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玄奘西へ行く27

さて、半刻もすると鎮元大仙は弟子を引き連れ我が家に帰ってきた。 するとどうだろう?留守を任せた二人の童子はシクシク泣くばかり、後ろには凧糸でぐるぐるチャーシューの如く巻かれた大黒豚一匹。 ふむふむ、果たして三蔵法師は我施しを受けず庭を荒らした、この世界にだったの一本しか残らぬ人参果の木を潰して去って行った。残されたのはこの黒豚一匹…ふむふむこの恨みはらさでおくべきか? 「お前は確かに西へ向かう唐僧の一味であるか?」 そうだ! 「何故我屋敷でこのような無礼を働いたのか?」 無礼

    • 玄奘西へ行く26

      手塚治虫さんの三つ目が通るの主人公は普段は大人しいが第三の目に貼ってある絆創膏を剥がすと邪悪な精神が現れ超能力も使えるようになる。 孫悟空に当てはまるだろうか? 緊箍児は封印で普段の悟空は猿並みの知能でペット的な扱いなのだが、いざ妖怪と対峙した時は玄奘が念を唱え唵嘛呢叭咪吽の封印が解かれる。斉天大聖が復活して大暴れという構図。 悟空が悪さをした時、玄奘が経を唱え頭痛を起こすというのはコンプライアンス的に問題ある行為だし…まあでもそれも面白いんだよな。いやしかし、緊箍児の封印を

      • 玄奘西へ行く25

        一行西へ向かうこと数日。小高い山々の連なるを進む。万寿山と言う山の中腹あたりに五荘観と言う仙人の住処があった。 まだ昼過ぎであったが疲労甚だしいので玄奘は荘を訪ねてしばし休ませてもらおうと言った。 「ここは道の仙人、鎮元大仙の棲家だ。仏教徒を歓迎しまい。やめておこう師匠。」悟浄。 「でもとびきりいい匂いが漂ってくるなぁ…なんだろう赤子のスープかな?」鼻をヒクつかせ八戒は門に吸い込まれそうになった。 「道士たちは信用ならぬ、師匠先を急ごう。」 悟空は玄奘の手を取った。 いやいや

        • 玄奘西へ行く24

          「その金の輪が頭から外れぬ限りお前様に本当の自由はない!」 玄奘が死んでもいつかきっと誰かがお前をその輪の力で支配することになるのだ。緊箍児を外すには無事玄奘を天竺まで送り届けるしかない。 妖怪について我らの見識の浅さは謝る故どうか機嫌を直してくれ。と言うような内容の熱弁を悟浄がふるうが、悟空は聞かない。 兄者俺が悪かったよう!あの娘は確かに死体だった!己の欲深さからの過ちだ!八戒も詫びを入れる、が悟空は、 「さらば兄弟!」 すると突然空から空から五本の(何本でもいいけど…)

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          玄奘西へ行く27

          さて、半刻もすると鎮元大仙は弟子を引き連れ我が家に帰ってきた。 するとどうだろう?留守を任せた二人の童子はシクシク泣くばかり、後ろには凧糸でぐるぐるチャーシューの如く巻かれた大黒豚一匹。 ふむふむ、果たして三蔵法師は我施しを受けず庭を荒らした、この世界にだったの一本しか残らぬ人参果の木を潰して去って行った。残されたのはこの黒豚一匹…ふむふむこの恨みはらさでおくべきか? 「お前は確かに西へ向かう唐僧の一味であるか?」 そうだ! 「何故我屋敷でこのような無礼を働いたのか?」 無礼

          玄奘西へ行く27

          玄奘西へ行く26

          手塚治虫さんの三つ目が通るの主人公は普段は大人しいが第三の目に貼ってある絆創膏を剥がすと邪悪な精神が現れ超能力も使えるようになる。 孫悟空に当てはまるだろうか? 緊箍児は封印で普段の悟空は猿並みの知能でペット的な扱いなのだが、いざ妖怪と対峙した時は玄奘が念を唱え唵嘛呢叭咪吽の封印が解かれる。斉天大聖が復活して大暴れという構図。 悟空が悪さをした時、玄奘が経を唱え頭痛を起こすというのはコンプライアンス的に問題ある行為だし…まあでもそれも面白いんだよな。いやしかし、緊箍児の封印を

