梨木香歩『冬虫夏草』を読む。『家守綺譚』の続編。行方知れずとなった愛犬ゴローを探しに、文士然としてきた綿貫征四郎が鈴鹿山中をめぐる。その地ならではの暮らしを守る人や人にあらざる者との交歓が胸にしみる。ことばの使い方も魅力的。本を持つ左手が薄くなりゆくのが切なく惜しく感じた。
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