、求めなさい
まずお断りを入れさせてください🙇
「解答がどうのこうの」ではなく、中学で習うものなので、『素因数分解』という語句についてはご存知のもの、との前提になってしまっています。
・12=2x2x3
・45=3x3x5
のように、素数の掛け算で表すこと、でしたね。
問題文冒頭に出ている数字例を『素因数分解』してみると
・21=3x7
・77=7x11
となります。
さぁ、2021を素因数分解してください!
パッと見で、「え?2021って素数でしょ!?」っていう逃げは通用しませんよ🙅 ちゃんと分解できます☝
3で割り切れるかなぁ… ムリ
7で割り切れるかなぁ… ムリ
じゃあ、11か?… ムリ
まさかの13か?… ・・・「はい、終了!鉛筆置いて」(>_<)
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無論、問題文中の〔前置き〕には意味があります。
当方も、元数学教員の妻も(☜初開示?)、当該『いとこ素数』という用語を知らず、初見でした。
もちろん中学生にとっても、(一般的な子には)この試験問題中が初めての遭遇になるわけで、用語そのもの及びその意味について「知らない/教科書で学んでいない」という、皆が等しい条件下、解答にあたります。
つまり、
馴染みが無くても/勉強して習得したから知っているわけではなくとも、
この体裁の「示され方」で狼狽えることなく、読解力をはたらかせて前進するしかないわけです👟
◆2021は、いとこ素数の積
◆その2つの素因数の差は4
ということなので、2021 = a x (a+4) でと表わせ、aは何?
ただそれだけの問題です。が実は、👆のように数式的に捉える必要はなくて。
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さて。こんな風に理詰めで考えてみませんか?
・まずは適当に目星を付けたい
・"4"ってたいして大きくない数字だし…
・暗算できる”何か”を2乗してみよう
「50x50=2500」 --- 大きすぎた💦
「40x40=1600」 --- 2021より下回り過ぎ… でも、40台確定!
・(2以外の)偶数は素数ではないので外せるから奇数どうし
{41, ,43, ,45, ,47, ,49}
・互いに4の差になる2つの素数は…
43と47でしょうな🤔 筆算してみて…
43 x 47 = 2021 ビンゴ🎯
よって、
①2021を素因数分解しなさい の答え: 43x47
で、②2021の約数は何個あるか の方なんですが。
①は出来なくていいんです。
「いとこ素数」の説明を素直に受け取るだけで即、解決☝
{1, a, b, 2021}
の4つだと言われている。「設問を翻訳」するだけ!
その捉え方から見れば、
『・・・、求めなさい』という文章(言い回し)が引っ掛かる~🥴
「求める」という感覚ナシ。自明です☝
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大人の貴方が持たれている「算数/数学は苦手!ムリ~」などという感想は、これまでの経緯がちょっとズレていただけで、このように、ただ読解力や理屈っぽさによって理詰めで解答に辿り着ける(いや、そうしなくちゃならない)ような設問もあって、つまりは【国語的な総合力が試される】のか💡 との印象に近づいて頂けたなら、寄稿した甲斐があり幸いに思います。
ふと与えられた概念に関して適切に理解し、「それならつまりこういうことでしょ?」へと思考展開が必要。学力ではなくて考えるチカラ。「学んで知っている」ではないのです。知識そのものなんて大して役に立ちません。
《調べていると出てきた、どうでもいいオマケ》
・差が4である素数のペアのことを「いとこ素数」という。→それは「双子素数」というものの存在(差が2)から派生したような… そしてさらに…
・差が6である素数のペアなら「セクシー素数」とのこと🥰
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