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詩「視線」


板一枚で造られた街の
渇いた視線が絡み付く
その刹那
弱い細胞が切り付けられ
夕陽の赤い血が滲む

少し凹んだ肉の塊
中央にある丸い魂は
小刻みに震えた
この地球ほしに尊厳なんてありゃしない
(一瞥で決めつけられるのは堪らない。)

黒い髪の中央で
一本の白い髪の毛が
バツが悪そうに揺れた事に気が付いた

(繊細な魂は
一瞬で
飲み込まれる
食べられる。)

背中に視線が突き刺さる
昼間出た
白い月も
私を監視していた


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