マインドフルネスとは、自分に対しての優しさを向けること
マインドフルネス、言葉はよく聞く。
誰かがマインドフルネスという言葉を発した瞬間、その人がマインドフルに生きている、という肯定的なイメージを周囲から持たれる魔法の言葉。に思う時もある。
2500年前にブッダが始めたマインドフルネス、という生き方。
私がこの言葉に出会ったのは、今から20年程前のことでした。その頃は、瞑想に関係する本はAmazonで10冊も出ていなかった。
今や、マインドフルネスと検索すれば、数えきれないほどの本が検索結果として上がる。
みんながマインドフルネスというものだから、天邪鬼?の私は、大衆化した時点で価値が薄くなった気がしてくる。そして、私より後に知った人から、マインドフルネスとは、、、を説かれることに。。。なんか、ちょっと悔しいな。
そんなわけで先週末、ニューヨーク在住で瞑想を40年以上指導している、David Nichtern氏から直接、マインドフルネス瞑想を習った。マインドフルネスがどういうことで、なぜ現代にこれほど必要なのか。
マインドフルネスとは
一つのことに心を向けること。
マインドフルネスの目的は、自分の心がどのように働くかを知ることだ。そして、マインドフルネス瞑想を始める時には、自分に対して親切で、フレンドリーであることが大切。
更に、自分の感情に対して興味をもつこと。例えば、なぜ私はこういう気持ちになるのか、こういう体験をしているのか。
なぜかというと、、、マインドフルネス瞑想を通して、自分の中に眠っている、愛や親切心、寛大さ、などを掘り起こして強めることができる。でもそのためには、まず自分と親友になって、その親友に気持ちを預けることが鍵になる。
なぜ、掘り起こす必要があるのか?
それは、マインドフルネスのベースの部分を成す仏教では、人は元々好ましい性質を持っていて、なにかの事でそれが一時的にブロックされている、と考える。だから、そのブロックに気付いて手放すことで幸せになれる。それで、マインドフルでありましょう、ということなのだ。
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そして、マインドフルネスは、4つの要素で成り立っているそうだ。
①Being presence
②Awareness
③Comtemplative
④Compassion
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一つずつ見ていきたい。
①Being presence(この瞬間にあること)
脳内の思考の中に生きることではなく、今ここにある身体に意識を向けて身体の感覚と共にいること。
②Awareness(気付きがあること)
自分の気持ち、感情を感じ、それらに気付いていること。分かりやすく言うと、沸き上がってくる感情に一瞬一瞬気付いていること。
また、周囲で起きている事に気づき、それに対して良いとか悪いとか判断しないこと。
③Comtemplative(熟考すること)
熟考するために一つのことに意識を向けること。一つのことに自分の焦点を合わせると、他のことが頭から締め出されていく。そうすると、散らばっていた意識が、段々と一つに集まってくる。そして、心が落ち着く……
今まで占められていた頭の中のざわつきがなくなるから、頭の中にスペースが生まれる。程よい緊張感と余裕、そうなってくると、何をするのにも集中することができるのだ。
④Compassion(慈悲)
自分に対して慈悲深くあること。
興味深いのが、他人ファーストではなく、自分ファーストで、まず自分に対して慈悲の心を向けてあげること、自分を含めるというところが肝心だ。まず、自分に優しくなくて、どうして他人に出来る?というところ。
確かにそうなんだよね〜、日本社会は、他人から見て自分がどう見えるか、とか、他人に迷惑をかけない、というのは子供の時から耳が痛い位に教え込まれて育つ。一方で、自分に対して嘘をつかない、とか自分に対して優しくする。。。こんなのって、子供のうちはあまり語られない。私は親から聞いたことがなかった。他人ファーストこそが、大事なんだ、正義なんだと信じ込んでいた。
正直社会人になって、人間関係をこじらせた時に初めて考えたり気付いたなぁ……
そして、このマインドフルネス瞑想を実践すると、心の動きに次第に気付くようになる。
積み重ねていくと、こういう心の動きが出てしまうのは、自分だけなのだろうか?私の親しい友人たちも、もしかしたら同じことで苦しんでいるのではないだろうか?と考えられるようになるのです。
自分の心の動きがはっきり見えて理解した時、自分の心をブロックしていたものが外れて、自分に対しての愛、親しい人への優しさが自然と出てくる。
すごい!この瞑想は。って思ったんですよね。
そして、幸せになるための秘訣を次第に悟るようになる。
悟りとは
①自分を苦しめている苦しみの原因を知って、②そこから自分を自由にすること。
③人間というものを深く理解することによって、苦しんでいる人に優しい思いやりの心(慈悲)をもつこと。(そこに自分を含める!)
そんなことを教えて頂きました。仏教って、要するに、人間理解。深い人間理解こそが、自分と他の人を癒しもするし、お互いの幸福を作り出す事ができる。
そんなわけで、私は心理学の中でも、断然仏教心理学が好き。イギリスの心理療法士で、David Brazierという人がいるのですが、この方の書いた本に数年前に出会って人生に対しての見方が変わりました。