          玄奘西へ行く26

          玄奘西へ行く25

          一行西へ向かうこと数日。小高い山々の連なるを進む。万寿山と言う山の中腹あたりに五荘観と言う仙人の住処があった。 まだ昼過ぎであったが疲労甚だしいので玄奘は荘を訪ねてしばし休ませてもらおうと言った。 「ここは道の仙人、鎮元大仙の棲家だ。仏教徒を歓迎しまい。やめておこう師匠。」悟浄。 「でもとびきりいい匂いが漂ってくるなぁ…なんだろう赤子のスープかな?」鼻をヒクつかせ八戒は門に吸い込まれそうになった。 「道士たちは信用ならぬ、師匠先を急ごう。」 悟空は玄奘の手を取った。 いやいや

          玄奘西へ行く25

          玄奘西へ行く24

          「その金の輪が頭から外れぬ限りお前様に本当の自由はない!」 玄奘が死んでもいつかきっと誰かがお前をその輪の力で支配することになるのだ。緊箍児を外すには無事玄奘を天竺まで送り届けるしかない。 妖怪について我らの見識の浅さは謝る故どうか機嫌を直してくれ。と言うような内容の熱弁を悟浄がふるうが、悟空は聞かない。 兄者俺が悪かったよう!あの娘は確かに死体だった!己の欲深さからの過ちだ!八戒も詫びを入れる、が悟空は、 「さらば兄弟!」 すると突然空から空から五本の(何本でもいいけど…)

          玄奘西へ行く24

          玄奘西へ行く23

          「これを見ろ!」 悟空は娘の持っていた籠を指差した。 中には毒蛇と毒ガエルがウジャウジャ入っている。 「こんなもの食ってみろ!たちまち悶え死ぬ。」 ウッ!八戒はたじろいだ、さっきたらふく食ってしまったではないか! 気分がわりい…吐きそうだ…八戒の顔はたちまち青ざめ、そして毒蛇と毒ガエルを山のように吐き出した。中には噛みちぎられてても尚生き、毒を撒き散らすものもあった。 ウゲエウゲエ!八戒が悶え苦しむ。 「いや!この毒蛇と毒ガエルだけではあの娘が妖怪の証拠にはならないでしょう!

          玄奘西へ行く23

          玄奘西へ行く22

          今一緒に旅しているこの猿がかつて天界を混乱に貶めたあの暴れ猿とはにわかには信じられない。 悟浄の知る話では齐天大圣と言えば、獅駝嶺の三大王よりも凶悪な魔物で、人食いこそしなかったものの(彼は果物しか食わない。)窃盗、強盗、暴行脅迫、拉致監禁、恐喝、殺人、神殺し、オレオレ詐欺等ありとあらゆる悪行に積極的に加担してきたいわゆる今世魔王の様な救いようのない悪党なのであった。 それが今いるこの猿はどうだろう?心が穏やかとは言い難いが、特に問題のある行動を取ることもせず大人しく我らの旅

          玄奘西へ行く22

        記事

          玄奘西へ行く23

          「これを見ろ!」 悟空は娘の持っていた籠を指差した。 中には毒蛇と毒ガエルがウジャウジャ入っている。 「こんなもの食ってみろ!たちまち悶え死ぬ。」 ウッ!八戒はたじろいだ、さっきたらふく食ってしまったではないか! 気分がわりい…吐きそうだ…八戒の顔はたちまち青ざめ、そして毒蛇と毒ガエルを山のように吐き出した。中には噛みちぎられてても尚生き、毒を撒き散らすものもあった。 ウゲエウゲエ!八戒が悶え苦しむ。 「いや!この毒蛇と毒ガエルだけではあの娘が妖怪の証拠にはならないでしょう!

