「近頃の若者は」「年寄り世代は」云々カンヌンの言説の莫迦らしさ, ついでに世論調査の愚
前説 〜 本 note, 今後, 必要に応じてタイトルを変えたり, 中身を追加したりしていくかも
.. かもね。それと今現在のタイトルの冒頭で触れてる「近頃の若者は」言説については, 今日のところは具体的に触れない(要するに具体例を挙げてあーだこーだ言わない)。今日取り上げるのは後者の「年寄り世代は」的な言説の方。というか, この後の本章で例示しているように, 「年寄り世代は」どころか, 「40代(30代?)以上」に大風呂敷をかけて論難している例を最近たまたま見たので, それを取り上げる。
要するに同じこと。つまり, 「近頃の若者は」的言説は実は古代エジプトの時代からあった(実際にはそれ以前からあったかもしれないが)という有名な話があるように, 年配の者が若者世代を揶揄することはいつの時代にもあって大抵は大した深みのある話でなかったりするわけだが, だって一つの世代を十把一絡げに纏めて語るのは乱暴なんだよ, それに何処から何処までを特定世代にするのかね, 境目は何処にあるんだね, そもそもその境目って後年の時代の動きに合わせて頻繁に移動したりもしないかね, というようなわけで, それは中年世代を対象にしようが, 年寄り世代を対象にしようが, 同じことだ。
ある時代に社会の大きな動きを分析する時にはその時点である種の「世代」論を語ることに意味がある場合があるだろうが(ミレニアル世代がどーしたこーした, Z世代があーしたこーした, とかね), しかしここで言いたいのはそんな多少はややこしいような話ではなくて, もっと単純な話, つまり, 特定の世代(あるいは複数の特定の世代)を十把一絡げにして論難するような言説は莫迦莫迦しいでしょ, というある意味, 昔からずっと言われているような類の話なのだ。
さて, 2010年2月から, Twitter 上にアカウントを持っている。ただ, 当時は「人生のポケット」に嵌まり込んでいた時期。その「人生のポケット」期は長くて, 2001年の晩秋頃もしくは2002年初夏辺りから 2016年1月終わり頃までにかけてなんだけれど(2016年1月末か2月初め頃, 脱出した; 本 note 巻末「付録」), 2009年11月初旬以降が極めて酷かった「人生のポケット」後期で, 2010年2月はまさしく人生どん底真っ暗闇の最中だった。
というわけで, 自分の Twitter をまともに更新するようになったのは 2019年後半ぐらいから。で, 徐々に更新頻度が上がっていって, 近頃は(それなりの事情があって)2016年3月からやり始めた Facebook をあまり更新しなくなった一方で, Twitter 上では1日に相当数のツイートやリツイートをしている。
で, この間に Twitter 上でいろんな言説, あるいは「言論人」「文化人」などのアティチュードを見るようになって, 都度いろいろ言いたいことがあったりして, 正直, 面倒くさくもなってきている。
Twitter 上で色々と喋ったり, 時として会ったこともない人間の「言論」を直接批判しに(Twitter 上を移動して)行ったり, あるいは間接(つまり相手のリプライ欄のところでツイートするのではく自身のオリジナルのツイートの中だったり, あるいは引用ツイートをしたりして)批判したりする時があるのだが, 全部 Twitter 上でこれをやっていると, これはこれでキリがなく, そうだ, 俺は Facebook や Twitter, あるいは Instagram(近頃, しばらく更新していない)の他に, note 上でも不特定多数の人に対して(フォロワーも多くないしあんまり「多数」とも言えないけれど, 笑)何か喋ったりしているのだと思い出して, 今日は note の方に備忘録, 要するに「覚書」的なメモを残しておこうと思った。
「note 上でも」「思い出して」というのは, この note の方, note に関してはけっこう更新頻度が高い自分にしては, ここしばらく新規の投稿をしていなかったので。
「近頃の若者は」「年寄り世代は」云々カンヌンの言説, それってどうよ?
