進行方向リバーシブルなデザイン① - 幹線道路 +
「聞いたことがある」もしくは「あの場所のことでしょ?」との反応を示す人はおそらく少ないのだと予想します。でも、一度でもその現場を通ると、ずっと記憶に残ることでしょう。そのようなレアな施策例について紹介します。
一般に『中央線変移』と呼ばれている仕組みがあります。Wikipediaでは、見出し語は『リバーシブルレーン - Reversible Lane/可逆車線』とされていて、その意味は『渋滞緩和のため全幅3車線以上の道路において中央線(センターライン)の位置を時間帯によってずらし、交通量が特に多い方向の車線を特定の時間帯のみ増やす交通規制のこと』と記されています📖
つまり、中央分離帯が無い対面通行の幹線道路の一部の例において、ただ単に「この中央寄りの車線上はどっち走行?」という問いならその答えは「両方」という、何となく不安がよぎる仕様なのです。これが、時間帯によってリバーシブルに切り替わる --- 、そのような場所を通ったことはありますか? *画像はGoogle Street Viewより
では、このような特異性のある設定によって生じる要件を、有意義かつ【事故発生を抑止すべく全ての運転者に対し適確な管制情報を視覚的に伝えるため】に、どのような配慮施工がされているのでしょうか?
~~『社会見学』と称して皆さんをその現場にお連れすることはできませんので、頑張って想像してみてください💪
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伝達ツール(方法)は概ね二系統考えられますね。すなわちそれは、〔路面〕あるいは〔標識的表示 - 前方正面上方〕です。
路面の標示で制御するにしても、ちょっと難しそうです。オレンジ色のラインなど、レーンを示す一般的な施しは、〔可変的〕ではないので不適です。発光体を埋め込んだところで、夜間なら有効ですが昼間は見えにくいでしょう。
実際は後者の方が活かされています。写真で見られるように、道路の上方に『中央線』との表示が出る候補の場所が二つあって、所定の時間が来れば切り替わるという設定になっています。 ~その位置より右の車線上方に☒
「とは言っても、ちょうど切り替わる境目はどうなるのか?」という疑問が湧きます。
少し勘の良い人なら、「”過渡期”として、両方向ともに通行できない時間がやや長めに設定されているのだろう」と推測するに至ります。【工事区間等、片側交互通行の無人信号機による管制】の現場例も時々ありますし、そもそも「交差点の信号において、変わり際の少しの間は全ての方向が赤になる」ことからも連想できます。
⇒当該区間の実状については調査していません😓
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施策の効果・影響力の測定は難しいですが、「実証」的な以下の例があります。
ニュース記事によると、2018年9月に見舞われた台風被害で装置が故障。【時間帯に拠る切り替えが無効となり終日固定となった】という状態が半年間続いたようです。結果として渋滞が増加したとのことで、やはり効果は大きいのだと判断できます。
普段、通り慣れていない人にとって、戸惑いは多少生じますが、
方面毎の通行量のアンバランス状態を考慮し、「時間帯によってパイプの太さを変える」施しは、効果的な流動をもたらす工夫の一例
と言えますね💡
そして、その際に同時に伴うべき要件になるのは、〔偏りの調査に基づく切り替え時間設定の判断〕ですが、何より、〔より安全を追求した上での、交通者への指示伝達工夫〕になるのだと考えます。
そんな中でも…
《右折レーンが分岐する箇所》 - 初めてだと戸惑いそうです(;゚Д゚)
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さて、当該現場がどこか、気になりますか?大雑把にいうと、【滋賀県内・琵琶湖の南端から西側方面】という地域感覚になります。出掛けてみてはいかがでしょうか🚘
††† ちなみに、広島市にもかつて設定されていたようです。数字表示があったり別の可変矢印表現があったりの工夫配慮が見られます。
車両通行路におけるレアなデザインの紹介でした ⇌
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