免許返納
高齢者の免許返納についてのニュースをたびたび目にします。
返納率も都道府県によってまちまち。
東京の返納率が高いのは当たり前だよなぁ~田舎は車がないと買い物も大変だもん~と思ってしまいます。
うちの義父も80歳過ぎてもまだ運転をしていました。
義母が免許を持っていなかったため、病弱だけど運転ができる義父は、買い物好きの義母にとっても必要だったのでしょう。
耳が遠くなってきたにも関わらず、補聴器をつけることを拒否していた義父。
この頃、まだ同居をしていなかったため、義両親の日常を把握できていませんでした。
何十年も運転してきた義父からしてみれば、少しぐらい耳が遠くても運転には自信もあったのでしょう。
そんなある日、義父が接触事故の被害に。
加害者ではなく被害者の立場だったものの、いつ逆の立場になってもおかしくない年齢です。
これを機会に家族は免許返納を提案。
当然、義父は拒否。自分が事故を起こしたわけではないし、まだまだ大丈夫の一点張り。
義母は免許なしで、息子は単身赴任中。嫁の運転は信用できない。
自分が運転しなくて誰がする!との思いもあったのでしょうね。
自分たちが出かけたい時にわざわざ嫁を呼び出すというのにも遠慮があったのかもしれません。
県内に住む義姉にも説得してもらいましたが、大丈夫だからと頑なに拒否。
実の家族の言うことは聞かなくても嫁の言うことなら聞くかも~と義姉からも説得を頼まれたのであります。
今までの流れからして、言えば言うほど頑固になっている様子です。
先ずは、嫁の運転で、いつでも行きたいところに行けるという安心感を持ってもらうことが大切かなと考えました。
そこで、
息子が幼稚園に行っている間、義父に助手席に座ってもらい運転の練習を始めることにしました。
道を教えてもらったり、運転の指導をお願いしたりと、毎日のように助手席に乗ってもらいました。
義父の暇だった時間が、嫁の運転指導の時間に変わったのです。
人間、頼られれば嬉しいものです。
嫁の車の助手席に座ることが、義父の日課になっていきました。
几帳面な義父です。練習コースまで考え始め、毎日楽しそうでした。
その流れでいつしかスーパーまで行くように。
数か月後には、義母も後ろに乗せて買い物や老人会の集まりにも。
母さんの自由時間は、全て捧げたといっても過言ではありません。
そうやって嫁の送迎が当たり前になってきた頃、義父の車の『車検のお知らせ』が。
もともとお金に関しては、細かすぎるぐらい細かい義父。
ここがチャンスと判断した嫁。
市から無料のタクシー券も届いたばかり。
義父のプライドを傷つけないよう言葉を選び、返納を促してみました。
車も古くなっており、車検の見積もりも思っていた以上に高くなりそうだったことも決め手になったようです。
病弱な義父の唯一の誇りだったであろう自動車免許。
それを取り上げてしまうことに少し罪悪感も。
もちろん安心安全が一番です。
事故を起こしてからでは遅いですからね。
高齢者の運転が危険なのはみんなわかっています。
うちの辺りは、バスは一時間に一本。昼間の時間帯は走っていません。
これでは、なかなか車が手放せないと思います。
高齢者が、好きな時に移動しやすい方法も考えていく必要がありそうですよね。
そして、免許を返納したくない理由もそれぞれあるはずです。
一方的に返納を迫るのではなく、その不安を取り除く方法もみんなで一緒に考えていけたらいいですよね。
よよさんの記事からあの頃を懐かしく思い出した母さんなのでした。