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Love Letter
岩井俊二監督の、LoveLetterを観た。
昔みたことがあるのだけれど、記憶が薄れていたのでまた、美しくも鮮明なものを観ることができた。
雪と中山美穂の、こんなものがあっていいのかと思うほどの美しさ。特に、山に向かって叫ぶ手前の、雪山に駆け寄る場面で一度転び、振り返って笑みをこぼすシーンはこれを永遠にしたいと思うほどであった。
回想の中で、図書室のカーテンが揺れて樹くんが消えたり現れたりする場面よりよほど幻想的であった。
叫ぶ内容も、いろんな場面とリンクしていて、すごく心に迫る、総じていいシーンだった。
雪は、静かで恐ろしいイメージがあったのだけれど、それまではそういうものとして表されていたのだけれど、それが一新され、これ以上ないほどあかるく描かれていて、ことさら印象的だった。
きっと、振り切るための大事な時間だったのだろう。
亡くなった人の意志などはわからないけれど、生きている人は生きているということの眩さを噛み締めるべきだと感じた。
それが、雪の明るさだと思った。
そして、花瓶を割る場面。
泣いてしまった。そうだろう、と思って。
何度みたってわたしはあそこで涙を流すだろう。
初恋は花ではない。雪でもない。
光なんだろう。
掴めなくて、追いかけてしまって、気づけもしない。
そして、跡形もなく消える。
いつか大事な人と観てみたいと思う映画でした。
25.0212