「近頃の若者は」的言説の例はここでは挙げない。ただ, 以下の例を通して言いたいことは同じようなことだ。その辺りのことは, 既に本 note 前説で書いたので本章では割愛。
1週間ほど前, 以下のような内容のツイートを見た。フォローしてないし, されてもいないアカウント(主つまりヌシは政治経済系の学者らしい, かつ年代的に比較的若い人であろうと思われる)によるツイートだが, そのツイートが目に入ったのは, 筆者(本 note の筆者)との間で相互フォローしている, 日本語を解する外国人がリツイートしていたから。要するに, たまたま見たというわけだ。
当該ツイートは自分の LINE の Keep Memo というやつに保存してあるので, 必要になれば, 誰が以下のツイートをしたのか明示するかもしれないが, 少なくとも当面はそれは控える。
というのは, その人物に関しては, 以下のツイートしか見たことがなく, 広く社会の様々な問題についてどんな考えを持っている人物なのか全く知らないし, 2020年春辺りからの日本におけるコロナ禍の下での日本政府の21世紀型「鎖国」政策に反対している, という意味においては筆者と同じ立場の人間であるようなので(以下のツイートをリツイートした人の立場や, 当該ツイート内容からそれ自体はほぼ明らか), 特に今その人物と, この程度のことで時間かけて論争などするつもりはないから(そもそもその必要もないかもしれないが)。
前置きが長くなったが, 件のツイートの中身は, 下掲の通り。以下の 1) を, 本人が更に引用ツイートしたのが 2), というかたち。
ただし, 厳密に言うと, 1) の方には実際には冒頭に rt の2文字が付いている。実は筆者, 普通にタップ(クリック)してリツイートするケースと rt を冒頭なり文末なりに付けているケースの異同(相違)をいまだ正確に理解していないのだが, ただ, 別の発言主(アカウント)を @ 付きで示しているわけではないので, これって直前辺りに本人がツイートした内容を自身で転載したという意味なのかなと解釈している。
まぁもしも 1) と 2) の発言主が別人物であるとしても, 筆者(本 note の筆者!)がここでしたいことは人物批判などではなく, こうした言説に対する批判なので, 基本的に本 note の趣旨に影響することではない。
1)
老人の排外主義と言うより広く、日本の排外主義的態度は広がっていると思う。40代(30代?)以上は、後の世代から恨まれることは覚悟しておいた方が良いとは思います。
2)
前にも書きましたが、岸田政権だけを責められないのは、この排外主義的政策は多くの日本人に支持されている政策であり、政府はそれに合わせただけ、と言う側面が強いからです。要は、「国民の好む政策を実行しただけ」です。
さて,
1) について。
「老人の排外主義と言うより広く、日本の排外主義的態度は広がっていると思う」, つまり, 日本において高齢層だけでなく, 「40代(30代?)以上」に「排外主義的態度は広がっている」と言いたいようだ。
しかし, こういう, 特定「世代」を十把一絡げにしてしまう言説は, そもそも論理的, あるいは合理的だろうか。
筆者はたまたま 1960年911生まれ, 既に60代に突入していて, だから言う訳ではないのだが, 当たり前の話, 60代の人間にも, あるいは 30代, 40代, 50代, あるいは 70代, 80代, 90代, あるいは 100代(!)の人々においても, それぞれの個々の人間の人生経験は千差万別であって, 世代ごとに一定程度以上の共通する時代背景をくぐってきた, つまり「同じ時代」を生きてきたという人生の「背景」を同じくする事情があるにしても, それだけで「あの世代は」どーしたこーした, というのはかなり乱暴な話である。
筆者として日頃の経験, あるいは書籍ほかのメディアを通してこれまでに得た理解, あるいは Twitter ほか SNS上で見てきたものも含めて言うと, 昨今の日本における「排外主義的態度」とか, もっと広く言って政治的に保守的な立場(「保守」が必ずしも「排外主義」に走る訳では全くない, 念の為!)といったものは, 何も高齢層, あるいは中年世代から上の年代の専売特許などではない。
全体の傾向としては 欧米諸国のうちの多くにおいて若年層のリベラル化が進んでいるように見える一方で, 逆に日本(や他にも例えば韓国, ただし背景はだいぶ異なるようだが)においては若年層の保守化が進んでいるように見える。日本における代表的な保守政党の一つであり, 長期にわたり政権与党であり続ける自民党への投票の率が, 若年層において比較的高いということも, 巷間言われる通りのようだ。また, ネトウヨなるものも, 中年や高齢層にも相当数いるのだろうが, 若年層においても「相当数」いるのは確かで, 兎にも角にも, 高齢層や中年世代以上の年代においてだけ(あるいは格別に)「排外主義的態度」が顕著, というようなことは当たらないのではないか。
ただ, それ以上に「それってどうよ?」と感じるのは, 「40代(30代?)以上は、後の世代から恨まれることは覚悟しておいた方が良いとは思います」という, 丁寧な言い回しながら, 中身はそこそこに挑発的な, ツイート後段の方だ。
