「セヘル」だけでも心を突きます「セヘルが見なかった夜明け」
<文学(171歩目)>
知らなかったクルド系政治家の作品。中東の伝統的な価値観にかかわるところで、かなり心を突かれます。
セヘルが見なかった夜明け
セラハッティン・デミルタシュ (著), 鈴木麻矢 (翻訳)
早川書房
「171歩目」は、トルコから。セラハッティン・デミルタシュさんの心を突く作品。伝統的な価値観については、文化が異なるので意見はない。
しかし、この不条理は心をえぐる。こんなことがあっていいのか?と強く感じました。
巻頭にあった「惨殺やレイプされた暴行の犠牲になったすべての女性たちに捧ぐ」が深く刺さった。
「セヘル」
一番ショックを受けた。
それも、近年に経験したことがないショックでした。
文化はそれぞれですが、「名誉殺人」で被害者がペナルティを受けることは賛同できない。
「掃除婦ナっち」
「セヘル」とは別の意味でやはりショックを受けた。
貧困の再生産のチェーンがつながっている。冤罪で置かれた立場が理解できて、先に進む。
こんなことが多くあってはならない。
「にんぎょひめ」
シリア難民問題について、いろいろな本を読んできたが、短篇でも、一番刺さる作品でした。
想定以上で、短篇集ですが、どれも心を突きます。
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