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『パーフェクト・ノーマル・ファミリー A Perfect Normal Family』
(監督・脚本:マルー・ライマン/ キャスト:カヤ・トフト・ローホルト、ミケル・ボー・フルスゴー、リーモア・ランテ、ニール・ランホルト、ジェシカ・ディネジ/原題:En Helt Almindelig Familie/2020年/デンマーク)
1990年代終わりのデンマーク。13歳と11歳の姉妹カロリーネとエマは、夕食の席で突然、親の離婚を告げられる。理由は、父親トマスが「女性」になるため、というも
『アナザーラウンド Another Round』
なんといっても、マッツ・ミケルセン(デンマーク語の発音ではマス・ミケルセン)のダンスシーンがあるというので、待ちに待った日本公開だった。
スリリングなドラマに満ちた展開や予想もつかないようなどんでん返し、というタイプの映画ではない。しがない高校教師である4人のおじさん達の、普通の人生。先の見えた人生は、どこまでもくすんでいて、まさに中年のクライシス状態だ。体の不自由な犬と暮らす独り身の者、妻と
デンマーク・サッカー代表チームとミカエル・アンカーの絵を重ねて
私はサッカーに詳しくはないが、6月12日のEURO2020のグループ予選での前半終了間際、クリスティアン・エリクセンChristian Eriksenを襲ったアクシデントには、大変ショックを受けた。翌日のデンマーク紙の見出しで、「彼は死んでいた」というチームドクターの直接的な言葉を読み(実際に10分ほど心停止していたとのこと)、ことの重大さにまたショックを受けた。
ピッチ上で倒れたエリクセンは、
『ある人質 生還までの398日』
『ある人質 生還までの398日』 2013年から14年にかけて、ISの前身組織に誘拐されたデンマーク人カメラマン、ダニエル・リュー・オデセン。彼の13カ月にわたる拘束の日々を描いた映画で、昨年度のデンマークでの映画館動員数がナンバーワンでした。デンマーク映画界のアカデミー賞であるロバート賞やボディル賞をいくつもの分野で受賞しており、デンマーク人からもお勧めされたこの作品。観たいのはやまやまでしたが
もっとみる『わたしの叔父さん (Onkel / Uncle)』
2019年の東京国際映画祭でグランプリを受賞した、デンマークの映画『わたしの叔父さん』が今、恵比寿などで上映中で、観に行ってきました。昨年の映画祭で観て、かなりユニークな映画だと思ったのですが、1回目に観たのと、2回目に観たのとではちょっと見方が変わりました。ちょっと私なりの感想を書いてみたいと思います。
1. 1970年頃までのデンマークのライフスタイル
この映画の舞台は一貫して南ユトラン
デンマークの現女性首相、メテ・フレデリクセンのこと
世界で女性の首相はそろそろ珍しくなくなってきていますが、現在のデンマークの首相もデンマーク史上2人目の女性首相になります。昨年2019年6月に総選挙があり、メテ・フレゼリクセンは41歳で首相の座に就き、首相として1年余りが経過しました。彼女はデンマーク国の首相であり、二人のティーンエイジャーの子どもの母親であり、一度離婚した後は6年間シングルマザーの経験もし、1年以上にわたって3回も延期の末、今
もっとみるデンマーク映画 『Kollektivet ザ・コミューン』
今年の「トーキョー ノーザン ライツ フェスティバル 2020」にて、デンマーク映画を3本観たのですが、3本とも全く違うタイプながら、非常に面白いものばかりでした。1本ずつご紹介しますね。まずは『Kollektivet ザ・コミューン』から。
舞台は1970年代のヘレロプ(コペンハーゲンから20分ほどの、大きなヴィラの多い高級住宅地)。倦怠期を迎えていたカップル、アンナとエリックは「きっと
デンマークのリカレント教育 続き
デンマークの具体的なリカレント教育を前回はご紹介しました。続いて、今回はその背景についての分析とまとめを掲載します。
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3. デンマークのリカレント教育の背景
ここまで具体的な施設や機関について見てきたが、こうしたデンマークのリカレント教育が成立する背景として、大きく4つの要因があると筆者は考えている。
① 就業における
デンマークのリカレント教育
機会があって、デンマークのリカレント教育についてまとめてみましたので、ご紹介したいと思います。文章がちょっと硬いのですが、デンマークならではのユニークな教育の機関についてなども書いていますので、ご興味がありましたら読んで下さったら嬉しいです。
文章が長いので、2回に分けてアップします。
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