「40代(30代?)」ぐらいはまだしも, それ「以上」の年齢的に上の方の世代, 要するに 60代あるいはもっと言えば 70代, 80代「以上」といった高齢層, 要は「老人」層は, 人生この先そう長くないのだ。まぁ30代, 40代だって当然ながら 20代, 10代などの若年層と比べれば平均的に人生「その先」短い年齢層になるわけだが, 「老人」層となれば勿論ますますそういうことになる。
そんな世代, そんな年齢層の人たちを十把一絡げにまとめて, 「後の世代から恨まれることは覚悟しておいた方が良いとは思います」などと挑発して, 何か意味があるだろうか?(笑)
そもそも, 筆者が属する 60代とかなら兎も角, 70代・80代以上となると, 本格的に「後の世代から恨まれる」かもしれない頃には, 既にこの世にいない人の方が多いんだよ。人は死んじまったらそれで終わり, 死んだ後に「恨まれること」があったって, それじゃ痛くも痒くもないだろうが。
では, まぁ, 1) の方はこのくらいにしておきます(笑)。
次は,
2) について。
「岸田政権だけを責められないのは、この排外主義的政策は多くの日本人に支持されている政策であり、政府はそれに合わせただけ、と言う側面が強い」「要は、『国民の好む政策を実行しただけ』」, この件(くだり)に関しては, 一面, 事実に見える ところではあるだろう。
しかし, 指摘しておきたいことを, 以下に箇条書きにしておくと,
1. 筆者(本 note の筆者)は, 「多くの日本人」がその政策の「排外主義」的側面, 中身を理解して当該の「排外主義的政策」を支持しているとは考えない。
筆者の見立てにおいては, とりわけ安倍政権以降, それ以前と比べて「日本の排外主義的態度は広がっている」のではないかとは思うが, それでも, 国民の(例えば)過半数が「排外主義的態度」を持つようになった, ということではないだろうと思う, 流石に。
世論調査などをすると日本人の比較多数が, 例えばコロナ禍における感染症対策としてすら合理性を欠いた長期にわたる外国人入国禁止措置すなわち「排外主義的政策」を支持してきたかに見える のは, 必ずしも日本人の比較多数が「排外主義的態度」をとったり, 「排外主義的」思考を持つようになったからではないと思う。
というか, そんな証拠は何処にもない。
念の為ことわっておくと, 日本の国民一般, あるいは全般に, 上述の日本政府による外国人入国禁止措置が長く続いてしまったことに関しての責任はない, などと言っているのではない。もちろん, 国民にも責任はある。個々の立場(例えば上記の問題をよく知る立場にある大学教員であったりジャーナリストであったりするのか, それともそうした立場から離れたところにいる国民なのか等)によって違いはあるが, 国民全般に責任などなく, あくまで責任は政治(やメディア等)に求められるものだ, などと言っているのではない。
ただ, 当然ながら, 日本人の一部についてなら, その「排外主義的態度」を指摘することができるが, 比較多数が 一見「排外主義的政策」を支持してきたかに見える のは, 要は, その多くが実が当該の政策が「排外主義的」なものであることを理解していなかったから, ということに起因すると言ってよいだろうと思う。
このことに関しては, 上述のコロナ禍における日本政府による「外国人入国禁止措置」の問題(ここであらためてやや具体的に書いておくと, つまり, 日本政府の「排外主義的」な国境政策のせいで半年, 1年, 長い人で 2年もの長きにわたって人生の時間やキャリアの歩みなどを止められてきた留学生, 日本の会社に就職が決まりながら日本への入国ができない人, 日本人や日本に居住する外国人の家族, あるいは日本にいる恋人に長期にわたり会えない人, などの深刻な苦境)を, 今からほんの2, 3ヶ月程度前までは極々たまにしか(昨年11月ぐらいまでは殆ど報道して来なかった, と言えるくらいな程に)報じて来なかった, 日本の主流メディアに大きな責任がある。
主流メディアというのは朝日, 読売, 毎日といった大手紙や NHK, TBS, テレ朝などの大手テレビ局の報道部門を指す。
因みに NHK については, 昨秋以前においてもたまに NHK WORLD といった海外向けメディアがこの問題を取り上げることはあったが, それもいいのだが, この問題はむしろ「ニュースウオッチ9」や「NHKニュース7」などを通して, 広く日本の一般国民に知らしめなければならなかった, それを怠ったことに, 大きな問題があることは論を待たないだろう。
それと, メディアだけでなく, もちろん, 政治の側には大きな責任がある。
「岸田政権だけを責められないのは」, それはそれで当然ながらそうなのだが, 安倍政権・菅政権・岸田政権が件の政策の対外的な影響やその深刻さについて, 日本国民に周知することを怠ったことの責任は極めて大きい。
