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人前での涙腺崩壊に注意「クララとお日さま」

<文学(24歩目)>
美しい文学作品(SF作品でもある)から、技術の進化と人間を考える。涙腺崩壊に注意です。

クララとお日さま
カズオ・イシグロ (著), 土屋 政雄 (翻訳)
早川書房

「24歩目」は文学、且つSF作品で未来を考える作品、心が疲れているのか?私は涙腺崩壊しました。人前で読まなくてよかったと感じた作品です。(笑)

作者のカズオ・イシグロさんはノーベル文学賞受賞者であり、その作品の精度は素晴らしい。

またイシグロさんの「美しい」作品が読める!と思って、手に取ったら、涙ボロボロ(涙腺崩壊)でした。

透き通った文体の彼方に、見つかるものは、私には「人間の原罪」でした。
歳をとることにより、スレた大人になる中で、心のどこかで埃をかぶっていたピュアな宝物。人生で溜まった埃が吹き飛びました。

色々な読み方があるし、捉え方があると思う。読者が歩んできた人生の1シーンがあぶりだされてくるすごい作品でした。娘たちとも話したのですが、それぞれの人生経験の中であぶりだされるものは異なると思いますが、心のどこかに積み重なったものが見つかるかもしれません。

読後に感じたことは、「進化」は完璧な方向を目指すも(AI開発も、科学もビジネスも!)、人間らしい最後のラスト1マイルは「忘却」(つまり、捨てること)の研究ではないか?とも感じました。

テクノロジーの世界で言うと、ストレージはどんどん巨大化して、蓄積できる情報量は飛躍的に増加した。既に、ポンコツな私の脳よりも記憶能力はコンピュータの方が上です。でも、「忘れる」というのも人間の「優れた(!?)特性」だとも感じた。

美しく「忘れる」ロジック(「忘れる」ロジックの仕様書を書くことは難易度高い!)を発見したら、ノーベル文学賞を超えますね。新たな課題です。

この作品は、私の駄文に惑わされずに読んでいただきたい。間違いなく心の中にたまって埃をかぶった「愛(love)」が浮かび上がってきます。おススメです。

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