          玄奘西へ行く23

          玄奘西へ行く22

          今一緒に旅しているこの猿がかつて天界を混乱に貶めたあの暴れ猿とはにわかには信じられない。 悟浄の知る話では齐天大圣と言えば、獅駝嶺の三大王よりも凶悪な魔物で、人食いこそしなかったものの(彼は果物しか食わない。)窃盗、強盗、暴行脅迫、拉致監禁、恐喝、殺人、神殺し、オレオレ詐欺等ありとあらゆる悪行に積極的に加担してきたいわゆる今世魔王の様な救いようのない悪党なのであった。 それが今いるこの猿はどうだろう?心が穏やかとは言い難いが、特に問題のある行動を取ることもせず大人しく我らの旅

          玄奘西へ行く22

          玄奘西へ行く21

          般若心経のお陰で即喰われることを回避した玄奘はアジトの柱に括り付けられ、妖怪二匹は奥でまた喧嘩を始めた。 はよぼんさんを返して来い!仏の匂いがしてたら金剛力士にも居所がバレよる。はよ!はよ!全くずうたいだけデカくて頭の足りんやっちゃ! うるさい!こうなったら意地でも唐僧の肉をお前にも食わせてやる!そうすれば仏門からも縁を切られてちょうどよいわい! 唐僧の肉を食うと不老長寿のご利益があると言うのは道士たちのばら撒いたデマである。このため多くの唐僧が殺され食われてしまった。 ああ

          玄奘西へ行く21

          玄奘西へ行く20

          「連れていた子豚はどうした?」 悟空が悟能に尋ねると、 「嫁を皆食ってしまった詫びに村人にくれてやった。」 「あほか?それでは皆人間に食われてしまうぞ?」 「全ての命は譲り合いだ。人間が豚を食うのは道理。アーミートーファー。」 悟能はそう言うと豪快に笑った。 ひええ、呆れ果てた奴だ。自分の子を食用に人間に差し出すとは。こいつはどうあがいても成仏出来まい!やはり熊を舎弟にすべきだった。しかし、熊はポーサが連れ帰ってしまったし… 「お前には五戒で効かない。三つ足して八戒をこれより

          玄奘西へ行く20

          玄奘西へ行く19

          副住職が西へ向かったと聞いて悟空と悟浄は雲に乗り後を追った。多少手こずったが流石の筋斗雲である、袈裟を着込んだ黒熊を発見するのにそれほど時間はかからない。 「こら妖怪め!その袈裟を返せ!」 「嫌なこった!」 黒風怪は足を止めるどころかますます足取りを速めた。 二人は雲で先回りすると黒熊の前に立ちはだかった。 「孫行者!袈裟を取り返せ!」 心得た!すかさず如意棒で殴りかかる。一撃をかわした黒熊は旅の荷物をくくりつけていた槍を構えた。 ここからしばらく熊と猿の喧嘩。いろいろ。前に

          玄奘西へ行く19

          玄奘西へ行く18

          「だから余が言ったのだ!」 悟空は如意棒で屋根を打ち抜くと玄奘を抱き抱え如意棒で空高く登った。 悟浄も慌てて如意棒をよじ登る。 「あの住職、頭をかち割ってやろう。」 いやいや、いくらなんでもそれはいけません! まだ貸賃もらってな… 棒の上で一晩を明かした一行は次の日の朝燃え尽きた屋敷に降り立った。 袈裟と共にご満悦で過ごした住職のもとに若い僧侶たちが駆け込んだ。 「和尚様!」 「どうした?天竺御一行は成仏されたかえ?」 それが!! 住職が若い僧侶に抱えられ黒焦げの屋敷に向かう