政府は本来なら, 日本国民の中の「新型コロナウイルス」感染拡大に対して非科学的に恐怖心を持つ人たちや, そのほか確実に存在する一部の「排外主義的態度」をとる国民を説得して, 他の多くの先進諸国が(コロナ禍の前半期における感染急拡大の一時期を除いて)採ってきたような留学生やビジネス関係等々の外国人の受入・入国は国の存立において必須の事柄であると見做すことを前提とする, 言わば「排外主義的」ではない政策を採用すべきだった。
その点, 政府与党はもちろん, 野党も含めて, 日本の政治は科学に基づいた合理的な感染症対策を度外視して, よく理解できていない多くの一般国民のコロナウイルス感染拡大への恐怖心等に靡く, つまりは, ポピュリズム的に歩調を合わせる といった愚を犯してきたのだと思う。
さて, 最後,
「この排外主義的政策は多くの日本人に支持されている政策」であった, と本当に言えるのかどうか, ということ。
このテの分析は結局, 「世論調査」なるものに依拠していることが多いと思われるので, 次章でそれについて取り上げる。
「世論調査」なるものの愚
何故ここで「世論調査」の愚を取り上げるのかについては, 前章に書いた通り。
世論調査というのは大抵テレビや新聞などのメディア, あるいは民間の調査機関が行なうわけだが, 殆どのケースは(いまだ)各世帯の固定電話にコンタクトして, 応じてくれた人に質問に答えてもらったり, そうでなければ一応は携帯電話・スマホ等に電話したり(時にはメールなども?)して同様に回答を集めて結果を導き出すもののようである。
これがそもそも, 実際に応じているのは高齢層が多く, (比較的「保守的」と思われる, もしくは前章で取り上げた事柄に関わって言えばコロナウイルス感染拡大などに関してより恐怖心が強いと思われる)高齢層の思考・志向がより反映される傾向があることが指摘されているのだが, しかしそれ以前に, この「世論調査」なるものによって結果として導き出される「政権支持率」や特定の政策に対する「支持率」といったものに関しては, その比率の数字自体はかなりの眉唾もの, 相当に疑ってかかった方がいい, 実際の全体の傾向, その実態からは相当にかけ離れたものになるであろうことが推測されるのである。
以下は, 筆者のツイート。スレッドで, 以下に関しては 5つのツイートを続けたもの。相互フォローしている人に外国の人が多く, 英語の方がより具体的に書いたように思うので(大した違いでもないかもしれないが)英語版を先に, その下に日本語版の方を載せる。
日本語版。スレッドで, 3つのツイートを続けたもの。
さて,
本 note 「前説」のところで経緯を含めて書いたように, 本 note はいずれ, 必要に応じてタイトルを変えたり, 中身を追加したりしていくかもしれないが, 今日のところはあと三章分を加えて終わり, とする。
「駄目なことの一切を 時代のせいにはするな」
.. という一節が含まれる, 詩人・茨木のり子 が 1977年に書いた詩。
自分の感受性くらい 茨木のり子
ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを 近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を 時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい 自分で守れ
ばかものよ
次は, 付録。
「前説」で触れた, 「人生のポケット」
1. 人生のポケットから出る方法はどこかにある
2. 澄み切った青空を見て 悲しくなる時もある, 「人生 舐めんなよ」
本 note の最後は, 歌です。
Hear My Train A Comin' 〜 Jimi Hendrix ♫
歌に入る前に, meme を 2つ。
Hear My Train A Comin' 〜 Jimi Hendrix (Nov 27, 1942 ~ Sep 18, 1970) ♫
Well I hear my train coming
Hear my train coming
Well, I wait around the train station
Waiting for that train
Take me, take me, take me away
From this lonesome town
Lonesome town
Too bad you don't love me any more, girl
Too bad your people put me down
Hey, hey, hey
Tears burning me
Tears burning me in my eyes
Way down, way down in my soul
Tears burning me way down in my heart
Too bad you don't love me no more, girl
Too bad you and me have to part
Have to part
Well I hear my train coming
Hear my train coming
Hear my train coming
Hear my train coming
Well I hear my train coming
Hear my train coming