2つの類似語句のデザイン① - 周知⇒徹底
ほとんどすべての人が何の”引っ掛かり”もなく慣用に至っている。でも、「言われてみれば」気になってくる --- そんな【身近な話し言葉や文面語句】について、並記することで検証していこう🤔
という新たな主旨のシリーズです📖
※最初に断っておきますが、当方は国語学者でも教育者でもないので、あくまで本質思考由来の違和感等について、”気づき”提起を展開しています。
~もし、語学的に誤りが含まれている場合には恐れ入ります🙇
『周知』
という語句には馴染みがありますよね?
小学生、あるいは中学生には少し難しいかもしれませんが。
これ、辞書的にはどういう意味でしょうか?
複数思いつくなら、全て並べてください🙋
『〇〇〇のような感じの意味』じゃダメですよ。細部の表現にこだわって。
👇 ☟ 答え ☟ 👇
①広く知らせること
②広く知ること
③広く知れ渡っていること
これらが併記されているようです📖
こうして見ると、思っていたより多様性を感じませんか?
貴方にとって、①②③のどれかだと「限定的に/絞って」捉えていませんでしたか?
⇒①が多数派なのだと想像します。見聞きしたり発言したりする場合を振り返ってみるとこれが多い🙄
言わんとすることのニュアンスに大きなブレは生じないのだと思いがちでしょうが、これが文面や口頭での指示で織り交ぜて用いるとなると、『周知』という単体のワードが
◆これら全ての意味を含んでいる
◆使われ方/文脈で、①②③のどれなのかが様変わりしている
ということに意外性を抱くに至るかもしれません。
『周知』が用いられる場面。しばしば『徹底』が添えられ…
どんなフレーズが思い出されますか?
例えば、
社長から発せられた指示命令の内容を、
支店長⇒従業員に のような体系の場合に・・・
■社長「各支店長は、自店内従業員に周知徹底するように」 --- ①
■支店長「社長。当店ではその件について、従業員各位は既に周知しております」 --- ②
■従業員「支店長。その『社長の話』は全員周知ですので改めて言われなくても大丈夫ですよ」 --- ③
前述した辞書的な”複数”の意味、それぞれの《例文》です。
①広く知らせること
②広く知ること
③広く知れ渡っていること
もしいずれかの〔語彙〕が欠けていると、■各文について「誤った言い回しなのでは?」という疑念を抱くことになるはずです。
※①②は動作⇔③は状態 / ①と②とは、ある意味で”逆”
このようなことを思い巡らすに至るきっかけって何でしょうね?
貴方は”引っ掛かった”ことはないですか?
上記例を続けると、
《社長に言われた支店長が返す端的な言葉》
「周知します!」 --- ① と、
「周知させます!」 --- ② と、
どちらもありますよね?
前者は【自分が】の主体で、後者は【従業員を】に軸が移っている、とも言えるのでしょうか。
さらに言えば、”周知徹底”という四字熟語としてではなくて分けて捉えるとどうでしょうか。
「周知を徹底します!」は①のまま差がありませんが、「周知を徹底させます!」との文脈になったなら、それはもう②ではなくなっていて、
✕ 支店長⇒従業員
〇 支店長⇒グループリーダー等
に《①広く知らせること》 の方の用法であるように感じます。
※「徹底」する対象(目的語)が「通達内容を」なのか「周知という行為を」なのか…🤔
この語句を用いるのは「全体を取り仕切る」立場の人かと思います。そこで、
「周知します!」 --- ①
だと一方通行な告知で済ませているかも知れず、言わば自己完結的で表面的なアクション止まりになり得ます。かたや、
「周知させます!」 --- ②
の方を、この言葉の意味を踏まえながら/知らされた当事者が通達内容を理解しながら が伴うような対応をするのとでは、本質的到達点に差が出るようにも思えます。
つまり、①で述べるよりも②の方が、本質的深みがあり推奨される心意気だ💪という見方(評価)になりませんか?
深く考えることなく”なんとな~く”で発している人が多いようですが、ひとたび考察してみると、【雑な言葉遣いになってしまっている】という危うさを感じるのです。
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