詩「あなたの向こう側」
私は あなたを見つめるけれど
あなたは いつも別の誰かを想っている
私を見ているようで 全く見ていない
丸みを帯びた優しさで出来た球体
意識が右目の上を抜けていく
あなたを求める強すぎる声
上の空 カラ返事が鼻を掠める
もう二度と出逢えない熱情が あなたを放そうとはしない
頭の片隅に誰かの影を思い浮かべる
(私達は この地球上で 決して決して 交わらない。)
机の上の珈琲が私が話した熱だけ減っていく
もう片方の珈琲は 満杯のまま冷めていく
あなたの向こう側にはいつも
私が知らない誰かがいる