回想/Haut a courroies
中学3年、15歳の秋、短い人生の中ではそれなりに大きな挫折になり得る経験をして、その日からまっすぐ歩けなくなった。それは文字通りの意味で、両手は教科書類を抱えるのでやっと、足元はおぼつかず、移動教室のたびに、やたら広い廊下をふらふら歩く。
そのときはまだ、傷付いた人間とは大抵皆このようになるものなのだろうと、体の不自由も受け入れていたが、そのうちにいよいよ登下校ができなくなった。
とにかく頭が割れそうに痛い。常に痛い。頭痛薬が全く効かない。起き上がれない。行ける日だけ、母の車