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詩「長い一日」



特別な日の朝は
いつもと同じ顔をしてやってくる

空から降りてきた細い糸を辿って力を込める
小さい心臓が波打つ
紺色のカーデガンを羽織る
深呼吸が白い溜め息に変わる
両足に力を込める
倒れないように
倒されないように

陽の光は見ても美しいものだけれど
差している場所は触ると温かい
心の一番下が冷え切っていなければ
それで良い
(結果なんて事実の一欠片にしか過ぎない。)
人間は見えないものを
見ようとすることができる
想像力を爆発させ
何も無い場所からも輝きを見出せる

玄関で靴を履いて一日の扉を開ける
長い一日のはじまり…

私の気持ち次第で
光の見え方も変わる
靴底の下に
次の季節が待機しているのを感じながら
一歩
また一歩と
前へ

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