          玄奘西へ行く18

          玄奘西へ行く17

          西遊記初期に登場する妖怪が色分けされているのだがこれを指摘している研究書は無い。 黒風怪 黄風怪 白骨夫人  青獅王 紅孩児 と見事に五行思想の水→黒、土→黄色、白→金、青→木、赤→火に対応している。因みに悟空→赤、八戒→黒、悟浄→青、馬→白、玄奘→黄で塗り分けられた西遊記は多い。 研究書によると、いろいろこじつけがされていてめんどくさいのだがこの五匹の妖怪について五行思想との関係が語られているのを知らない。 確かにそれぞれのエピソードで火水木金土と関係しているのは紅孩児の火

          玄奘西へ行く17

          玄奘西へ行く16

          豚小屋で母豚の腹を蹴破り誕生したなんとも奇なる妖怪猪八戒。その後どんな生き様だったのだろうか?成長物語の記録は無いので想像するしかない。 腹から飛び出した時から大人なのだろうか?腹から出たあと周りの豚を全て叩き殺したと言うから赤ん坊ではあるまい。少年の姿で生まれてきたのかもしれない。 赤ん坊で生まれ数分のうちに少年の姿に成長した。事にしよう。 村では大騒ぎになる。なにしろ体は少年だが顔は黒豚だ。気味が悪い。 妖怪だ殺せ!村人は鍬や鎌を手に八戒を追い詰める。 命からがら逃げ出す

          玄奘西へ行く16

          玄奘西へ行く15

          西遊記の問題点に主人公として悟空が活躍しすぎるという点がある。 歴代の講談師により語られているうちに人気のあるキャラの活躍が増えていくのは仕方のない事であろうがおかげで玄奘はすぐ弱音を吐き弟子を叱り妖怪に騙されると言うある意味トラブルメーカーの役に貶められているし、八戒は悟空にいじめられ、悟浄に至ってはもはやいる意味がないくらい何もしない。 これではせっかく奇抜なキャラクター等を集めているのにいかにも勿体無いので悟空の活躍を三人の弟子に分配してしまいたい。 まず道中トラブルを

          玄奘西へ行く15

          玄奘西へ行く14

          悟空が糞尿を浴びたのには理由がある。 五百年前、天界を荒らし天兵の追っ手がかかった時のことだ。金で雇っていた人間の子分たちも死ぬか逃げるかで皆消え失せ、悟空は一人世界中を逃げ回っていた。 彼は実を言うと戦闘が得意なわけではない。誰かに武術を習ったことはないし身体も虎や獅子の妖怪のように頼もしいわけでもなかった。それでも彼が地上天上を問わず好き放題暴れられたのは天性の動物的勘と竜宮より盗んできた如意金箍棒(これの威力は凄まじい、後述する。つもり…)、そして仙人の須菩提祖師より

          玄奘西へ行く14

          玄奘西へ行く13

          中国の歴史は北方騎馬民族と南方農耕漢民族の争いの歴史だ。と思う。ざっとかじった程度で後は適当に創作する事にしたのであんまり本気で読まないで欲しい。が、本当だったように書く。 簡単に言うと地球が寒冷期に入ると北方民族が南下してきてイザコザが起きるのだ。有名どころは元、最後の王朝清などが北方民族の作った国家である。唐も北方民族の支配との説がある。 よほど残虐な虐殺をしたか?その後の報復を恐れてか?罪悪感にかられたか?北方民族が主に不殺生哀れみ主義の仏教を中国大陸に広めたようである

          玄奘西へ行く13

          玄奘西へ行く12

          猪八戒は西遊記では元々は黒豚の妖怪で現代あるようなピンクのデブ豚ではない。経緯は、天蓬元帥と言う神が天女の催す桃園の会で泥酔してセクハラ、その罰で人間界に堕とされた。はずが、手違いで黒豚の胎内に入ってしまった。母豚の腹を裂き現世に現れた黒豚の妖怪は小屋にいた全ての仲間の黒豚を殺すとそのまま遁走した。その後は巷で人肉を食らう妖怪として恐れられるようになる。 あ、西遊記の最終的脅し文句は殆どが人食い、人肉、の類だ。日本では中々触れたくないジャンルの話題だが西遊記では悪食のレベルの

          玄奘西へ行く12