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異色の古典SF「最後にして最初の人類」

<SF(150歩目)>
「古典」であるが、古びないのは「人類」の問題点を究極の丁寧さで描いているからだと思う。

最後にして最初の人類
オラフ ステープルドン (著), Olaf Stapledon (原名), 浜口 稔 (翻訳)
国書刊行会

「150歩目」はオラフ・ステープルドンさんの代表作です。そしてその後沢山影響を与えた良質の古典SFです。

1930年に書かれた作品であり、その意味で紛れもなく「古典SF」です。

しかし、読むと古さを感じない。
そして2024年の目線から見ても20億年後は、1930年の目線で見てもほぼ変わらない「未来」であることをすごく感じた。

最後の人類だと名乗る何らかの生命体が、20億年後の未来から私たちに語りかける、その滅亡について。ちょっと聞いても困ることばかり。

1930年の当時のヨーロッパ情勢の混迷の延長線上にアメリカと中国の興隆あり。

しかし、それも幸福な時代ではなく、最終的には海王星に移住し“第18期人類”まで進化を遂げる。しかし、進化を遂げるも滅亡を迎える人類の道のりを1930年の人類に語る。

執筆時に、第二次世界大戦という戦争の色が濃くなる中での作品なので、戦争の不穏な影が描かれているが、ヨーロッパの次に興隆したアメリカと中国も、同じ様に「学習効果なく」崩壊に向かうのが「時代」だと感じました。

それにしても、1930年にこんな作品が描かれていたとは。
ちょっと驚きました。

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