詩「赤い風船」
枯葉がヒラヒラと舞い散る公園で
或る親子が仲良さそうに歩いていた
子供の手には赤い風船
細い糸だけで繋がれている
(私達の生きている姿に似ている。)
一瞬
手を離した隙に
風船は高い空に吸い込まれていった
辺りに子供の泣く声が響いた
同時に鳥が一斉に羽ばたいた
どうにかしてあげたい時ほど
どうにもしてあげられない事が
この世界には多すぎる
私は
あの日から
手に入らない物ばかりに
手を伸ばし続けている気がする
あの空の青に溶けた赤い風船と
子供の泣き声が
この胸に焼き付いて離れないのだ
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