義肢へ移行したら「ハイブリッド・ヒューマンたち――人と機械の接合の前線から」
<文学(163歩目)>
アフガニスタン紛争地に従軍して両脚を失ったハリー・パーカーさんが、身体と義肢との融合時に感じること、伝えてくれます。
ハイブリッド・ヒューマンたち――人と機械の接合の前線から
ハリー・パーカー(原著), 川野太郎 (翻訳)
みすず書房
「163歩目」は、今までありそうでなかったカテゴリーの本で、義肢の歴史から、最新テクノロジーまで。
ご自身の経験と、深い研究から明かされた作品で、初めて理解できたことが多い。
また、みすず書房さんなので興味を引くためのものではなく、社会で考えて対応しないといけないことを知ることができる良書です。
ハリー・パーカーさんは、心が折れる経験の中から、ニュートラルに義肢を観察して研究された。
色々と多読していますが、このような本は初めてです。
この中で、驚いたことがイギリス国民の1/5が、何らかなことで各種のギアを利用しているとのこと。
おそらく、パーカーさんが指摘されているように、全人類ベースで考えると10~20億人が待ち望んでいる分野だと思いました。
しかし、良質な義肢を活用できる環境にいるのは、先進国のわずかな人たちであり、良質な義肢が利用できない人々がとても多くいることでした。
この作品は、新しい潮流のさきがけになればいいと感じた。
書いてあることが「古い」と感じられるように、多くの国々で取り組み、そして共有してほしい。
「脚を失って知った、義足の賢さと面倒くささ」とあるが、この章だけでも中学生・高校生が学んだ方が社会が変わると感じました。
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