究極の“透明性”って大変です「透明都市」
<SF(160歩目)>
SNS等々で問題になる個人情報保護の問題。隠すものではなく、まさに「透明」に見せるものになったら。
透明都市
リリア・アセンヌ (著), 齋藤 可津子 (翻訳)
早川書房
「160歩目」は、フランスのリリア・アセンヌさんの意欲的な作品。
テーマは、「隠すもの」を皆が「公開するもの」にしたフランスの「新革命」の世界。
ただ、大きなテーマに隠れているものは、人間の本質だと思う。
誰もが「犯罪の被害者」になりたくない。その予防の一環での大きな「革命」の中に、古来から解決されていない「被害者による私刑」や、「子どもをめぐる犯罪」「子どものいじめ」の問題と「司法を素人の集合知にする」問題が入っている。
どれも、大きなテーマになる問題だが、これを「隠すもの」を皆が「公開するもの」にする(透明性)で解決しようとすると何が起きるのか?の提示です。
目の付け所は、オモシロい。
考えさせられるところあり。
でも、登場人物の恋愛模様はあまりいらないかもしれない。
シンプルに提示した「透明性」に特化した方が、よりSFファンやエンターテインメントファンを掴める気がしました。
でも、アセンヌさんは若い。
まだまだ、新しい斬新な切り口で作品を提示してくれると思います。
期待する若手作家です。
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