![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/98264235/rectangle_large_type_2_c38bd13d3b0e8ed4a2efc9ce6986b8d9.jpg?width=1200)
「セルフエクセプション・スパイラル」〔コイネージ【新造語の試み】17-2〕
「他の過ちを、自らに結びつけないことで引き起こされる負の連鎖」。
「他人の過ちを目の当たりにしてなお、
『自分だけは例外』
と捉えて実行し、結果その過ちがいつまでも繰り返される現象」。
これを意味する、
「セルフエクセプション・スパイラル(self-exception spiral)」
という言葉を新たに造り、そう呼んでみる。
言うなれば、人のふり見て、我がふり"直さない"態度により、「惨劇」が断続的に引き起こされること。
他人が犯した過ちを「過ち」としてしっかり認識し、ときに他人事のごとく非難しておきながら、
「自分だけは例外」
「自分は〇〇なので大丈夫」
と無思慮・無意識・無根拠に思い込んで、まったく同趣旨の過ちを犯す。
そして、それを見た別の人が"まったく同様に"過ちを犯し、結果「過ち」が止むことなく永遠に続いていく。
まさに「自分を例外視」したことによる、負のスパイラルである。
このことを説明する最好事例と考えるのが、昨今(2023年1月以降)社会問題になっている、いわゆる「寿司テロ」に代表される「飲食店、公共施設などにおける、迷惑動画のSNS投稿」。
事の顛末は周知の通りであるし、これ自体に対する筆者の印象・見解は大多数のそれと変わらないので、詳細は割愛する。
この件に関して、フォーカスすべきと考えるのが「模倣犯」の存在。
つまり、「これに続く者」が多くいることだ。
ちょっとした「ノリ」や「ウケネライ」のつもりが、多数の人に著しい不快感をもたらし、店舗・施設のスタッフや関係業者に多大な迷惑を被らせ、運営企業に莫大な損害を発生させる。
そしてその"惨事"は、前科や損害賠償金、デジタルタトゥーなどの形で、やらかした側の身にも降りかかり、一生レベルの大枷となる。
"そのようなざま"を見れば、大抵の人間は「自分(や自分の子供・友人)も同じことをすれば、必ずああなる。絶対にやるべきではない(あるいは、させるべきではない)」と考えるだろう。
(…まぁ、それ以前に思いつきすらしないだろうが)。
しかし、そんなもの「お構いなし」とばかりにマネをする者は一向に後を絶たない。
他人が迷惑動画のSNS投稿をして大炎上している様を認識しながらも、なぜか「自分だけはそうならない」と思い込み、まったく同じことをする。
言い訳の仕方は同工異曲(「再生数、フォロワーを増やしたかった」「その場のノリ」「仲間内でウケたかった」「冗談のつもり」etc)。
迷惑行為の内容は大同小異(寿司ペロ、醤油直飲み、ガリ直喰い、ライターで火災報知器故意に作動、ホームから線路に降りて写真撮影etc)。
そして、
①「ノリとウケネライ」で迷惑行為
↓
②SNS投稿
↓
③大炎上からの大憔悴
↓
④一生残る足枷
という道のりもまた、皆一様。
そして、①②の時点で、「自分だけは例外的に③以降にはならない」と思っていることも。
もちろん、例外なわけはなく、"軒並み同一行程"を辿る。そして、これを見てまた別の「模倣者」が現れ、同様の結末を辿り、それが永遠に続く。
"self-exception"-「自分を例外視」することによって。
これら一連の現象。筆者の目には、
Aさん:
①「飛んで火に入るワイおもろい!ワイはヤケドせん!」
↓
②飛び込む
↓
③「ギャー!」
↓
④生涯残る大ヤケド
⬇︎
Bさん:
⓪「おお!アレ面白い!やってみよ」
↓
①「飛んで火に入るワイおもろい!ワイはヤケドせん!」
↓
②飛び込む
↓
③「ギャー!」
↓
④生涯残る大ヤケド
⬇︎
Cさん:
⓪「おお!アレ面白い!やってみよ」
↓
①「飛んで火に入るワイおもろい!ワイはヤケドせん!」
↓
②飛び込む
↓
③「ギャー!」
↓
④生涯残る大ヤケド
という無限ループにしか見えない。
「自分だけは例外」と思い込んで、次々と火の中に飛び込み、惨事をもたらし続けるその様は、死屍累々そのものだ。
そして、彼ら彼女らはなぜ「自分だけは例外」だと思ったのか。
こればかりは筆者もわからない。
(過去に投稿した記事の続編)
(関連記事)