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enjiro
透徹したファーストコンタクトのハードSF「太陽の簒奪者」
<SF(236歩目)>
何時もの野尻抱介さんの大きな風呂敷を見事にたたまれる作品で、一気読みです。
太陽の簒奪者
野尻 抱介 (著)
早川書房
「236歩目」は野尻抱介さんの20年前のSF作品。でも、今読んでも胸熱でした。
「ファーストコンタクトもの」では古びていないし、読みだすと止まらなくなる。
「幼年期の終わり」とか「プロジェクト・ヘイル・メアリー」「星を継ぐもの」「三体」が大好きなので、あ~いい時間を楽しませてもらったと心から思える作品でした。
太陽を奪われた人類が、太陽を奪い返すための過程がとても面白かった。
どうしても異星人については、ドキドキするも、ちょっと拍子抜け。
でも、ハードSF(とても硬派)として今もしっかり読ませてくれる。
SFで一気通貫していて、無用な脱線がないのが完成品として優れている。
徹底的に透徹した文体で、そして短いが濃密で読んでよかったです。
そして野尻さんの作品に共通の圧倒的な虚無感が心地いい。
あ~、いいSFが読めて快感です。こんな作品が多いと「いいね!」
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