詩「魔性」
貴方は
そこに居なくとも
確かなる河は流れているのだ
いつも
生気に満ち溢れていて
渇くはずもない
眼鏡の奥に隠している秘密を
夜の奥深くで
私だけに そっと見せて
溜め息ですら
神聖な呼吸に変わる
貴方という存在が
私の細胞の一つ一つに刻まれていく
あらゆる事象を忘れてしまっても
瞳の奥の純黒を忘れはしない
-昼間の私は 作りもの。-
夜に引き摺られ
黒を一層愛し
ますます闇は深くなる
月明かり 光るレンズ越し
貴方の瞳に射抜かれる甘い悦び
上流から流れ行く水の様に
何度でも…
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