想像力のための知性、知性のための想像力〔マキシム〈サガン〉【金言の再現】6〕
「想像力は最大の美徳です。頭、心、知能、すべてに関わりがありますから」
「想像力があれば人の身になれる、という事は、相手が理解できる、したがって相手を尊重できるわけです。知性とはまず、ラテン語の意味での『理解する』、ということですから」
サガン
『サガンの言葉』P66、67(山口路子著 だいわ文庫)
天才作家サガンによると、「想像力は最大の美徳」という。
ならば、その美徳を身につける最良の方法は、「知ること」ではないか。
当たり前だが、人は知らないことは想像できない。
例えば、健全な男性が女性に体重を聞かないのは、彼女たちがそれを嫌がると知っているからだ。しかし、彼女たちと同程度の心持ちで理解しているわけではない。
なので、たまに"ジョーダンのつもり"で「最近太った?いま何キロ?」と聞く輩がいたりする。
いわゆる「女ゴコロのわからない男」は、女性の気持ちを十全に"知っていない"人といえる。
例えば、「月、木星、土星を想像せよ」と言われれば、難なくイメージがわくだろう。"知っている"からだ
しかし、「ラブジョイ彗星を想像せよ」と言われても、当たり前の彗星のイメージしか抱きようがないだろう(たまたま知っている人以外)。知らないからだ。
ここで、「ラブジョイ彗星は、毎秒375ℓ(ワインボトル500本分)のアルコールを噴出しながら進む、酒の彗星」という情報を"知れば"、そこで初めてどんな彗星か想像がつくだろう。
想像力とは、「知ること」。
ゆえに、「他人に対する想像力」を身につけたいのであれば、まずは相手の気持ちを「知り」、「理解する」のが何より重要である。
それがサガン(ラテン語)のいうところの「知性」であり、「想像力という"美徳"」を身につける一歩といえる。
(参考図書)
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