働くことを振り返る その⑦ 休むことを疎かにすると良い結果は生まれない
医療系企業を退職してから
医療系企業では、人間関係にかなり疲弊していました。しかし社労士試験の勉強がうまくいっていた事、試験に合格したことが、そのメンタルを相殺し、自分の不調を中和してしまっていました。何年か前から、この企業での先行きには限界を感じていたので、試験に合格したら退職しようと考えていたこともあります。退職届を出した頃は、もう組織の中にいると、どうしてもやる気のない人達や、リテラシーの低い人たちを相手にしながら働かなければならないので、違う働き方をしようと考えていました。それは社労士としての独立です。
独立を目指す中でみたもの
通信で勉強していたので、その学校の合格者の集まりみたいなものにまず参加しました。そこには合格した先輩が何人かいて、話を聞くことができましたが、自分の心には少しも響きませんでした。どの人からも良い話をきくことはできず、お客さんもいない、1年は食えなくてもいいと思っていると、ほぼ何もしていない人など…。まず最初に見た世界がそれだと、後々にも尾を引くものです。そこから方向性に疑問を持つようになると同時に、自身を失っていきます。当時は家族にも賛成されていたわけではなく、環境的にも孤立し、頑張ってみようという気にはどうしてもなれませんでした。
焦って転職活動
そうこうしているうちに時間だけが流れていき、この先どうしていこうか悩むことになります。心が疲れている中に、更に先の見えないトンネルにいるようで、適切は判断はできていませんでした。目先の収入を考え、すぐに転職活動を開始します。組織の中で働くことに疲れていたのに、また戻るのか…と更に心はダメージを受けていたのだと思います。おそらくここで、休むという選択をしていれば、また何かに頑張ってみようと思う気持ちになっていたかもしれません。転職活動はそれからでも全然遅くはなかったように思います。しかし、世間体やブランクが空くことに恐れを感じていて、すぐに次を決めなければという思いになっていました。
一度立ち止まれという合図
意外にも転職先はすぐに決まりました。10年務めて、資格があることが功を奏したのか、2社内定を頂くことができました。いつかは独立…という思いが消えずにそれを支援してくれるという税理士法人にお世話になることを決めます。しかし、年明けいざ入社の頃になると、違和感を感じてくるようになるのです。結論から言うと、税理士法人は税務業務しか受託することができませんが、顧客先である企業の社長さんなんかは、税務だろうが労務だろうが、税理士さんにお願いする実態があります。断ることもできないので、税務意外の事については、書類だけ書いてあげて、社長さんに印鑑押して提出してください、みたいなグレーなことが行われたりしています。税理士法人から考えれば、労務に関してもきちんと受託ができれば儲けがあがるのに、それをするためには、社労士でなければできません。そこで社労士が必要という話なのだと思います。また法人内に社労士がいるだけでは駄目です。社労士法人(事務所)として、受託しなければなりません。ということはいわゆる○○グループみたいな組織を想定していて、その中に既存の税理士法人と、私が社労士法人を立ち上げるということになるのです。裁量もなにもかも税理士法人側に握られて、立場的にはサラリーマンと変わらない。ちょっと話が違うと感じ、お断りしました。これは一旦立ち止まれという合図だったでしょう。しかし、そんなことにも気づかず、再度転職活動を再開したのです。
再開した転職活動で内定、入社するも
その後1ヶ月程度で、次の内定を頂くことができ、そちらに入社することにしました。勤務時間が7時間で、残業もほぼなく、落ち着いた環境であることで、まぁいいかと決めたのです。もうこの時期になると、いち早く先々を安定させたいとの思いでした。しかし、入社してみると、社長ワンマンの企業でした。上司もトップの顔色を伺ってばかり。私が入社した翌日に休みを取るなんていう協調性のないことをしたり、こういうことをして欲しい、とか入社すればコミュニケーションを取ることで、お互いの思いや、会社の方向性も把握できますが、そんなことも全くなし。マネジメント能力のない人だったんですね。こうなってくると、自分で動くしかないなと思い、自分で動いていくのでした。しかし、組織運営がうまくいっていなかったのか、その上司にはいつも不満、問題が提起されていました。そして数カ月後、突如、上司の部下に当たる人(自分の上司になる人)が入ってきました。この上司が横暴な人で部内はどんどんと悪化していったのです。
初めて心療内科に行く
この頃から仕事に集中できず、焦りや不安でコントロールできない事が多くなってきたので、知人のアドバイスで職場近くの心療内科に初めて行きました。と言っても話を聞いてくれる先生ではなく、薬を出して終わりでした。その後別の診療内科に移った時言われた事は、結構強い薬を出していると。薬の影響で眠かったり、頭痛がひどかったりすることもありましたが、「副作用はないよ」なんて断言する先生で、言いたいことも言えず、更に追い込まれていくのでした。
休職し転職活動をする
職場環境も悪くなる一方で、管理職層がなにも対処せず、別の形が適応障害で休職し、3ヶ月後辞めていきました。そしてとうとう自分自身も仕事を休みたいと思うようになり、心療内科で診断書をもらい、3ヶ月休職するのでした。そして、もうあの環境には戻りたくないと思い、転職を決めます。3ヶ月というリミットのある状況で、よく次が決まったなと思いますが、ここでも休職期間中は、転職の事しか考えていなくて、休むことはほとんどしていません。
休むことを疎かにして、焦っても良い結果は生まれない
自分の場合、まず第一に医療系企業を退職するのではなく、休職するという選択をしていれば、ここまで悪くなることはなかったように思います。職場環境は和気あいあいとしていたので、しばらく休んで復帰すれば気を使ってくれたり、無理難題を押し付けるような雰囲気ではありませんでした。しかし、冷静な判断ができず、退職を選んだことが良くなかったかもしれません。そして、その後すぐ転職活動をしたこと。世間体を気にして休むことをここでもせず、焦って転職を考え一度話が食い違い辞退。更にここでも休むことをせず、更に焦って次を決めました。そして良いとは言えない環境に身を置くことになりました。世間体やブランクは確かにありますが、それ以上にきちんと休んで、判断能力や冷静になれる視点を取り戻さないと、良い方向へは導かれません。だから、自分の精神状態には常に目を向け、休む時は恐れず休む。そうすることで、良い方向に向かうことができると思います。ちゃんと自分のことを理解してくれる環境と出会わなければ、本末転倒です。焦っている状態では、無理して何でもできると言ってみたり、自分の状態を過大に伝えたり、ミスマッチが生じやすくなります。世の中がどう言おうと、休む時はきちんと休みましょう。
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