デジタル妖怪ラボ 第三話 長蛇の列
●3.長蛇の列
「合島君、どっちのレジが早いかな」
冴場は、レジの長蛇の列を眺めていた。
「どうでしょう。人のいる方もセルフの方も、同じぐらい混んでますけど」「合島君、並んでいてくれ、俺は車でセキュリティー・ソフトの営業先をピックアップしておく」
「所長、それはないでしょう。あたしが車で待ちますよ」
「あぁ、待てよ。まさかと思うが…」
冴場はレジの店員がカードを何回も抜き差ししている様子に視線が行っていた。
「もしかしてデジタル妖怪ですか」
「これほどまで決済に手間取るとは