見出し画像

SFテイストの短篇集「台湾文学コレクション1 近未来短篇集」

<文学(181歩目)>
このシリーズはかなりイケます。「バーチャルアイドル二階堂雅紀詐欺事件」伊格言(エゴヤン)がとても面白い切り口です。

台湾文学コレクション1 近未来短篇集
賀 景濱 (著), 湖 南蟲 (著), 黃 麗群 (著), 姜 天陸 (著), 林 新惠 (著)
早川書房

「181歩目」は、通勤時に読むのに最適な短篇集。好きな作家の作品に魅かれたのですが、また新たな出会いもありました。

「去年アルバーで」賀景濱(ホー ジンビン)
アメリカのVR系のSF作品、そして宮内悠介さんに似たテイストです。
かなり性的な表現が多いけど、左脳と右脳を比較した分類表が面白い。

「USBメモリの恋人」湖南蟲(フーナンチョン)
一番、身につまされて面白かった。愛する人の声を盗むなんて。。。
愛しすぎて、壊れてしまう男女関係と落ちが面白い。

「小雅」姜天陸(ジアン ティエンルー)
ちょっと現代社会とSFの仕掛けのバランスがいい。
介護アンドロイドの設定は、予測できた。
介護の対象の母親の変貌と、アンドロイドの活用の仕方が面白い。

「バーチャルアイドル二階堂雅紀詐欺事件」伊格言(エゴヤン)
伊格言(エゴヤン)さんは、「グランド・ゼロ 台湾第四原発事故」で読んでいて、期待して読んだ。
やはり、感覚が似ているのか?安心して没入できた。

「グランド・ゼロ 台湾第四原発事故」と全く異なり、詐欺の話ですが、こちらも切り出し方がとても面白い。それにしても、一橋大学のこと等々、日本についてよく調べていられる。
葉月春奈さんの話は、日本で実際に起きていそうなリアルさがあった。
カルトや詐欺は、自分には関係ないことと思いそうだが、葉月春奈さんと同様に誰でも取り込まれる可能性あり。この本の中では、一番最後ですが、一番面白いと感じました。

結果として、この台湾文学コレクションは3冊ともに読んだのですが、質がとても高く、読んでよかったです。

#読書感想文 #わたしの本棚 #台湾文学コレクション1 #近未来短篇集 #賀景濱 #ホージンビン #去年アルバーで #湖南蟲 #フーナンチョン #USBメモリの恋人 #黃麗群 #ホワンリーチュン #雲を運ぶ #姜天陸 #ジアンティエンルー #小雅 #林新惠 #リンシンフイ #ホテル・カリフォルニア #蕭熠 #シァオイー #2042 #許順鏜 #シューシュンタン #逆関数 #伊格言 #エゴヤン #バーチャルアイドル二階堂雅紀詐欺事件 #台湾 #SF #文芸 #小説

いいなと思ったら応援しよう!